自宅の周囲もいろいろおかしい
藍染の事件を解決し、主人公とセブンは自宅へと戻って来たが‥。
俺とセブンが自宅へ帰って来ると、まず目に入ったのは家を取り囲む人々だった。
カメラを構えている人間もちらほら。
そのせいで普段は静かな住宅街がかなり騒がしい。
更に、玄関前にはパトカーと警官が居た。
何故かパトカーは赤色灯をつけてはいない。
数人の警官が周囲の人達を規制している。
なにが有った?
藍染の事故現場を思い出し、胸が苦しくなった。
まさか、事故!?
いや、やり直したからそれは起こっていないハズ。
慌てて警官に駆け寄る。
「す、すみません、何か有ったんですか?」
「ん? 君は‥?」
「この家の人間です」
「何か証明できる物はある?」
「学生証なら‥」
俺は財布の中から学生証を取り出した。
「確認するから、少し待って」
受け取った警官はそう言うと玄関を入り、暫くして戻って来た。
「入って良いそうだ」
警官に言われてセブンと共に玄関に入る。
その瞬間、セブンは俺にだけ聞こえる様に囁いた。
「私が戻るまで美月と話していて」
「‥分かった」
そして俺の後ろに隠れた。
「あ兄ぃーーー!」
ドアを開け玄関に入った俺に、美月がダイブ気味に飛び付いて来た。
「もう、どこ行ってたの? こっちは大変だったんだから!」
「何が有ったんだ? てか、 家の周りの人はいったい‥」
「ネットで‥バレちゃったんだよ」
「バレた?」
「家がね‥」
そこで俺は思い出した。
元々、俺が藍染と行動を共にしたのは、美月がネットで話題になって‥。
「って、あれ全部、取材と野次馬?」
「それと‥スカウトだって」
「スカウト‥」
先の記事でも、何社かが美月を獲得に動いているとは書かれていた。
だが、それがまさか家にまで来るとは‥考えて居なかった。
「それじゃ、あの警官は‥?」
「なんか、変な人が勝手に家に入ってきて、訳わからない事叫んで‥お母さんが通報して‥」
「え、大丈夫だったか?」
「うん、怖かったけど‥」
そう言って、美月は一層強く俺にしがみついた。
誰も怪我してはいないものの、家は予想以上に大変な事になっていたらしい‥。
くそっ、のんびり風呂に入っている場合じゃなかった‥。
「相談ってのはその事か?」
「ううん、それは後でまた。とりあえず、お帰り」
美月は俺の顔を見て言った。
「それ、ホントは最初に言うやつ」
「えへへ。嬉しくて忘れてた」
美月は頬を俺の胸に押し付けた。
「はじめまして、美月お姉ちゃん」
美月と話している間に、いつの間にかセブンは家に入り、母親と共に玄関口へ戻って来た。
「美月、ちょっといい?」
母親がセブンの肩に手を置く。
「今日、来日したんだって‥」
「ラッキー・セブンです、宜しく」
何の疑念も挟まず、母親はセブンを紹介した。
‥これは、先程と同じ能力か。
それで親類の娘だと思い込ませたに違いない。
「な、なにこの美少女っ!」
セブンを見た途端に美月は目をハートにして迎えた。
「肌、真っ白!」
そう言って指先でセブンに触れる。
「くすぐったいよ」
「セブンちゃん、髪触って良い?」
「いいよ」
「おお、サラサラ〜」
「うふふ、仲よく成れそう‥美月お姉ちゃん」
ニコニコと人懐っこそうな笑顔を浮かべるセブン。
「きゃわわっ!」
美月はハイテンションでセブンの事を抱きしめた。
それから少しして。
俺とセブンは自室でベッドに座り話し合っていた。
1日程度空けただけなのに何故か懐かしい感じだ。
「お前、ずいぶんキャラ変わってないか?」
「律斗の感情をたくさん貰ったから」
「なるほど‥学習したって事か」
「そう」
「それで、美月についてなんだが」
「かなり複雑になってきてる。成功条件の要素が多い」
セブンは眉をひそめて言った。
「やっぱりか‥」
「このままだと‥」
「? どうした」
「言えない」
「なぜ?」
「言えば成功しないから」
「答えを知って俺が行動を変えてしまうと、駄目と言うことなんだな?」
「そう」
セブンが詳細を話さないのは、それによって俺に行動を変えさせないためだろう。
それなら、とりあえずは従うしかない。
「とりあえず俺はどうしたら良い?」
「美月の相談、結論を先延ばしにして」
「いつまで?」
「3日間」
「分かった」
