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第二章②

私たちが「ビジネス・シンジケート」を結成してから月日が流れ、私は13歳になっていた。


「ノア、東部領の小麦の作柄に関する最新の報告は?」


「昨夜、西の門を抜けた馬車乗りから聞き出した。長雨の影響で、収穫量は例年の半分以下に落ち込む見通しだそうだ。領主が情報を隠蔽しているせいで、王都の市場にはまだ出回っていない」


薄暗い地下室——かつては下水道への入り口だった廃墟を改装した私たちの「秘密のオフィス」で、私は黒板にチョークで数字を書き殴っていた。


相棒となったあの時の少年、ノアが、街中から集めた情報を次々と読み上げていく。


「上出来ね。情報が市場に漏れる前に、代理人を走らせて穀物市場の先物を買い占めるわ。価格が暴騰した瞬間に売り抜ければ、利益は投下資本の三倍を下らない」


13歳になった私は、過酷な肉体労働から完全に身を引き、本格的な資本蓄積の計画を実行に移していた。


私が構築したのは「ランナー」と呼ばれる情報伝達のネットワークだ。


靴磨き、新聞売り、辻馬車の御者助手。


王都のあらゆる場所に、私たちのシンジケートに属する孤児たちが配置されている。


大人たちは道端の汚れた子供を「風景の一部」としてしか認識しない。


そのため、商人の密談や、港への商船の到着状況といった致命的な経済情報は、驚くほど簡単に孤児たちの耳に入ってきた。


私は前世の投資家としての情報収集術を彼らに叩き込み、王都における最強の諜報網を作り上げたのだ。


「クロエ、本当にうまくいくのか? 今回の取引には、これまで貯めた資金の半分を突っ込むことになる。もし失敗したら、また冬を越せずに死ぬ子が出るぞ」


ノアが不安げに眉をひそめる。


彼の言う通り、これはギャンブルに近い。


だが、私は冷静に首を振った。


「これはギャンブルじゃない。情報の非対称性を利用した『アービトラージ(裁定取引)』よ。私たちは未来を知っていて、大人たちは知らない。それだけのこと。さあ、指示通りに代理人のオズワルドを『ジョナサンズ・コーヒーハウス』に向かわせて」





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