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幼馴染がいろいろおかしい 【ファンタジックラブコメ】全編完結  作者: てんまる99
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銀髪少女もいろいろおかしい

学園一の美少女、藍染春香が自殺した。

主人公は助けられなかった後悔にその場から走り出す

俺は病院からの道を必死に走っていた。


レストランやショップの看板が賑やかに道沿いを彩っている。

片側二車線の道路は事故渋滞のため車で埋まっていた。


歩道は混雑し通れなくなったので、車道に出た。

渋滞している車の間を通って、海岸へ向かう。


叫びそうになるのを必死に堪えた。

今、立ち止まったら、もう動けなくなる。

口に手を当て、あふれそうな言葉を何とか抑え込んだ。

そのかわりに涙が勝手に流れ出した。


海岸沿いの道路へと出た。

赤信号を無理矢理突っ切って海岸へ出る。

後ろで何台ものクラクションが響いた。


砂浜へ降りる石段で躓き、頭から転倒し、砂まみれになる。

頬を擦りむいて血が流れる感覚を無視して立ち上がり、砂浜を走り、波打ち際へ。

そのままザブザブと夜の真っ暗な海に踏み込む。


ふと、一昨日、藍染と海で遊んだ記憶が蘇る。

微笑む藍染の姿が。

胸に激痛が走った。


もう、歩けなかった。


「うあああぁーーーーっ!」

腰まで潮に浸かり、叫んだ。


繰り返し何度も何度も叫ぶ。

拳を海面に何度も叩きつける。

涙と汗、そして跳ねた海水で顔をグシャグシャにして、それでも止まらない。


『藍染が死んだ。自殺した。2時間前にはメッセージをくれたのに、返信出来なかった』

「うあああぁーーーーっ!」


『その時、返信できれば‥あと2時間待ってくれれば‥返信が遅れなければ!』

「うあああぁーーーーっ!」


『助けられなかった‥俺は見殺しにしたんだ、藍染を』

「うあああぁーーーーっ!」


『あんなに俺を想ってくれた藍染を俺はっ!』

「うあああぁーーーーっ!」


自分でも説明のつかない感情が渦巻き、溢れ、それを吐き出した。


幾度そうしただろうか。

息継ぎもせずに何度も叫び続け、頭がふらついた。

並行感覚を無くして立っていられない。

酸欠だった。


転がる様に海中に倒れ込んだ。

海水を吸い込み、呼吸できなくなる。

窒息の激痛にもがきながらも‥諦めてもいた。

このまま‥諦めればもう‥。


その時、突然の大波に叩きつけられた。

俺は波の中で揉みくちゃにされ、岸に押し戻され、波打ち際に打ち上げられた。

まるで小魚が波濤に弄ばれるようだった。


「ゲホッ、ゲホッ」

何度も咳をして気道に入った海水を吐く。

ヒューヒューと荒い呼吸音が勝手に出る。

仰向けに倒れ込み、咳をしながら呼吸を整えた。


それでも、見上げた夜空には星が瞬いていた。



『チャプチャプチャプ』

波打ち際に倒れ込んだ俺に向かって歩く、柔らかい足音が聞こえた。


「なんかあった?」

そう俺に声をかけたのは、ブカブカのワイシャツを羽織った小柄な銀髪の少女‥セブンだった。


「お、お前‥っ!」

俺は慌てて起き上がり、セブンを睨んだ。

もし相手が男性なら殴りかかっていたかもしれない。


「?」

セブンは理由が分からないらしく、きょとんとしていた。


「藍染が‥自殺‥した」

「そう」

「なぜ嘘をついた。騙したのか」

元々、セブンの言う事を完全に信じていた訳では無い。

しかし、あの言葉が無ければもう少し注意深く行動しただろう。


「嘘はついてないけど?」

「だって言っただろう、2日と8時間は大丈夫だと‥」

「言ってない」

セブンはきっぱりと断言した。


「いや、言ったぞ!」

「2日と8時間がリミットだと言った。それより前が安全とは言ってない」

「な‥詭弁を弄するな」

言いながらも俺は動揺していた。

何か大きな誤解があるのか?



