二章第二話 先端から朽ちる運命
「そんで、ベリアルさん?アンタもそのパーティに来るの?」
「勿論。あとベリちゃんでいい。あと、今のはいい技だった。褒める。」
「ありがとうねベリちゃん。そんでアンタ、ちょっと魔法について色々聞きたいことがあるから後で話さない?私、魔法についてあまり知らないのよ。どっかのリリスが属性魔法以外教えてくれないし、そのリリスは属性魔法すら充分に教えてくれないのよ!酷い奴だわ。あーあリリスさいてい〜」
「それだと私が全然教えてくれないクソ野郎みたいじゃあないですか!?」
リリスが会話に反応して大声でツッコむ。ベリアルはそれに少し驚くもすぐに元の雰囲気に戻った。そして少し上を向いて考えた後、何か思い出したようでこちらを向いた。
「ところで、名前、なんだっけ。ミカエルが貴女の実績ばっか話すから名前を知らずに来ちゃった。ミカエル、オタクすぎてそういうとこある。情報で私の脳が破れそうな風船みたいになった。教えて、名前」
「鈴木よ。」
「香さん、そろそろそれ治したほうがいいですよ。ツッコミに疲れてきました。」
「ゴメンナサイ。香よ。守仁・香。一般女子高生よ。仲良くしましょ。」
「良い名前。香ちゃ。ーん、何かいいあだ名無い?ミカエル。」
「香ちゃん…コウちゃん、コウチャ、そうだ!紅茶と呼んだらいいんじゃない!?」
「ミカエルに頼んだ私がバカだった」
「ええーっ!?」
「冗談。それじゃあまた後で。ミカエルは早く本当の目的をこなして。」
ベリアルはドアから外に出る。ミカエルはとほーんとした顔で少し考え、失くした鍵を見つけ出したような顔をした。そしてミカエルが椅子に戻り、言い始めた。
「本日はお集まりいただきありがとうございます。モネ御一行様。王国を代表して、このミカエル・アポリオン・グレイトフルから褒美と祝福を貴女達に授けます。改めて、御一行様の偉業を、ええっと。…」
どうやらミカエルはセリフを忘れたようである。
ドアからベリアルが再びひょっこりと現れて紙をミカエルに見せた。
「ああー!そーだ。我が王国は忘れることはありません。感謝を。」
香はそうミカエルが言っているときにツッコもうとしたが状況が状況のため堪えた。リリスも同じである。2人はお互いの顔を見合う。そして堪えることができずに笑った。ベリアルはカンペを降ろし、呆れている。2人にではなく、セリフを忘れたうえに忘れていなかった部分も微妙に違ったミカエルに呆れたのである。ベリアルはドアを閉めて廊下に座った。
「あの香って人。私の三分の一程の魔力を持ってる。珍しい。」
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「それで?いいものは得られた?」
王城で王女とパーティのことを話し、ベリアルに魔法の仕組みや技術を教えて貰い、街に帰ってきた香とファエルは2人きりで話していた。
「勿論だよぉ。ちゃんと顔を見せたからねぇ。乗って正解だったよぉ」
「それで結局、裏切りって何をするの?」
「簡単な話だよぉ。組織のボスに退職届を叩きつけて、組織の情報を王国に売る。あとは私が所属していた事実の根拠となるものを焼き払いたいなぁ。それで完結。退職届っていうのはぁ、うちの組織ではボスからの処刑を意味するけどぉ、逃げ切って組織を破壊すればそれで終わりだよねーってことぉ。風が吹いて、夜空の雲がなくなって、星明かりに照らされて、月が綺麗ですねって安心して言える街を取り戻したいのぉ。」
「じゃあなんでテメエはそんな組織に入ったんだよ」
「王国はこの組織すら見つけられていない。1人で立ち回ればすぐに限界が来る。何よりも、最悪なクソ野郎共を法なんて気にせずに殺せるのならば、それで良いと思ってしまったのぉ。それは間違いだったけどねぇ」
「早く気づきなさいよ。あーあ。最悪だわ。無関係なのに組織を相手するなんて。でもよ、手伝ってやるわ。私が手伝いたくなったからな。夜がすぐ明けるように、氷河期にも終わりがあるように、私がその組織を潰してやる。テメエは褒め称える準備をしとけよ!」
「勿論だよぉ。お互い死なないように、全て潰しましょ?」
「作戦から、作ろうぜ。」




