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例えば男女比1:30の世界で、例えばそんな世界だからこそ免罪符で女の子に……とかないんだがっ!【アイスピックでそれを突き刺せよっ!!】  作者: Nomulesse oblige
第三部

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第88話 海無し県は川にも行かない。

05


 全身がピリピリとする。

 肌が業火に焼けているようだった。かゆい。痛い。とんでもない不快感が襲う。

 俺はそんな危機感で必死に目を開ける。


「うわっ。眩しっ」


 まぶたを開けると、キラリと照りつける直射日光が俺の目を焼き尽くす。こんなんほとんど光線銃だ。俺の目で目玉焼きが出来上がってしまうことよ。


「焼きすぎた?まあ。その白い肌にはちょっとでも焼いたらダメージが大きいんだろうねぇ。アハハ。もう死んじゃった?人工呼吸してあげよーか?」


 な、なんで聖良さんの声が響いているんだ?

 無惨に横たわっていた俺は首を捻って横を見る。


 パンツだった?

 あ?え?ラッキースケベがまかり通る俺ではないと思っていたのに、唐突な主人公補正が掛かった。

 

「なに見ているん?えっちじゃない」

「いや、君がえっちでしょうよ」


 上を見上げてみると、ブラジャーのみで二つの丘を立派に支えている。下着しか着ていない。俺が求めていたラッキースケベじゃない。向こうがスケベじゃないか。下品じゃないか。ちょっと恥じらいがある程度の方が好ましいと言うのに。だから、共感性羞恥というか、まじまじとみることなく、一瞥で俺の顔を赤くした。


「なあに。わたくしの水着姿に見惚れてしまったんですか?」

「水着?」


 良く見れば、ブラジャーじゃなかった。もっと防御性能がありそうな、ツルツルのコーティングをされていそうなブラジャーだった。それを水着というんだ。

 え、なら。ここは……俺はガバッと体を起こした。


 海のさざなみが頻りに耳に入る。

 地面はふんわりとした砂浜だった。押し付けていた手に僅かに砂が乗っているのが分かる。自分自身もその風景にふさわしい海パン姿である。


 どうしてこんなところに?どうしてこんな格好に?

 俺はただ選挙で選んで投票しただけじゃないか。そんな一瞬で終わることでこんな意味もわからないところに飛ばされてしまっているのか?

 華月さんのやつを選んだ時はもう少し、良心的だったと思うんだが……。


「えっと。俺は今は何をしているんですか……?」


 俺は情報収集のため漠然とそう尋ねた。

 聖良さんは怪訝な顔をした。


「日光浴するって言って寝っ転がっていたんだけれど、もしかして焼かれすぎて、脳みそまで焼かれてしまったの?」

「そんなわけない。え、で。どうして、俺は砂浜に?」

「え?ああ。変なことを聞くねぇ。夏休みだから、どっか行こうとわたくしが誘ったのよ?」


 本当にグッキリと首を傾げていた。

 バカにしたような、アホを見るようだった。


「聖良さんだけですか?」

「わたくしだけよ?」


 あれ?こういう場合だと、いつものメンバーで来ているかと思ったのだけれど。華月さんとか星宮とか……。どうして俺は聖良さんとビーチにいるんだ?

 思い当たる節といえば……。


「もしかして遭難とか?」

「そんなことはないけれど……え、ホントに大丈夫?記憶喪失とかなっていない?」


 本気で心配された。記憶はあるが、繋がりはない。

 こんな不思議がられても、整合性を保つためには仕方がなく、質問をしている。

 こんな時に桜場さんがいればいいのに……。


「桜場さん!?」

「どうしたの急に叫んで?」


 そうだ。ここに喫緊に飛ばされたのは彼女あってのことだ。全ては彼女が知っている。この世界におけるアカシックレコードみたいな人なのだ。

 早く接触しなければいけない。


「さ、桜場さんはどこにいるの?」

「ええ??」


 聖良さんは驚天動地したかぐらいに驚いていた。

 なんでこんなことを聞くんだと、可笑しな人を見る目だった。


「桜場さんは多分家だと思うけれど……。え?それがどうしたの?気になるん?」


 丁寧に答えていたけれど、完全に不快感を露わにした言い方だった。

 そういえばどうして俺は彼女と二人なのかに違和感を抱くべきだった。

 

「俺はどうして、聖良さんと一緒なんでしょうか?」


 出来るだけ丁寧に、慎重に俺は声に出して言う。

 ボケッとした俺の声に、はあと聖良さんは超嘆息をした。

 じとっとした目でバカを通り越して、子供に物を教える母の目をした。


「それはわたくしとダーリンが付き合っているからでしょうに」


 ??

 

 聖良さんはじっとした目で悪びれることなくさもありなんと言い切った。

 今度は俺の脳が完全に焼き切れたと思う。


 てか、あれ?2回目?

 

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