そこで、セブンは溜め息をついた。
「はぁ、あの子と一緒に居ると疲れる‥」
「美月の事か?」
「そう」
「あいつはテンション高いからな。話すと疲れるだろ」
「そういう事じゃない‥」
「ん? 違うのか?」
セブンは頷くと言った。
「美月はものすごく強い“運”を持っている。須藤が姫に欲しがったのも納得」
「それって‥死んだお爺ちゃんの事?」
「そう。こちらもそれに巻き込まれない様にしないと」
「なるほど、だから直接に能力を使わなかったのか。あれ? どうやってお爺ちゃんの事を?」
「母親に聞いた」
「母親の魂に、だろ」
「同じ事」
セブンは平然と答えた。
「‥その、魂に聞くって‥どんなことでも分かるのか?」
「知っていることなら。でも聞こうとしなければ分からない」
「マジかぁ」
俺は溜め息をついた。
セブンにはプライベートも何もありゃしないって事だ。
「だから‥律斗が本当は美月の事を一人の女性として‥」
「い、言うなって‥」
「駄目なの?」
「言わぬが花と言う諺もある」
「無駄なんだけど‥」
「ど、どう言う意味‥??」
「言ったらもう戻れないけど‥良い?」
そう言う、セブンの表情は普段と変わらない。
それってどう言う意味だ?
俺と美月に何か問題が‥。
「え‥それは‥うう、やっぱり、言ってくれ。気になる」
俺は先が知りたい欲望と、何が起こるか分からない不安に勝てなかった。
「それじゃ言うけど‥律斗と美月の間の子供はこのままなら絶対‥」
「‥絶対?」
「産まれる」
「え? 嘘‥だろ? 絶対って?」
「ほら、後悔した」
セブンは呆れた顔をした。
せっかく逃げ道を用意したのに‥って顔だ。
「いや、だってそれって‥俺が美月と、必ず‥そうなるって事?」
「そうとは限らない。人工授精とか他のパターンが有っても‥未来のある時点でその子は生まれる。それほど存在が強い」
「そう言う運命って事?」
「そう」
「うーむ」
聞いても喜んでいいのかすら分からない。
その場合、藍染との関係とか‥わからないことがむしろ増えた。
「なぜ、私がこの事を話したか分かる?」
セブンは俺の顔を覗き込む。
「いや‥何故だ?」
先の美月の事は、詳細を話せないと言ってたけど。
「話しても変わらない位、その運命が強いから」
「もう決まり?」
「ほぼ、ね。だから考えても無駄」
「うう‥そうする」
これは、セブンなりのアドバイス‥なんだろうな。
と、ドアをノックして美月が部屋に入って来た。
「あ兄い、相談‥いい? お母さんも一緒に‥」
来た。
俺とセブンは密かに目配せをするのだった。
おまけ話:美月と迎え姫
長野の話に出た様に、須藤の家系は“力”を持つ女性を外部から迎えることで巫女の能力を保持してきた(迎え姫)。
本人は自覚していないものの、美月のその力は飛び抜けて強く、それを見抜いた律斗の祖父は早くから律斗との婚姻を望んでいた。
逆に律斗の父はその事に反発し、実家と疎遠になる原因となってしまっている。
作者のやる気は イイね や 感想 で出来てます(笑)
ぜひぜひ御意見、お聞かせ下さいませ。
気に入った部分だけでは無く、ここが“読みにくかった”“分かりにくかった”も、とても参考に成ります。
感想書いて下さる人には本当に感謝です。
もちろん評価とか貰えたら大感謝‥いや、望みすぎは良くないですね、反省。
また、連載形式で数日ごとアップしますので、読み逃し無いようお気に入り登録も宜しくです。
他にも小説家になろうに色々作品アップしてますので、良かったら見てみて下さい。
ファンタジーからSFまで色々揃えてます。
ちょっと不思議なラブコメ「幼馴染がいろいろおかしい」
https://ncode.syosetu.com/n2628lw/
ミステリー探偵物語「ファインド・アイズ」
https://ncode.syosetu.com/n3869lm/
ファンタジーラブコメ「ウチの弟が弟じゃない」
https://ncode.syosetu.com/n4758lk/
SF未来アイドル「えれくとろんあーく」
https://ncode.syosetu.com/n6524ld/
ファンタジーバトル「冥界送人」
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