第五話 リビング・ユージング・スナック
「さてと、テメエの能力は既に分かってんだよ!!」
香は堂々とそう言った。香は間合いを保ち、常に相手の攻撃に対応できるようにしている。しかし、リリスは気づいている。香は相手の能力が分かったときは自分の有利な環境にする。確実に勝利を掴むためだ。今はそうではない。つまり、まだ能力には気づいていない!揺さぶりを相手にかけている!
「そうか、そうか、そうなのか。気づいたか、ならばいい。一気に倒すとしよう」
奴の後ろ、ガラス張りの壁を突き破り現れたのは魚だ。魚はものすごいスピードでパーティ全員に襲いかかる。まるでドローンで突撃してきているような挙動だ。
ブラウンがハンマー何匹かの魚を叩き落とす。叩き落としたさかなからは血が流れている。ブラウンは違和感を感じた。そしてすぐにその正体に気づいた。
「この魚達は生きてる!生きてる魚だぁッ!!奴は自然を愛すると言いながら生きてる魚を当然のように突撃させているッ!!」
魚の勢いは止まらない。香やリリスは魔法で対抗しているが、量が多すぎて防ぎきれていない。ブラウンも余裕そうだがかすり傷が出来始めている。するとモネの体が突然光り始めた。
「僕の威光の能力は時間逆行だけではない。光というのはこの世を現す鏡ッ!鏡が歪めば、映る世界も歪むのさッ!!『スタック・ライト』!!」
モネは凄まじい速度で魚を刺身にして奴の首に剣を当てた。
「さぁ、僕に何故ここを襲ったのか言ってみな?処刑前の最後の慈悲さ。」
「終わったのはお前だ!自然はまだ、私を愛している!」
蛇がモネの足を捉え。奴の首から針のような物が現れ、モネを刺す。モネは血を吐いた。そしてモネは『スタック・ライト』を止めた。
「まさか、蜂の針か!!テメエはてっきり透明化と何かしら生物を操る能力なのかと思っていたッ!透明化じゃあねえ!!テメエの能力が完全に分かった!!」
磁力で剣に反応させてモネをこちら側に戻す。
「大丈夫なの!?」
「ああ、問題ないさ。だが、僕はこれ以上動けない。身体が麻痺してしまったよ。悪いね。君達に彼奴を殺してもらうことにするよ」
「りょーかい…ってやっぱ殺すことになるのか、、」
「あのレベルの奴は監視所に入れておいてもすぐ脱出できるからね」
「それでも…、いや、勝ってから考えるか」
そんな会話をしているとき、リリスとブラウンは奴と戦闘を続けていた。
リリスのメモリースタンプは、相手が怯んでもこちらに動物を突撃させ続ける為効果は薄かった。ブラウンがハンマーで一撃入れようとしてもすぐ見えなくなり、鳥や虫を突撃させてくる。
「厄介ですね。こちらのメインウェポンは全て防がれます」
「防げないレベルの一撃で終わらせることができればよお…。いやあるじゃあねえか!!」
ブラウンは香の方を向き、「爆発魔のときの戦いを思い出せ」と伝えた。香はすぐにそれを思い出し、ブラウンは構えた。
「この一撃だとカフェ壊れるから、勿論ブラウンが賠償金払えよ!」
「なんでだよ!!こういうのはパーティで払うもんだろ!!?」
「ぶっ飛べ!」
「いくぜ!!」
奴に向かってブラウンごとハンマーが磁力によって引き付けられ奴を粉砕する、はずだった。奴は腕をゴリラに変えて、ハンマーを叩き続けて威力を相殺した。圧倒的なラッシュの威力と速度、それによって防いだのだッ!!
「クソッ!!耐えられるのかよ!!」
「不意打ちじゃあなかったのが裏目に出たかクソォッ!!」
「充分です。相手に隙が生まれましたから。」
リリスはいつのまにか奴の背後に立っていた。そして奴は凍りはじめた。
「火魔法ですよ。そこまで不思議な物ではありません。凍らせるのには充分な隙でしたよ。流石です。ブラウンさん。」
「おお、褒めてくれるんは嬉しいが、香の事も褒めてやっていいんじゃあないか?」
「癪なので」
「悲しいッ!なんか悲しいわッ!!」
氷がピキッと割れている。奴が動き出している。
「ああ、トドメを刺していませんでしたね。ごめんなさい。」
雷が氷ごと破壊する。奴は完全に燃え尽きた。
「これで終了ですね。モネさんを治療してギルドに戻りましょう。」
「なんか、すげえ一瞬」
「そういえば、つかんだんでしょ?ここ最近現れ続ける犯罪者達について」
「やっぱり香さん私のメモリースタンプ盗みましたよねぇッ!?」
「まだ盗んでないわ」
「まだって何ですかッ!?」
リリスが奴の灰を見る。
「此奴等はある犯罪組織に所属しているようです。そのため此奴等は最初に『無敵』を倒した香さんや、『爆発魔』を倒した私たちを狙っているようです。そして犯罪組織にはボスがいて、其奴はとてつもなく異質な能力を持っているとか。しかし此奴は正体を知らない。知らないまま尊敬し、所属していたようです。気持ち悪ッ」
「リリスさん、本音出てますよ」
「メモリースタンプしますよ?」
「ゴメンナサイ」
今回の話を見たモネとブラウン
「今回の話も僕はあまり活躍できなかったね」
「なんだぁ?気にしてんのか?あーしはそういうの気にしない方がいいと思うぜ」
「僕の人気が出なくなるからそれは困るね」
「モネってそんなプライド高かったっけ?」
「勇者だからしょうがないね」
「けぇ、パーティ関係なくなった瞬間にこれかよ〜」




