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DUETTE  作者: 豊島藍
3/6

先生

一人でピアノを弾くのが寂しいんだ…


ある日のピアノレッスン


「奏ちゃん。あなた最近一人で音が走りすぎよ」

最近先生からこの注意をよく受ける


そんなこと私が一番わかってるんだ


「やっぱり連弾が向いてるのかもね…」



自分でも顔が引きつったのがわかった

そんなの私が一番わかってるのに


一人で曲を作るのは寂しいんだ



「もし、奏ちゃんがよければだけど

 連弾の相手を紹介しましょうか?

 ちょうど相手を探している子がいるのよ」

「え?」

「あなたがベストコンビネーションだったことは十分承知してるわ

 でもたまには気分転換にどう?

 相性があうかはやってみないとわからないけど…」


なんとも複雑な感じだ

連弾をやりたい気持ちは私のどこかに潜んでいる

でも、彩音以外の人と連弾をしていいんだろうか…




ハッと我に返った

なに彩音のことばっかり考えてるんだろう

馬鹿みたいだよね


私は彩音が好きあんじゃなくて連弾が好きなんだよ

そうだよね


「奏ちゃん」

「は、はい?!」

「いろんな気持ちはあるみたいだけど、

 始めは軽い気持ちでいいの。

 発表会もひとまず終わったし、

 息抜きのつもりで週一でいいからはじめてみない?」

「はあ…」

「きっといい経験になるわ」


先生はきっと私のことを気遣ってくれてるんだろうな

そんなに言われたら断れないじゃん…



「軽い気持ちでいいんですか?」

「はじめはね」

「いやだったらやめてもいいんですか?」

「もちろん」

「息抜きでいいんですか?」

「ええもちろん。あなたの一人で弾くピアノも素敵よ」

「じゃあ両立するんですか?」

「大変?」

「いいえ…」

「ちょっとはやる気になった?」

「なんとなく…」


なんて曖昧なんだ自分


「候補は何人かいるの。

 みんないい子なんだけど、

 始めが肝心だから。

 あなたに合いそうないい子を選ぶわ」

「ありがとうございます」

「来週の火曜日空いてる?」


塾だ…


「塾…休んでいきます…」

「じゃあ決まりね?火曜日まってるわ」




レッスン教室を出た

なんで塾休むなんて言っちゃったんだろ

母さんに怒られちゃうや


『いい子だといいな…』

そんなことを小さくつぶやいて私は手帳を開いた




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