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脳内宝塚歌劇 NOELE〜西の京幻想〜  作者: 一の坂 さくら
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第3  出会い

「てや〜」勇ましい声が庭から聞こえてくる。

「お嬢様、もう、勘弁してください。」

「文官と言えど、そなたも武士のはしくれ。この戦乱の御代、そのような事では生き残れぬぞ!」

「大庭様…お嬢様を、姫を止めてください」

家来である斎藤が泣きそうになっている。

父 大庭 清孝は苦笑いしながら

「本当の所、千鶴お前が男子であれば、戰場で活躍したであろうに。お前のその男勝りのせいで嫁ぎ先も見つからんわ。」

「父上。」ふくれっ面を見せる千鶴。

そこへ奇妙な一団が入って来た。

「何奴」

千鶴も斎藤も腰にある刀に手をかけ身構える。


どうみても日本人ではない。

長い黒衣を身にまとい、あごひげをたくわえた男ともう一人同じような格好の男。

鎧のようなものを身に着け剣を腰に下げた男。

そして同じような黒衣を身にまとったもう一人の男が突然、流暢な日本語で話し出す。

「私達は怪しい者ではありません。私はアンジロウ。日本人でこの方達の通訳です。…と言ってもだいたいの会話はできますが。大庭 清孝様には書状をお出ししておりました。」

「おお…殿にお目通りを願われた南蛮からの

ご一行ですな。」

清孝は思い出した顔で話を続ける。

「確か…ここ山口にしばらく滞在されるご予定で、その間にキリシタンの活動を行いたいとか」

「はい。滞在には許可がいりますゆえ、こうしてお目通りをと。」アンジロウが続ける。

「この方はポルトガルと言う国から参られた宣教師の方々。フランシスコ・ザビエル様とコスメ・デ・トーレス様、護衛のミゲル・ロドリゲスです。」

「ヨロシクオネガイシマス」ザビエルが一礼する。

「早速紹介状を持たれ城へ。私は知らせの馬をだしておきましょう。」

「ありがたい。よろしくお願いします。」

一行は一礼して去って行った。

去り際、剣を差したミゲルがアンジロウに何事か話しかける。

アンジロウは千鶴に向かって 「『そこの少年はなかなかいい筋をしている。』と」

「そこの少年…?」訝しげに辺りを見渡す。

「『剣の手法は違うが一度お手合わせしたい』と申しております。姫」

アンジロウは、こらえきれず笑いながら言う。

千鶴はミゲルに向かって

「私は女ですっ!」と顔を赤くして言う。

その言葉の意味はわかったのか千鶴とアンジロウを交互に見て目を丸くするミゲル。

アンジロウは大爆笑。

周りの者達も皆苦笑いしている。

「その様にジロジロと、無作法ですっ」

「千鶴…お前も悪いと思うが…」

父清孝が助け船を出す。

「さあ、参られよ。」

一行は城に向かって行った。

「父上、あの南蛮ものは何なんですか?!

無作法にもほどがあります。」

「国が違うのだ、作法などと分からぬではないか。」

「ところで千鶴、あの者達の滞在中の世話をして欲しい。幸いアンジロウ殿もおられるし言葉に苦労する事はなかろう。」

「えぇっ?!私が?私はは嫌でございます!

何故私があの者達の世話など。」

「…なまじの娘では務まるまい。

それにいまのこの時代の乱れ、いつ戦が周防の地で行なわれてもおかしくはない。男共は戦に備えなければならぬ。」

「戦…この周防の国、山口も戦場になると?」「…不穏な動きもある。安芸国毛利公も力をつけておる。我が国は先の戦で大敗しているゆえ、近隣諸国からは狙われやすいのだ。…それに」

「それに…?」父の沈んだ様子に千鶴は思わず聞き返す。「まあよい…そう言う訳だからあの

バテレンの一行、よろしく頼む。」

「父上、ちょっと。それとこれとは。父上、お待ちください!」

父の後を追い千鶴は声をかける。

清孝はおもむろに振り返り

「…千鶴、その稽古着を着替えんと、また間違えられるぞ、少年に」と言い、豪快な笑い声と共に奥の間に引っ込んだ。

「父上まで!失礼です!」周りの者達はそんな

2人のいつものやり取りを聞いて笑っていた

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