セブンは珍しく感情を表し、俯いて溜め息をついた。

「須藤の当代‥この程度‥?」

「なに?」


セブンは再び俺の顔を見る。

「‥聞くけど、借した本の返却期限が2日と8時間だとして、それより前に本が戻って来る事は?」

「それは‥あるだろう」

「それと同じ‥2日と8時間は最大限のリミット。そこに至ればどんな努力をしても無駄になる、ポイントオブノーリターン」


その言葉を咀嚼するのに僅かに時間が掛かった。


「‥つまり俺の対応が悪かったから藍染はリミット前に‥死んだと?」

「もし違う行動をすれば違う結果がある」

人の生死など全く意に介さない言い方だった。

やはり‥この娘は人間ではない。

人の形をした何か違うものだ。


「く‥」

納得はいかない。

でも悔しいがセブンの言うことは理屈としては正しい。

だが‥。


「確かに俺が誤解していた。だが、お前はそれに気が付いていた。違うか?」

「そうね」

「なぜ言わなかった?」

「言う理由が無いから」

セブンは即答する。


「言わない事でお前にメリットが有るのか?」

「お兄さんにまた会える」

「え、俺に会いたい‥のか?」

想像外の理由で思わず動揺する。


「もちろん。でなければ最初から声なんてかけない」


‥これはどう考えたら良いのだろう。

最初から感じていたが、セブン自身には悪意は無いようだ。

と言うか、悪意というものを持つのかも怪しい。


「なぜ‥俺に会いたい?」

「美味しいから」

「俺の‥不幸が?」

「不幸だけじゃない‥全部美味しい」

セブンは味を思い出す様に、真っ赤な舌を少しだけ出して、唇を舐めた。


「なら俺が幸福に成っても問題無いはずだ」

「そしたらお兄さん、もうここには来ない」

「そ、それは‥」


つまり、セブンは高利貸しみたいなモノだ。

俺から最大の利益を得る為に、生かさず殺さずを続けようとしている。

だからやり直しを提案したのか‥。


「もしやり直して彼女達を幸福にできたら、何かお礼をするから、協力してくれないか?」

一か八か、提案してみる。

どんな無茶な要求をされるかは分からないが‥藍染を取り戻すため、俺にできることなら‥。



セブンは珍しく、しばし考え込んだ。

「‥‥3日分と、このシャツ」

「え、そのシャツ?」

「気に入った」

セブンは愛おしそうにワイシャツの裾を指で撫でた。

‥やはり、価値観がよく分からない。


「そ、そう? 良いけど‥」

「両方とも前払い」

「ま、まぁ、分かった」

「あと、しるしが欲しい」

しるし‥どんな?」

「どんなカタチでもいい。これは後払い」

「つまり‥ミッション達成の報酬?」

「そう」

「内容は任せてくれるのか?」

「うん」

「なら‥考えておく」

セブンはコクコクと頷いた。


「やり直しは‥今からできるのか?」

「今から? もっと不幸を味わってからでも良いけど?」

「勘弁してくれ、今すぐ頼む」

「分かった」


言うと、セブンは俺を砂浜に仰向けに押し倒し、その上に跨る。

乗っていることは確かだが、ほとんど体重を感じないほど、軽い。


「じゃぁ‥頂きます」

そう言うと同時にセブンは俺の頬を舐め始める。

同時に今までに感じたことのない凄まじい衝撃が俺の全身を貫いた‥。

作者のやる気は イイね や 感想 で出来てます(笑)

ぜひぜひ御意見、お聞かせ下さいませ。

気に入った部分だけでは無く、ここが“読みにくかった”“分かりにくかった”も、とても参考に成ります。

感想書いて下さる人には本当に感謝です。


もちろん評価とか貰えたら大感謝‥いや、望みすぎは良くないですね、反省。


また、連載形式で数日ごとアップしますので、読み逃し無いようお気に入り登録も宜しくです。


他にも小説家になろうに色々作品アップしてますので、良かったら見てみて下さい。

ファンタジーからSFまで色々揃えてます。


ミステリー探偵物語「ファインド・アイズ」

https://ncode.syosetu.com/n3869lm/


ファンタジーラブコメ「ウチの弟が弟じゃない」

https://ncode.syosetu.com/n4758lk/


SF未来アイドル「えれくとろんあーく」

https://ncode.syosetu.com/n6524ld/


ファンタジーバトル「冥界送人」

https://ncode.syosetu.com/n1995lg/

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