番外編1 今昔恋物語①
ホテル猫柳のクリスマスは無事終わり、入クロも猫又になって、ホテルでニューイヤーイベントも済ませて大忙しの私、ナエに宗介様は言った。
「ナエさん、暖かくなってきた事だし西の実家に顔を見せようと思うんだけどついてきてほしくて、犬神の件が終わった事もあっちも分かってるから。
ナエさんを会わせたいんだ」
「分かりました」
なんて返事したけど
(緊張するわ)
そういう訳で3月中旬、私と宗介様は列車に揺られ西の旅館。宗介様のご実家に向かう事になった。
「列車って私、2回目です」
「へえ。花巻の屋敷にいた頃に行ったの?」
「はい。父様の知り合いがいましてどうしても家族も連れて来いと誘われて。
私は観光できなかったですけど」
基本、鈴香の荷物持ちや世話ばかりで観光らしい事はできなかった。
宗介様は私にも家族団らんの頃があったなんて喜ばしい話でも聞けるのかと笑顔だったが私の言葉を聞くと
「ナエさんには悪いけど、あの時クロに暴れさせてよかったよ」
と腕を組みながら答える。
ハロウィンヴィッフェの一件以来、花巻の家の噂は町1番の長者のお家と言われていたが、化け猫を見て襲われたと鈴香が噂をひどく広げたが人々の反応は様々だった。
結局、花巻の人達は頭がおかしくなってしまったのかしらと主婦達の噂になってしまい、更にヒステリーになった鈴香はあれ以来更に猫嫌いになってしままたらしい。
こんな調子じゃ縁談で良い噂が立つか分からないわねと全部ホテルに来た私の住んでいた町の女性客が噂していた事だ。
クロは今回お留守番だ。
(そういえばーー)
宗介様からプロポーズされた時の疑問を私は思い出した。
「宗介様、プロポーズの時の話なんですけどいつから私の事を好いていて下さったんですか?」
「え?気になる?」
「はい!」
早く聞きたいので前のめりになっていると宗介様はまあ落ち着いてと列車の向かい側席にキチンと座るように言われた。
「うーーん、どこから話そうかなあ」
彼は少し考えこんでどこか懐かしむような顔をして話し始めた。




