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例えば男女比1:30の世界で、例えばそんな世界だからこそ免罪符で女の子に……とかないんだがっ!【選択権はここにあるっ!!】  作者: √宮ハルヒ
第二部

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第66話 交じり混じり合い。

 ???


 理解が追いつかない。

 聖良さんだけでも精一杯だったのに、華月さんも二人いるっていうのか?


「ほ、本当に華月さんですか?双子とか……」と聖良さんにも言ったようなことを言う。


 華月さんは目を細めてジーと見つめて、明らかに機嫌の悪そうな態度だった。


「何よ」

「いや……。さっき華月さんを見たような」


 ほら、もう後ろに同じような人がいるとか……。


「気のせいでしょう?私、さっき登校してきたばっかりなのよ?今日ここで初めてあったわ」

「そ、そうなんですか……」


 華月さんの物言いからこの人はさっきとは違う二人目らしい。そろそろ収集が付かなくなってきた。


「それともカノジョの顔を忘れてしまったということかしら?酷いカレシもいたものね」


 収集なんてとっくにつかなくなったらしい。

 カノジョ……?華月さんがカノジョという事実は消滅したんじゃないんですか?

 ほら、俺があのリセットボタンを押してしまったものだがら、こうして世界は作り替えられてしまったんじゃないか?

 混乱することも考えることが多い。


「いや、そんなことは…」と忘れかけていた華月さんへの返答を適当に済ます。


「そう。まあ。親愛なるカノジョだからこそできる不謹慎ジョークとして受け取っておくことにするわ。寛大な私だからこそ許せたのよ?感謝しなさい」


 チュッっと慣れもしない投げキッスをされた。


「サービスよ。文字通りリップサービス」


 自信満々なその笑顔で華月さんは言った。

 自分がどれだけ、美少女であるのか、自身で理解しているような。

 その美少女の投げキッスに俺は歓喜するわけでもなく寒気がした。嘆きっす。有体ありていに言えば、ゾッとした。


 誰だ。こいつ。二人目とか言ったけれど、こいつは偽物なんじゃないか?

 ツンツン、グサグサと言った感じなのに、この華月さんは見えるか見えないかぐらいのデレをしてくるんだよ!?


「えっと、華月さんはいつ頃からそんなことしてくれたんですかね……」

「何を言っているのかしら。お付き合いした時からずっとこうではないじゃない」


 な、なんだと。


「と、言うか四季くん。いつものように結音って言わないわね。手も繋がないし」


 寂しそうな目でそう訴えかけられた。

 な、なんだと。なんだと。二重になんだと!?

 そんなバカップルみたいなことをしていたと言うのか!?

 堅物な、古式なたおやかの具現化の華月さんが?完全にキャラ崩壊だよ。


「あはは」と俺は笑って誤魔化そうとしたけれど、「ほら、私の名前。呼んで」と圧をかけられる。それも不意に可愛いと思えた。

 だから、俺は躊躇もなく声に出せた。


「結音」

「いいわ。及第点をあげる。因みにこの及第点は九州大学に受かる点数をあげるということよ」


 とんでもねえ点数をくれるじゃないか。


「ん」


 それから、華月さんは手を差し伸べてきた。手を繋ぎたいというアピールなのか!?

 俺はそれを断るほど勇気に満ち溢れていない。ずっと為すがままという感じだがそれも、まんざらでもないのだ。俺は手を差し出して繋いだ。


 おお。なんだ。この感じは!?素晴らしいなあ。華月さんの仄かな体温と汗を感じる。血管が繋がっているようだ。俺の血が向こうに送られているような……。うん。気持ち悪い感想と、気持ち悪い反応しか見せられなかった。


「どうしたの?」

「い、いやあ。なんでも」


 心臓がバクバクと脈打って死にそうだなんて言えない。ツンがデレになるとここまでいいんだなあと実感させられた。俺の癖が歪んでしまいそうだ。すまねえ聖良さん。俺が華月さんを貰っちまったあよお。

 

「そういえば、こういうことをしにきたのだけれど、そうじゃなかったわ。前、相談していたじゃない?あれ」

「なんのこと?」

「卒業式終わったら、卒業旅行でも行きましょうって話」


 ん?卒業式?卒業旅行?

 卒業旅行にはもちろん行きたいのだけれど。沖縄とか、ハワイとか、セントクリストファーネビスとか。

 いやいや、今は8章の途中のはずで、生徒会選挙中ではないのか?今話題に出ている卒業式は10章の終わりの終わりだ。あれ?再び10章に逆戻りでもしてしまったか?そういえば、華月さんと恋人になったのも10章であった。


「どうしたの?今日の四季くんはおかしいのだけれども。まあ、いつもおかしいのは変わりないけれど、今日は特によ」

「いや。別におかしくはないんだけれど」


 おかしいのは時系列だ。知らない話を急にされて、俺は置いてけぼりみたいな感じだ。今は何章なんだよ。10章になったということなのか?

 助けてよ。桜場さん。俺はこのカオスな状況を一人で解決しないといけないのかなあ。

 そう思えば、絶望感が半端なかった。


「まあ。いいわ。ほら、図書室行って計画を立てましょうよ」

「ああ、そうですね……」


 俺は断ることもできず、手を引かれていく。

 その途中の廊下で生徒会選挙のビラがばら撒かれている。

 それが見えていないかのように素通りして行く。


 やっぱり何章なんだよ。これ。

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