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例えば男女比1:30の世界で、例えばそんな世界だからこそ免罪符で女の子に……とかないんだがっ!  作者: √宮ハルヒ
第一部

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第4話 期待させるなよ。チョロいんだから。

 星宮旭ほしみやあさひくん。俺の友達。友達なのだ。大事なことなのでもう一回言う。友達だ。

 そんな感じで陽キャに対する恨み節はなんとやら。どこかへ消えてしまった。

 

 陽キャも悪くない。

 だって星宮が話しかけてくれてから女の子が度々話しかけにきてくれている。

 星宮は優しいからな。なんか話してやれとかなんとか……。

 これは、星宮からの応援だな。だからこそ、それにあやからなければ、とか思っていた俺もいました。


 ことごとく会話のチョイスをミスリーデング。あっという間に春は終わりを告げました。

 いや、だって陽キャ女子3人組が俺のところに襲来するとは思わなかったもの。そんな破壊力高めのエネルギー全開の人間を連れてこられても対応できない。


 その陽キャ特有のデリカシーのなさにもついていけやしなかった。誰だっけ。3人の中の一人に「誰?こんな人いたっけ」なんて言われたからそれはそれは傷つきましたよ。えっと。桜場さくらばとかなんとか言ったけな?許さねえぞ。

 また前回と同じく、それ以上かもしれないけれど……。机に突っ伏して、再起不能な傷を負った。俺のライフはゼロとなった。

 

「ははは。やっぱ。上手くいかない…」と愚痴った。

 

 どうにかこうにかしても女子と会話が続かない。女子側も平然と話題を提示してくれているけれど、俺がついて行けていないだけなのだ。世界が後押ししているのにそれすらも無力になってしまう俺の陰力。恐るべし。いや恐れている場合ではないのだけれども。


「何がですか?」と突発的に独り言に挟まれた。

 隣の席の女の子だった。ぬぼーと頬杖をついて俺を見つめていた。


「な、なんですか」


 所謂いわゆる主人公席に座っている女の子だ。多分主人公に違いないと安直な思いの警戒心を露わにしながら、彼女に向き直っていた。


「特になんでも、まあ隣で入学したてだと言うのに不幸な人がいるのに、構わないのはねえ。冷たくなくないかしら?」

「まあ。そうですね…」


 俺なら構わない。この人の第一印象は優しい変人か、と。


「ああ。知らない人が急に言うのは良くないか。色々あると思うし、私は華月結音かづきゆいね。よろしく」

「関根四季。よろしく」


 サラッと気づかない程度の簡素な自己紹介を終えて、話が続く。


「で、その四季くんはどうしたんだ?その不幸な顔は」

「ええー。あ、ん」

 

 言うか言わないか迷った挙句、「友達が少ないですから」とぶっちゃけた。

 女の子との対話なんて全然わからないので匙加減が分からない。


「護衛でもつけていたのですか?」

「護衛?」


「あら。護衛を………いいわ。男性が任意で男性を保護してくれる女性の国家公務員よ。大抵はその人らの睨みの所為せいで友達が少ないわ」

「そ、そうなんですね」


「だからこそ様子を伺っている感じなのかも、無闇矢鱈に声をリスクというわけだ」

「そのリスクを犯して話しかける華月さんはすごい人ですね」


「大したことないわ。だってかくいう私もそう言う友達がいないタイプな訳だし」

「見えないですけれど」


 お顔も整ってらっしゃる。俺と会話するのが烏滸がましいほどに、理想的な顔立ち。なんか申し訳なくなってきた。


「そんなことないねー。意外に。今日話かけた初めの人って四季くんだから。それはそこら辺にいる女子と同じような理由でね」

「へー。でも、話しやすいですよ?」


 ほら、圧がないから。さっきの人たちは「高校どこ?」とか「タイプはー」とかマシンガンのように質問攻めされるものだから参ってしまった。ビギナーから世界大会レベルに放り出された気分だった。

 このえーと華月さんはチュートリアルみたいなとっつきやすさがあった。

 だからこんな陰キャでも素直に褒めることができた。


「へー。ぇー。まあ」


 満更でもない表情の華月さん。

 逆にこちらが紅潮してしまうことだ。華月さんから目を逸らすのも照れ隠しの一種だ。

 優しくされたら好きになっちまうよお。

 俺ってやっぱちょろい。


「じゃあ。話しかけやすい私が頼み事をするよ。友達がいないから」


 足を組んで、それはもう頼み事をする態度ではなかったけれど、しかし、妖艶な態度だった。美人局つつもたせとしては上出来だった。


「俺も、長年、友達がいなくて友達は作りたいですけど」


 星宮が友達なのかどうなのかは分からないけれど…。


「あら。それなら丁度よかったわ。これから友達ね」


 やったー。やったー。歓喜の舞をここで披露したいけれど、出来て2秒で失ってしまう。


「その友達のお願いなのだけれど」

「な、なんですかっ」


 変な気分になる。もしかして、もしかしてだけれど、俺がちょろくて、相手もちょろくて、いわばチョロインだったとして、この世界が男女比狂っている訳だから……。

 今から頼まれるのはもしやして伝説の告白っ。


 待って展開が早すぎる。友達期間が1分もないじゃないか。もう俺の目標達成されちゃうよお。


「四季くん」


 ゴクリ。唾を飲み込む。


「はい」

「部活見学一緒に行きません?」


 ですよねー。

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