えくすとら ミツキDays2
ミツキDays、予定では2話で終わりの予定でしたが、3話まで続きます。
実はミツキDaysはブリッジストーリーに成っていて、「幼馴染」から「えれくとろんあーく」の未来の話(えれくとろんあーく3?)に繋がります。(書くかどうかは未定です⋯女主人公で恋愛要素の無いSFなんで、ともかく読んで貰えないので⋯)
なぜ、どうして繋がるのか、は次のお話をお楽しみに。
「ちょっと、あ兄ぃから離れてよ」
「美月が離れれば良いじゃん」
「なんで私が?」
「だってここは私の家だし」
「だって私は妹だし」
「むむーー」
「ぶぅーー」
あの後、小一時間後に美月もこの世界にログインしてきた。
どうやら学校でミツキをモニタリングしていて事態を察知、研究所に駆け付けて予備のVSDを使って来たらしい。
美月、行動力オバケか⋯。
仕方なく、改めて周りをみまわす。
女の子らしい飾りや調度があしらわれたリビング。
ここはVR世界のミツキの家⋯と言う設定らしい。
周囲を雑木林に囲まれた一軒家はどちらかと言うと、コテージ風だ。
そこでよく似た2人が睨み合っている。
俺としては2人に仲良くして欲しいんだが⋯。
「そ、それより腹が減ったな⋯何か食べ物は有るのか?」
話題を逸らすためと、この世界で食事をしたらどう感じるのか、の興味で俺は言った。
「私、ご飯、作る!」
それを聞いたミツキがぱっと立ち上がりキッチンに向かう。
「ちょっと、あ兄ぃの食事は私が」
美月も後を追ってキッチンへ向かう。
せっかくミツキと離れたのになぜ後を追うんだ?
実は2人、仲良いのでは⋯。
しばらくすると、キッチンから美味しそうな匂いと、じゅうじゅうと炒め物をする音が聞こえてきた。
反射的に空腹感を感じた。
これは実際に体が反応して感じているのか、それとも、これすらも作られた感覚なのか。
最早、俺には判断がつかなかった。
キッチンに行くと、ミツキと美月がそれぞれが料理をしている。
ミツキは野菜を細切りにし、肉と捏ねている。
「ミツキは何を作ってるんだ?」
「餃子と回鍋肉!」
元気に答えるミツキ。
「それは凄い」
その声に美月が反応する。
「あ、あんた、どうして私が作れない物を⋯?」
「ふふふ、私は全ネットのデータにアクセス出来るのよ? 回鍋肉の作り方位調べるのはお茶の子さいさいよ」
「むむ、卑怯な」
悔しそうな美月。
「そう言う美月は何を?」
俺はもう一方の美月の料理を見る。
「カレー。痺れる位の激辛であ兄ぃをメロメロにするんだから!」
ドバドバと鍋にカレー粉を入れながら美月は言った。
「待て! 激辛好きはお前だけだ。それ食べたらメロメロじゃなくてヘロヘロになる!」
何度か美月の料理に痛い目を見ている俺は慌てて止めた。
美月の激辛料理は不味くはない。
むしろ美味い。
だからこそ、一度食べるとやめられなくなり、翌日後悔する事になるのだ。
「ええーー」
「とりあえず今回はマイルド仕上げで頼む」
「わ、分かった」
渋々頷く美月。
それから暫くして、リビングのテーブルの上には山盛りの餃子と回鍋肉、カレーとサラダが並んでいた。
「こ、これ全部⋯俺が食べるのか?」
「「もちろん」」
二人は声を揃えて言った。
「む、無理⋯」
だが、考えて見ればあくまで仮想の食事。
食感は有っても血糖値が上がるわけでも腹が膨れる訳でもない⋯はず。
「食べるぞ、全部!」
俺は敢然と料理に挑んだ!
そして全部の料理を平らげた!
