二章第九話 終焉物語『海洋恐怖症』
タラソフォビアは空き家前に降り立った。そして中に入ろうとしたそのとき、空間が尖った。そしてタラソフォビアは消滅した。
「これで良いのかはさておきぃ、復讐完了かなぁ。早く香を探さないとぉ。生きてる。生きてる。生きてるはずぅ」
「殺した。何度言えば分かるのだ?愚者が」
ファエルの背後には消滅したはずのタラソフォビアが立っている。ファエルはそれに恐ろしさを感じた。何由来の復活かすら分からなかったからである。
「私は完全なる不死となったのだ。お前のように完全に消滅させれる力でも私を消すことはできない」
「なん、だってぇ?」
タラソフォビアの近くから光の珠が現れビームをファエルに向かって放つ。しかし、突然大きな斧が地面に刺さり、ビームは反射した。
「間に合ったみたいでよかったー!こんな化け物、魔王以来だわ!」
空に立っていたのはナチュアだ。タラソフォビアがナチュアを認識した瞬間落下が始まったが華麗に着地した。
「確か声を溺れさせるんだっけ。ホント、ヤバすぎ能力だわ!」
「お前は自信満々に来たようだけど愚かだな。私の能力を知っていてなおここにくるとは」
タラソフォビアはたくさんのビームを多方向からナチュアに放った。しかし、ナチュアは華麗に全て避ける。
「聞いた通り体内の魔力は操れるんだー!よかった。体内まで効くタイプじゃあなくて。」
「何故躱せるんだ!!神の力をッ!!」
「簡単だよ。私の『ウィルフェエド』は魔力操作の延長線上だもん。」
ナチュアはウィルフェエドによって未来を見ている。その未来に合わせて躱し、相手を見切っていた。
「そしてッ!ここで私のもう一つの武器が役にたつッ!!」
ナチュアが取り出したのはヨーヨーだ。特殊な金属でできているものである。ナチュアはヨーヨーを真上に放ち、重力に合わせて魔力と共に加速させる。このヨーヨーを形成する金属は魔導真鍮製であり、持ち主の魔力を自由自在に通す。そのため、溺声が身体と判定し、魔力による加速が可能なのだ。
「その程度で機械仕掛けの神を倒せると思うなァァッ!!所詮三下勇者がッ!」
「『そして重力は、私を愛した』」
「は?」
ヨーヨーの回転は重力を巻き込み空間に作用した。摩擦による熱と重力はタラソフォビアを抉り、空間を弄りながら進むため防御できない。ミサイルやロボット兵を回転により内部破壊し簡単に無力化する。
「『__お終い』」
タラソフォビアを抉りとる。完全に無力化できたように見えた。
「ふぅ〜。これで終了だね。うまいこと相性が良くて助かった」
「危なかった。ああ、本当に危なかったよ。」
地面からタラソフォビアが生えてきた。ナチュアは驚きを隠せない。
「ファエル!早く隠れて、」
タラソフォビアはファエルの腹を抉り立っていた。
「ナチュ、ア」
「なんだってッ!?」
ナチュアは再びウィルフェエドを使用した。そこで見えた景色は、世界がタラソフォビアだらけになった恐ろしい悪夢だ。ヨーヨーの回転を再び始める。しかし、ナチュアの背後にもタラソフォビアが現れ、腹を貫いた。
「あ、」
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王国にはもう殆ど人がいない。機械仕掛けの神々が置き換わっているが。
無惨にも国は原型を留めていない。燃え盛り、川は氾濫している。
何が足りなかったのだろうか。何も足りなかったのだろうか。
大きな爆弾が落ちてきている。もうここにいてはいけない。
だからこそ、間に合うように。
「『バック・リット』」




