えくすとら3
おまけストーリー3です
今回も2編同時投稿です
夕方になり、皆でお祭りに行くためホテルの前に集合‥なはずが女性陣が誰も現れない。
暫くしても誰も来ないので、心配になって美月に電話してみると‥。
『ちょっとこっちは時間掛かりそうだから、先に行ってて。後で参道の入口で待ち合わせしよ』
「何かトラブルでもあった?」
『ううん、そうじゃないから』
「分かった、先に行っとく」
ホテルから観光客で賑わう海沿いの通りを抜けて、神社へ向う。
所々に案内のポスターが有ったので、それを見ながら歩いた‥はずだったが‥。
「あれ? ここじゃない?」
俺が着いたのは、かなり古びた様子の神社だった。
古い鳥居や鬱蒼とした参道もあるが、誰も居ないし、提灯の一つも無い。
どう見てもお祭りをやっている様子じゃなかった。
「道を間違えたかな?」
キョロキョロと見回すと、参道の真ん中に一人の浴衣を着た女の子が立っていた。
小学生位か。
黒髪ぱっつんの前髪が印象的だ。
浴衣を着ている所を見ると、どうやらあの子も祭りに来たらしい。
「すみません、お祭りはここかな?」
コクコクと頷く女の子。
「屋台とかはやってないの?」
聞くと、参道を先に進み、手招きをする。
『カランカラン』
少女の下駄が石畳を踏む音が響いた。
「え、そっち?」
もう一度、コクコクと頷く。
もしかしてここは裏参道だった?
『カランカランカラン‥』
更に奥へと進む少女。
仕方ないので後についてゆく。
『カランカランカラン‥』
更に奥へ。
「えと、かなり来たと思うんだけど‥」
『カランカランカラン‥』
‥。
暫く歩くと、突然、境内に出た。
森に囲まれた石畳の奥に、古びた社が建っている。
が、やはり祭りをやっている気配はない。
「えーと、間違い、かな?」
目の前の少女に問い掛けようとしたが。
「あれ?」
目前に居る少女は先の子とは別人の様だ。
黒髪に浴衣姿なのは同じだけど、微妙に髪型が違う。
「???」
見ると、境内のあちこちに同じ様な姿の子が何人も、いる。
それぞれ追いかけっこをしたり、鞠つきをしたりしていたが、俺を見ると皆、興味津々といった様子で集まってきた。
『カランカランカランカラン』
彼女達の下駄の音が木霊した。
全部で20人位だろうか。
俺の周りを取り囲むと、手を繋ぎ回り始める。
『カランカランカランカランカラン』
下駄の音が‥。
娘達は歌を口ずさみ始めた。
『か〜こめ囲め、か〜こめ囲め。籠のなかに盗り入れ‥』
これは‥聞いたことある様な‥違う?
地方によって違うのかも‥。
まぁ良いか‥‥‥。
『カランカランカランカランカランカランカラン』
何だろコレ、ふわふわして‥。
なん‥だ‥か。
「浮気者っ!」
ペチン!
突然頬を叩かれた。
「んぁ?」
はっと気が付く。
目の前には浴衣姿の七海が居た。
腰に手を当てこちらを睨んでいる。
「あれ? ここは?」
辺りを見回す。
俺は人けのない草むらに座っていた。
神社では無い。
目の前に風化した石碑の様な物があるが‥。
「欲求不満? あの世の娘にも手をだすの?」
「な、何の話?」
七海は黙って石碑を指差す。
「そこの娘と遊んでた」
「え?」
よく見ると、石碑に見えたのはかなり風化した墓石の様で‥。
「あわわっ?!」
驚いて立ち上がる。
「物好き」
呆れた表情で俺を見る七海。
「いや違う。神社の入口で女の子に会って‥」
「魅入られた?」
「え‥そう言う‥事?」
「女難の相」
「勘弁してくれ」
現実でのトラブルは運命として諦めもするが、さすがにあの世からのトラブルは遠慮して欲しい。
「律斗は私の、だから」
そう言って七海は俺の手をギュッと握った。
「で?」
「で?」
「何か言うことは?」
そう言って無言で腕を広げてみせる。
「あ」
「鈍感」
「浴衣、持ってきたのか?」
「そう」
どうやら七海は予知能力で祭りに行くことに気が付いていたらしい。
銀髪に色素の薄い肌、華奢な人形の様な七海に予想外に白い浴衣は似合っていた。
髪に留めた赤いアクセサリーが可愛い。
「似合ってる」
「うん」
「えと、このまま帰っちゃって良いのかな‥?」
墓石を見る。
あの娘、なんか寂しそうだった‥気がする。
「律斗以外には無害」
「俺限定?!」
「そう」
薄々感じてたけど‥俺って‥こういうのに好かれやすい?
七海を見る。
でもそのおかげで助かった事もあるから、文句も言えない。
「それじゃ、明日お供え物でも持ってくるか」
「うん」
そう言ってその場を後にした。
「あーー、来た!」
「りっくん、こっち」
七海と一緒に参道の入口まで戻ると、美月達が揃って待っていた。
皆、それぞれ似合いの浴衣を着ている。
「あれ‥浴衣?」
「お待たせしてすみません」
藤原さんが頭を下げる。
「もしかして、今‥買ってきた?」
時間が掛かったのはそれが原因か‥。
「そ、そりゃね。七海ちゃんだけにポイント稼がせる訳には行かないからね!」
「あ兄い、こういうの、好きでしょ?」
藍染と美月がポーズを取る。
それぞれ水色と淡桃の浴衣が似合っていた。
「二人とも素敵だな」
「えへへ」
「ありがと」
二人は嬉しそうにはにかんだ。
それから皆で屋台を見て回ったり、お参りをしたり、最後に打ち上げ花火を眺めたり‥。
いわゆる夏休みのイベントってやつを満喫した。
そうしてホテルに戻ってから少し経った時、美月が忙しいノックとともに部屋に駆け込んで来た。
「あ兄ぃ、ミツキが居ない!」
そう言って美月は俺の手を握りしめた。
作者のやる気は イイね や 感想 で出来てます(笑)
ぜひぜひ御意見、お聞かせ下さいませ。
気に入った部分だけでは無く、ここが“読みにくかった”“分かりにくかった”も、とても参考に成ります。
感想書いて下さる人には本当に感謝です。
もちろん評価とか貰えたら大感謝‥いや、望みすぎは良くないですね、反省。
また、連載形式で数日ごとアップしますので、読み逃し無いようお気に入り登録も宜しくです。
他にも小説家になろうに色々作品アップしてますので、良かったら見てみて下さい。
ファンタジーからSFまで色々揃えてます。
ちょっと不思議なラブコメ「幼馴染がいろいろおかしい」
https://ncode.syosetu.com/n2628lw/
ミステリー探偵物語「ファインド・アイズ」
https://ncode.syosetu.com/n3869lm/
ファンタジーラブコメ「ウチの弟が弟じゃない」
https://ncode.syosetu.com/n4758lk/
SF未来アイドル「えれくとろんあーく」
https://ncode.syosetu.com/n6524ld/
ファンタジーバトル「冥界送人」
https://ncode.syosetu.com/n1995lg/