⋯満腹で動けない⋯。
最先端AIのシミュレーションは満腹でお腹がキツくなる所までちゃんと再現していた。
やるな、最先端AIめ。
「く、苦しい」
俺はリビングのソファに仰向けにダウンしていた。
ミツキが俺の顔を覗き込む。
「お兄ちゃんは少し休んでてよ」
「私達、準備してくる」
「準備?」
「それは⋯」
「後での⋯」
「「お楽しみ〜」」
二人は声を揃えて部屋を出て行った。
⋯やっぱり仲良いんじゃ。
暫くしてようやくお腹が落ち着いた頃。
「あ兄ぃ、庭に来て〜」
先程2人が出て行ったドアの向こうから、美月の声が聞こえた。
ドアを開け、隣の部屋を横切って庭に出ると、そこで2人が水着姿で待っていた。
美月は先日の海のとはまた違うビキニタイプ。
一方のミツキの水着はどこかで見たことが⋯。
「あ、熊」
先日海に行った時にミツキ熊が着ていたものと同じデザインだった。
「熊じゃないよ、ミツキだよ」
そう言って、ポーズを見事に決めてみせる。
その時に成って、今やミツキが人気のVAである事を思い出した。
いつの間にか写真集やらライブやらで好評を博しているのだ。
もしかして今、俺は凄い贅沢な事をしているのでは⋯。
と、そのミツキが俺の手を引いてゆく。
「お兄ちゃん、スイカ割りしようよ!」
ミツキの示す先には、台に乗ったスイカが。
「それは良いが、なぜ水着?」
「スイカの汁とかが服に付くと嫌だし、この後プールで一緒に遊ぼうと思って」
「なるほ⋯プール?」
「向こうに有るんだって」
「もはや何でも有りだな⋯」
こういう所はバーチャル故の土地問題が無いからこそ、なんだろう。
「それじゃ、私から」
美月がタオルで目隠しをした。
「良いが、力加減は考えろよ。スイカを爆散させるなよ」
「もう、分かってるって」
結果、美月はスイカに掠るものの割るには至らず。
その後ミツキは全く見当違いで失敗し、俺の番に成った。
「それじゃ、兄ちゃん、目隠しして?」
「お…おう」
素直に目隠しをする。
棒を持ち、その場で1回転するとスイカの位置はもう見当つかなくなった。
「あ兄ぃだけじゃ心配だから、私達でサポートするね」
目隠しで何も見えない中、美月が言った。
「え?」
同時に体に左右から柔らかく温かい物が押し付けられ、棒を持った左右の腕にそれぞれ手が添えられた。
え? これは⋯。
全く見えないが、もしかして凄い体勢なのでは?
「行くよ、お兄ちゃん」
「ほら、こっちこっち」
水着の2人にサンドイッチされた状態で数歩進む。
「はい、ここだよ。ん、来て⋯」
左の美月が言った。
立ち止まり、軽く試しに腕を振る。
「ん、そこ⋯あんっ」
今度は右のミツキが妙な声を出す。
なぜに二人で雰囲気を出した言い方をする⋯さては目隠しで何もできないと思って、遊んでるな?
ここはきっちりスイカを割って見せないと兄の沽券に関わる。
「行くぞ、棒に気をつけろよっ!」
2人に声を掛け、思いっ切り棒を振り下ろす。
“ガゴン!”
「やった」
「あたりっ!」
目隠しを取ってみれば、見事にスイカをヒットしていた。
そりゃ、あれだけ丁寧に案内されれば外す方がおかしい。
「食べよ食べよ!」
美月は割れたスイカを更に半分にして俺に手渡す。
ミツキももう一方のスイカを持ってかぶりついた。
「甘いっ!」
「美味いなこれ」
「うん、これぞ夏だね〜」
それぞれ置かれた椅子に座ってスイカを堪能する。
見上げると、真っ青な空に入道雲がふわふわと浮かんでいた。
「それじゃ、プール行こうよ」
暫くして美月が立ち上がり、声をかけた。
「いこいこ」
2人が俺の手を左右から引いた。
「まて、俺は水着持ってない」
「裸で良くない?」
美月は平然と言った。
「良いと思う」
ミツキも同意する。
「ば、バカ言え、これ研究所でモニターされてるんだぞ?」
「あ、プールはプライベートエリアだから声しか聴けないよ」
「え、そうなのか?」
「そりゃそうだよ。お風呂とかも覗かれたく無いし」
ミツキが笑いながら答える。
「だから⋯声さえ出さなければ⋯ナニしても⋯?」
ミツキが指先で俺の胸元をゆっくりと撫でる。
「ナニって⋯」
「そりゃ、ナニでしょ?」
美月も俺の耳元で囁く。
「まぁ、それなら⋯って、良い訳あるか」
「あはは、ともかく行こ!」
「こっちだよ!」
2人が小走りにプールに向った時。
『ゴゴゴゴ⋯』
鈍い地鳴りと共に。
“グラッ”
突然、足元が大きく数度左右に揺れた。
「きゃっ」
「なに?」
「地震?」
思わず全員その場に座り込む。
いや、この仮想世界で地震?
それはさすがにおかしい⋯よな?
作者のやる気は イイね や 感想 で出来てます(笑)
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感想書いて下さる人には本当に感謝です。
また、連載形式で数日ごとアップしますので、読み逃し無いようお気に入り登録も宜しくです。
他にも小説家になろうに色々作品アップしてますので、良かったら見てみて下さい。
ファンタジーからSFまで色々揃えてます。
ちょっと不思議なラブコメ「幼馴染がいろいろおかしい」
https://ncode.syosetu.com/n2628lw/
ドタバタ異世界転生「社畜リタイア求職中が異世界転生でお姫様と出会って結婚する話」
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ミステリー探偵物語「ファインド・アイズ」
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ファンタジーラブコメ「ウチの弟が弟じゃない」
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