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皇太子な私2

『こんなことあるんだね』

『当たり前だろー!何度生まれ変わったって、ちさはパパとママの子供だからね!』

『そうよ〜。離れ離れにはなっちゃったけど、見つけ出せてよかったわ〜』


 耳に付けたピアスから聞こえるミィナたちの声を聞きながら、父上とミファナの話し合う姿を見つめる。


「…そうだったんですか。まさかシュノアート帝国の皇帝と皇后がミーニャちゃんの実の御両親だったなんて…そして、前世の…」


 ミファナは父上の説明を聞くと、目を瞑り小さく息を吐き出した。


「聖女、もしもニャーゴがシュノアートに帰ると言ったら、全力で止めてほしい。お前なら止められるだろ?」

「…そうですね…でも、ミーニャちゃん、ずっと御両親に会いたがっていましたから…それに、あの方たちもミーニャちゃんの事を覚えているなら、止めるのは難しいかもしれません」

「…………」


 父上は暫くミファナを見つめた後、部屋を見渡しジェルミーへと視線を向けた。


「お前はどうだ。今、ニャーゴはお前に惚れてんだろ。アイツは惚れた相手には盲目になるからな、お前が頼めばこの国に留まるんじゃないか?」

「…どうでしょう?僕はミィニャ嬢が傷付く可能性がある事は極力したくありません」

「はぁ?あんな国に行く方が傷付くだろーが。……お前、まさかアイツに、」


 不自然に言葉を止めた父上は、強張った表情で耳に手を当て押し黙ってしまう。かくいう私も、息を殺して耳に意識を集中させる。


『ちさ、パパと一緒に家に帰ろう!』

『これからはママとずっと一緒に暮らしましょうね』


 シュノアートの皇帝たちの言葉が聞こえた瞬間、心臓が早鐘を打つ。もしもミィナがこれに同意してしまったらどうなる?シュノアートは同盟国ではない。過去何度も戦争をし、未だに遺恨の残る間柄だ。そんな国の皇女になんてなってしまったら、もうミィナに会えなくなってしまう。そんな事になってしまったらと考えると、怒りで手が震え出す。


『うーん…今はまだパパとママとは暮らせないかも…この国にはお姉ちゃんいるし、家族もいるから』

『『えっ』』

「ミィ!!そうだよな、ミィが俺を置いて何処かに行くわけないよな!!」


 感極まったように叫ぶルーディスに、皆が冷めた目を向ける。いつも私たちがミィナに盗聴具を付けると直ぐ様破壊するくせに、自分もしっかりミィナを盗聴しているじゃないか。散々人を異常者扱いしてきたが、一番の異常者が自分だといつになったら気付くんだ。そもそもミィナは帰らないとは言っていない。今はまだ、と言っていた。つまりはいつかは両親と暮らす気持ちがあるということだ。ミィナがあの二人の元へ行く前に、何としてもあの二人を…そして、シュノアート帝国をこの世から消し去らなければ。


『そんな…あのちさが、パパやママ以外を選ぶなんて…』

『ママとパパがいれば友達なんていらないって言っていた、あのちさが…』

『ファザコンとマザコンって同級生に言われて喜んでいたあのちさが…!?』

『いつも川の字じゃないと眠れなかったあのちさが…!!』

『私そんなに酷かった!?え…そうだっけ?前世の自分の事はもうあんまり覚えてないや…』


 前世のミィナを知れて嬉しく思う反面、愛する者に盲目になるのは前世でも変わらないのかと溜め息を吐く。私の時もそうだった。ミィナは私を深く愛してくれた。命だって投げ出すほどに。私だって、ミィナのためなら何だって出来るほど愛していた…愛しているのに…。

 それなのに、どうしてミファナに愛を乞うのか、自分でもわからない。一日中頭の中を占めるのも、どんなに忙しくても無理をしてでも会いに行くのはいつだってミィナだというのに。

 以前ジェルミーが言っていた『愛する人を愛せなくなる』という言葉が、ずっと頭に引っかかっていた。聖女の魅了とはいったいなんだ?…いや、ミィナと婚約する際、父上に警告された筈だ。だが、父上に何を言われたか思い出せない。…そう言えば、父上はいつからミファナと話すようになった?以前は徹底的にミファナを避けていたというのに……ああ、そうだ。ミィナとミファナがドレスの試着をしに城に来たあの日、始めて父上はミファナに話しかけていた。その時、父上はロッズオール家の長女に会ったと言っていた。いったい何故だ?ジェルミーの呪い…それと関係があるとしたら…愛する人と結ばれなければ死ぬ呪い…そもそもどうしてジェルミーはそんな呪いを自分にかけたんだ?

 もう少しで答えがわかりそうなのに、何かが深く考える事を邪魔して答えに辿り着けない。モヤモヤする頭を抱えていると、盗聴具から『2人共落ち着いてよ!』というミィナの声が聞こえてきた。

今まで書いていたお話をちょこちょこ書き直そうと思います。

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