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第39話 「影の評価」
一方。
侯爵家の一室。
アクドイは報告を聞いていた。
「魔族は消滅。右腕を失い撤退不能」
「……そうか」
表情は変わらない。
「問題は、聖属性の少女ユリアンです」
「出力は?」
「上位聖職者クラスを超えています」
沈黙。
「……警戒対象に格上げだ」
セイラ?
どうでもいい。
加護なし。
光属性。
多少再生能力があろうと、脅威ではない。
問題は――ユリアン。
魔族の天敵。
その情報は、すでに海を越えた。
ヘンダーソン帝国。
「聖属性の少女が魔族を消滅させた」
「ほう……」
「確保、もしくは排除を検討すべきかと」
静かな笑い。
「まずは観察だ」
こうして。
ユリアンは、知らぬ間に国家レベルの注目対象となった。
そして、その隣には。
誰も警戒していない少女が立っている。
光属性の、無能。




