第32話 男子禁制の個室があるんですよ?
03
そもそも、ここの世界が男女比が狂った世界というのを忘れていた。
だってそれらしきイベントが無かったものだからだ。
しかし、30話もやってついぞ俺もそういうイベントが来たというわけだ。
どう考えても最悪なのだけれど。
男子数十人。学校の全男子生徒が保健室のような、でも違うなんかよくわからない施設に集められていた。
「えーと。心苦しいのですけれど、中学の初めから行っております一ヶ月に一回ほどの提供の時間でございます。まだ、人工的なものの開発は難航中でございまして、提供という形をとっております。仕方がない義務のようなものですが、日本ひいては全世界のためでございますから、しばしご勘弁を願います。担当しますのは学校駐在の国家公務員の行橋でございます」
目が死にながら淡々とマニュアルを見ながら説明をする彼女に恐怖を覚えた。
「ロボットなのかな?」と隣に座っている星宮に声をかけた。
「そら違うと思うけれど、特殊な訓練をされているからね。何事にも興奮しないという鋼のメンタルを……」
「ナニそれ怖い」
「まあ。女の子はそうしないと男の人に近づくことを許してくれないというか何というか。女子に一番人気の職業である護衛官だって、そういう訓練を強要されるんだ」
「それはもう。狂気ですね」
「そうもしないと、世の中の男性というものは受け入れないものらしいんだ」
「まあ。性的被害から守るための護衛に性的被害を受けていたら元も子もないですけれどね」
「そうだね」
「星宮はどうして護衛をつけなかったの?」といつしかの疑問を雑談の体で話してみた。
「まあ。任意だしね。単純な理由だよ。僕に話しかけてくれる人がビクビクと怯えて当たり障りのないことしか言わないからなんだ。それはとっても寂しいことではない?」
「寂しいですね……。それは」
「はい。そこ。雑談はせず、話を聞いてください」と行橋という国家公務員に注意をされてしまった。
まあ。そんなこんなで提供が始まった。何の提供なのかは言わない。恥ずかしいからね。
まずは、男子は個室に入れられる。
くらーいところだった。暗くて、そして椅子が設置してあって、モニターが1つとティッシュの箱が一つ。
まさにネットカフェの容貌をしていた。
「こ、これが国家公認の抜き部屋……」
さてさて、と躊躇もなく椅子に座り、パソコンを開ける。どんなものが眠っているかなあ……。
⭐︎ ⭐︎ ⭐︎
「流石国だわ」
上質なビュッフェで味わい尽くしたと言っても過言ではない。
そういえばこの世界に来てからしていなかったな。と手洗い場で思っているとやること終わった同志がくる気配がした。
いやいや。気まずいって。この賢者タイムという時間でもそれはそれは取り乱してしまうじゃないか。
おい。国。上質さでは文句はないが、この構造は最悪でしょうよ。
俺は一目散に退散しようとしたが、「うげっ」と声を出してしまった。
背景説明よりも不快感を表してしまった。
いやだって信じられないもの。
フリフリのスカートで、低身長、まさしくロリっ子だった。
「な、え?はい?」
「あ?」とものすごい形相で睨みつけられる。
「ひえっ」と俺は翻って走って逃げるしかなかった。
「ちょ、待って」とか言う女性にも似た甲高い声を聞いたなら、理解ができなかった。
一つも。
走って、走って、走って、たどり着いたのは星宮の膝下だった。
落ち着く。実家だあ。
「な、なああ」
「ど、どうしたん?そ、そんな慌てて」
「あの。ねえ。卵子提供とかあるの?」
「はい?」




