表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染がいろいろおかしい 【ファンタジックラブコメ】全編完結  作者: てんまる99
夢幻少女:ちょつと不思議なお話が好きならこちら

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
33/56

こんな事は絶対おかしい

藍染が熱を出し、朝帰りになった主人公。

異様な疲労感にベッドに倒れ込んだ。

「あ兄ぃ、ご飯食べないの? ねえ?」


俺が目を覚ましたのは、美月にゆすり起こされたからだ。

長時間寝た時独特の、頭がふわふわする起き抜けの感覚に襲われる。


「う‥ん、今‥?」

「今? 夜の7時だよ。ご飯できてるよ?」

「7時‥なえっ」


慌てて飛び起きる。

自室のベッドだった。

窓の外を見ると、既に日は落ち、僅かに夕焼けの残滓が空を染めていた。


今朝、帰ってきてベッドに入ったまでは覚えている。

そこで記憶はプッツリと切れていた。

ついさっきベッドに入った感覚だが‥。

10時間近くも寝てしまったらしい。


‥そうだ、藍染は?!


慌てて机の上のスマホを確認すると、バッテリーが切れていた。

寝る前に充電しておけば‥と後悔したが、もう遅い。

充電器に繋いでリビングに降りた。



リビングでは母親と美月が食事を始めていた。

父親は外出中らしく居なかった。

‥相変わらずマイペースな父親だ。


「律斗、連絡だけはしなさい」

俺の顔を見た母親が、ご飯茶碗を渡しながら言った。

昨晩は結局連絡できなかったからだ。


「ごめん」

「それで‥お友達は具合どうなの?」

「分からない。スマホの充電が切れてて」

どうやら美月が事情を母親に話したらしい。


「春香ちゃん、私の連絡にも返事無いよ」

食事を終えた美月が言った。

どうやら美月は既に連絡をしたようだ。


「美月が連絡したのは何時頃?」

俺はおかずを取りながら尋ねた。

「お昼すぎ」

「まだ寝てるのかな?? 後で俺からも連絡してみる」


藍染の事が気になった俺は、大急ぎで夕飯を済ませ、部屋に戻った。



スマホの画面には充電中とメッセージ、着信のアイコンが表示されていた。


慌てて見てみると、メッセージは藍染から5通、着信は藤原さんから1つ。

メッセージは2時間、着信は1時間ほど前だ。

慌ててメッセージを確認する。


『りっくん、起きてる?』

『迷惑かけてごめん』

『‥あの』

『ごめんなさい』

『』

『今までありがとう』


まるで別れの言葉の様な最後のメッセージが気になる。

二人ともまだ病院かも知れないので、とりあえずメッセージで返信してみる。


『返信遅れてゴメン、寝てた。具合はどう?』


だが、返信は無い。

病院内なのでスマホは電源を切っているのかも知れない。


念の為、藤原さんの着信にコールバックしてみたが、こちらも出ない。

どうやら二人ともまだ病院内のようだ。


「ちょっと出掛けてくる」

俺はそう声を掛け、藍染の病院に向う為に家を出た。

セブンの言っていたリミットまではまだ2日足らずはあるから、あまり深刻に考える必要は無いだろう。


まぁ、あの言葉がそこまで信頼できるのかも怪しいが。


ざわつく胸の不安を抑えつつ、電車で藍染が入院した病院に向かった。

やけにゆっくりと電車が発車する気がした。

病院の最寄り駅までは電車で20分程だが、信じられないくらい長く感じた。


到着すると土曜の宵の口のターミナル駅は帰宅する人、これから遊びに行く人等で混雑していた。

人をかき分け、改札を抜ける。


駅から病院までは10分ほど。

病院へ向かって行くと、途中で道路が渋滞して来た。

その影響か、歩道にも人が多く歩きにくい。


更に暫く歩くと、遂に混雑で進めなくなった。

周囲の人達も何事かと、辺りを見回したり、口々に文句を言ったりしている。


一体どうしたのだろう。

イベントでもやっているのだろうか。

一刻も早く病院に行きたいのに‥。


仕方無いので、回り道をして病院へ向う事にする。


通りを横切ろうと向きを変えた所で、人混みから出てきた二人組の女子学生とぶつかってしまった。

恐らく年齢は同じくらい、高校生の様だ。


「あ、ごめん」

「いえ、私達こそ‥」

言いながら一人の女生徒がうずくまってしまう。

見ると顔色が悪い。


「ご、ごめん、そんなに痛かった?」

「あ、いえ、この娘‥見ちゃって‥」

「見た?」

「事故の瞬間です。それで気分悪く成っちゃって、帰ろうとしてるんです」

「事故‥交通事故? もしかしてこの混雑の原因?」

