第六話 鋭利な刃毀れ
「さて、折角カフェに来たが、ギルドに戻ることにしようか。」
生物使いとの戦いを終え、その処理をしなければならなくなった。処理というのは、死体処理とギルドへの報告である。特にギルドへの報告は敵の能力や得た情報を書かなければならない。そのため、香は、逃げようとしていた!!
「香、一体何をしているのだい?」
香は上映前の映画館くらい静かに歩いた。しかし、静かに出るために黙っていたのが裏目に出た。
「何で分かったんだよ。私は漏れでる魔力すら抑えて静かに歩いたぜ?」
「逆だよ。君は静かすぎた。いつもリリスと話してるのに今は話し声一つ聞こえなかったからね。不自然だったんだよ」
「げぇ、最悪〜。勉強になったわ」
香は諦めて歩みを止めた。そして、死体の破片を集めて袋に詰める。リリスとブラウンは平然とそれをしているが、香にとっては最悪の気分だった。
「おぇえええ。よくできるね」
「香さんこういうのは初めてでしたね。嫌なら先に帰って報告書を作ってきてください」
どちらにせよ香はどちらかをしなければならないのは分かっていたため、帰って報告書を書くことにした。
「じゃあ先に帰るぜ。魔力の所為で常に軽めの倦怠感があるのに死体処理で精神的にボコボコになるとか最悪だかんな」
「はい。お疲れ様でした。この程度にも耐えれない貧弱な香さん。」
「なんか最近リリス、当たり強くない!?コーヒーすら飲めないクセに!」
「それ掘り返すんですかぁ!!というかコーヒー飲めないのは香さんもでしょう!?ヤンキー口調の割には飲めないなんて強がってんのが見え見えですよぉ!」
そう言われながら家の隙間のホコリを見る表情で外に出た。辺りを見る。近くの川にはもう魚はいないし、空には鳥一羽飛んでいない。
「自然を愛してるとか言ってた割には自然が廃れてるな。気持ち悪。」
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ギルドに着き、受付嬢にその事を話す。白紙のレポートをもらい、ギルドから出て近くの普遍的なホテルの一室を借りた。出資はモネがしてくれている。部屋への道を歩く。ホテルは木製なためどの部屋からも自然感ある新鮮な空気の匂いを堪能しながら歩き、部屋につく。部屋からはハーブティの匂いがする。早速部屋に入ってレポートを書こうとドアノブに手をかけた。しかし香は違和感を感じた。
「なんでハーブティの匂いがするんだよ。今さっきまで木のすげえいい匂いでキメてたのによお、この部屋に誰かいるんじゃあないのかッ!?」
警戒しながらドアノブを下げる。ドアを開けようとする。香は多数のナイフを磁気で浮かせ敵がいてもすぐ戦闘不能にさせれるように構えている。
ドアを開ける。中には…誰もいない。誰もいないのだ。ズレた毛布と凹んだソファ、光るランプ。
「おかしい!誰かがついさっきまでいたとしかッ!!」
「私も、そう思うなぁ〜。」
香は後ろを振り向いた。背後からの声と魔力を感じたからだ。しかし振り向いても誰もいない。
「急に振り向いてどうしたのぉ?」
「テメエは誰だよッ!」
「気になる?気になるかぁ」
再び背後から声がした。これ以上振り向いても何も変わらないと、そう香は感じた。
「背後にいるなら背中ごと刺せばいいんだよッ!その間抜け面を私に見せてみな。」
磁力を作る。しかしナイフが動いた気配がしない。
「なんでナイフが動かねえんだッ!?…いや動かなかったんじゃあねえ!そもそもナイフがねえんだッ!」
「すごいねぇ。気づくのが速いってぇ」
ナイフが消えている。物質から取り出した鉄を使っている為消えるということはありえない。だが消えたのだッ!!
「流石にマズい。奴の能力がわからない以上下手に攻めるのは危険か。」
「うんうん」
「ならばより攻撃予測がし辛い方法で…ってなに相槌打ってんだテメエ!」
「そんなびっくりするコトかなぁ…? まずねー?私は君の敵じゃあないのよぉ?」
香は一度魔法の進行を止めた。すぐ再開できる程度で止めている。
「君の技は属性魔法の癖に本来の使用法をしてないから予測し辛くて怖いんだよぉ」
「知ってるんだ。私の事。つーことはテメエも例の犯罪組織の…」
続きの言葉を言おうとした瞬間、人差し指で香の口を抑えた。
「それ以上はまだ考えなくていいのよぉ?君も私も。」
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一度部屋に入って話をすることにした。香が奴を信じることにしたからである。
「それで?私のことは知ってるみたいだけど、テメエのことを私は知らねえ。ちゃんと自己紹介しろよ。YouTuberの初投稿動画くらい丁寧にな」
「ゆぅちゅぅばぁと言うのを知らないけどぉ、丁寧に紹介してあげるよぉ。私の名前はファエル。エルちゃんと呼ばれてるのよぉ?『鋭利の魔女』とも呼ばれているかなぁ。君にも聞き覚えがあるんじゃあないの?」
「鋭利の魔女…。ごめん初耳」
「ええっ?」
今回の話を見た香とブラウン
「香、お前あの時逃げようとしてたのかよッ!?」
「うげー、バレちまったの。最悪だわ」
「なんか、悪い事言ったな。ごめん、香」
「逃げようとしてた私が百悪いから謝らなくていいのよ?」
「おお、それは、そうだが」
「果たしてあの魔女は味方なのか?次回をお楽しみにー!」