「と言うか‥あれ、飛び込み‥じゃない?」

うずくまった女生徒も無言で頷く。


その言葉に胸の真ん中がギュッと重くなった。


「と、飛び込みって事は‥自殺?」

嫌な想像を否定する情報が欲しくて、更に尋ねる。


「‥病院の前で‥」

「うん、あんな綺麗な娘がなんで自殺なんて‥」

と、言いかけて思い出したのか、女生徒は再び体を震わせた。


ドクン! と心臓が締め付けられた。

空気が薄くなった様に息が苦しい。


「その‥申し訳ないけど‥どんな服装だったか教えて‥」

「ご、ごめんなさい‥これ以上は」

2人は頭を下げると、逃げるように立ち去った。


「綺麗な娘‥」

嫌な予感がどんどん胸の中で広がってゆく。

もう、なりふり構っていられなかった。


「す、すみません、通して下さい!」

声をかけながら人をかき分け、病院へ向かう。

早く藍染に会って、無事を確認したかった。

「違うよな‥待っていてくれ‥頼む‥通して‥頼むよ!」


まるで水の中を進んでいるように、なかなか進まない。

病院に着くまで、とてつもない時間が掛かった様に思えた。


ようやく病院の前に出ると、パトカーと警官が交通規制をしているのが見えた。

赤ランプの反射が不気味に周囲を照らす。



無理矢理に野次馬を押しのけて規制線にたどり着いた。

思わず目前の警官に声をかける。

「す、すみません、事故起こした娘って‥」

「なんだ君は? 関係者以外は‥」

警官が俺を押し戻そうとする。


「いえ、その人は関係者です。通してあげてください」

その警官の背後から聞き慣れた声が聞こえた。

渋々警官は俺に道を譲る。


「藤原さん!」

「律斗さん‥来ましたか」

「事故だって聞いて‥」

「そうですね。事故です」

藤原さんは、まるで緊張感の無い言い方をした。


「あの、俺、藍染に会いに来たんです。藍染はどこに‥?」

藤原さんは無言で目前の車を指差した。

「車?」

「下です‥」

藤原さんはまるでハンカチでも落ちている様な言い方をした。


「な、なんでそんなに落ち着いて‥早く救助を‥」

「‥」

藤原さんは何も答えない。


「あの‥」

藤原さんを諦め、俺は警官の方を見た。

警官は黙って首を振った。


「そんな‥」

「遺体の損傷が酷いんだ‥君はもう帰りなさい」

俺が警官と話している間も藤原さんは黙って車を見つめている。


「で、でもそれなら藤原さんも一緒に‥」

先程から藤原さんの反応がおかしい。

全く動揺していない様に見える。

そんなはず無いのに。


「あの人は親族らしいじゃないか。確認をお願いしないとならない‥」

「え、藤原さんがそう言ったのですか?」

「違うのかい?」

「いえ‥」

どう言って良いものか、返事ができない。


「なぁあんた、もう一度確認するが、親族なんだよな?」

警官は藤原さんの方を振り向いて声をかける。


「はい、ここにいるのは大事な‥大好きな妹の“春香”です」

藤原さんの言葉は台本を読む様に平坦だ。


そこで理解した。

そうでもしないと、藤原さんは自分の心を保って居られないのだ。

それでも藍染を待ってここに留まって‥。


その姿を見て俺は頭と胸が爆発しそうになった。

このまま叫び出しそうだ。

‥‥駄目だ、ここでは。


「あ、後で連絡しますっ!」

それだけ言い残すと、俺は叫びたい衝動を必死に抑え、その場から走り出した。

作者のやる気は イイね や 感想 で出来てます(笑)

ぜひぜひ御意見、お聞かせ下さいませ。

気に入った部分だけでは無く、ここが“読みにくかった”“分かりにくかった”も、とても参考に成ります。

感想書いて下さる人には本当に感謝です。


もちろん評価とか貰えたら大感謝‥いや、望みすぎは良くないですね、反省。


また、連載形式で数日ごとアップしますので、読み逃し無いようお気に入り登録も宜しくです。


他にも小説家になろうに色々作品アップしてますので、良かったら見てみて下さい。

ファンタジーからSFまで色々揃えてます。


ミステリー探偵物語「ファインド・アイズ」

https://ncode.syosetu.com/n3869lm/


ファンタジーラブコメ「ウチの弟が弟じゃない」

https://ncode.syosetu.com/n4758lk/


SF未来アイドル「えれくとろんあーく」

https://ncode.syosetu.com/n6524ld/


ファンタジーバトル「冥界送人」

https://ncode.syosetu.com/n1995lg/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