95話 すべては、お前のために
しばらく何も言わなかった。ただ、互いの存在を確かめるように、その場にいた。
失った時間は戻らない。
忘れてしまった記憶も。
傷つけてしまった言葉も。
なかったことにはできない。
それでも。
三人は、もう一度向き合うことができた。
そして。
この時間だけは、言葉にしたかった。
すると、ほとんど同時に。
「……ありがとう」
三人の声が重なった。
東堂は驚いたように顔を上げる。
海斗も、響も、互いを見る。
誰に向けた言葉なのか。
きっと、三人とも違った。
東堂は――海斗と響へ。
海斗は――東堂と響へ。
響は――東堂と海斗へ。
それでも。
その言葉の意味だけは、同じだった。
「ありがとう。ここにいてくれて」
あの時のことを、今でも覚えている。
俺は、響と海斗と向き合っていた。
三人で話した、あの時間。
あの時、俺は二人に伝えたかった。
音楽のこと。
そして、人と向き合うということを。
「全部、話す、だと?」
若田は、信じられないという顔で東堂を見た。
「……何を言ってるんだよ」
東堂は何も答えない。
ただ、まっすぐ若田を見つめていた。
「いきなり出てきて……何なんだよ、お前」
若田の声が震える。
「これは僕と響の問題だろ!」
「……」
「お前には関係ない!」
それでも、東堂は動かなかった。
その目は、今まで見たことがないほど真剣だった。
「……関係ある」
「何がだよ!」
若田が叫ぶ。
そして、響の胸ぐらを掴んでいた手を離した。
「……っ」
響の身体が、その場に放り出される。
「響!」
東堂が反応する。
けれど、若田はもう東堂しか見ていなかった。
「お前が何を知ってるっていうんだよ!」
一歩。
東堂へ近づく。
「僕が何週間も悩んで!」
さらに一歩。
「何度考えても答えが出なくて!」
東堂は動かない。
「それなのに、今さら出てきて……全部話すだと!?」
「……ああ」
「ふざけるなよ!!」
若田が東堂の胸ぐらへ手を伸ばす。
けれど、東堂は避けなかった。
掴まれた胸元をそのままにして、若田を見つめる。
「……好きにしろ」
「……!」
「殴りたいなら、殴ればいい」
東堂の声は静かだった。
「でも、俺はもう逃げない」
若田の手が震える。
「……何なんだよ、お前……」
「俺にも責任がある」
「責任……?」
「お前が今まで苦しんできたことも。響が何も知らないままここまで来たことも」
東堂は、若田の目を逸らさなかった。
「全部、俺が知ってる」
「……!」
若田の表情が歪む。
「じゃあ……!」
声が再び大きくなる。
「じゃあ、何で今まで黙ってたんだよ!!」
「……」
「何で僕に何も言わなかった!?」
「……すまない」
「謝って済むと思ってるのかよ!!」
若田の声が響く。
「僕がどれだけ苦しんだと思ってるんだ!!」
東堂は何も言わなかった。
ただ、若田の言葉を受け止めていた。
「僕は……!」
若田の目に涙が浮かぶ。
「僕は、本気だったんだよ……!」
「……分かってる」
「分かってるなら……!」
若田の声が詰まる。
「どうして……僕だったんだよ……!」
東堂は、しばらく黙っていた。
そして、静かに口を開く。
「……だから、話す」
若田が顔を上げる。
「お前が納得できるかどうかは分からない」
東堂の声は震えていた。
それでも、その目だけは揺れていなかった。
「それでも、俺が知っていることを全部話す」
「……」
「もう、誰かに背負わせたままにはしない」
若田の手から、少しずつ力が抜けていく。
「……本当に、全部?」
「ああ」
東堂は頷いた。
「全部だ」
若田は俯いた。
肩が小さく震えている。
東堂はそんな若田を見つめながら、ゆっくりと息を吐いた。
「……なんのつもりですか」
東堂は一瞬の間も置かず、冷たい声で答える。
「オーディション、ソロを若田わかだに譲れ」
響の目が見開かれる。耳を疑うような指示。
「そ、それって……僕がわざと下手に吹けってことですか?」
「そうだ」
東堂の声には迷いも躊躇もない。まるで当然の命令のようだ。
「何言ってるんですか?!意味わかんないですよ!そんなのオーディションじゃありません!!」
叫ぶ前に、東堂の手が響の胸ぐらをつかむ。鋭い力で押し付けられ、息が詰まる。
「お前が目障りなんだよ」
響の心臓は張り裂けそうに打ち、手足が震える。言葉にならない恐怖。必死に抵抗するも、東堂の手は離れない。
「お前が来た時からずっと……嫉妬してた。全員だ」
響は耳を疑う。
「え……?」
東堂の声は低く、床に響くように、重々しく、そして苛烈だった。
「人間のレベルじゃない……お前がいると、部が壊れる」
響の胸がざわつく。息が詰まる。
「俺たち3年は、今年が最後なんだ……」
拳を握りしめ、東堂の声は震えていた。
しかし、それは怒りでも恐怖でもなく、ただ『お前を潰したい』という純粋な独占欲の震えだった。
「……お前さえいなければ、全てが上手くいく」
響は思わず後ずさる。目の前の東堂は、ただの先輩ではない――嫉妬と支配欲に取り憑かれた異形の存在だった。
「な……何言ってるんですか……そんな……」
言葉は震え、口をつくが、東堂の手は強く響の腕を掴み、抵抗は無力だった。
「黙れ……喚くな。お前の存在そのものが、俺の、皆の目の前で暴れている。邪魔なんだよ」
響の視界は暗く、心は押し潰されそうになる。逃げる場所はない――東堂の支配が教室全体を覆っていた。
「本当は今にでも消してやりたい」
冷酷な独占欲と嫉妬心が凝縮された言葉に、響は震え、言葉も息も詰まる。教室の漆黒の闇と、東堂の目だけが、響の心を完全に締め付ける。
言葉は短く、冷酷だった。響の視界は暗闇と東堂の姿だけに支配される。
「協力してくれればちゃんと代価を払ってやる。しないなら.........」
そう言って東堂はカッターを取り出しちらつかせる。
「どうなってもいいんだぞ?」
「ようくやったなぁ、響」
「はい」
「ちゃんとお前がソロから落ちてくれた。今日はそれで勘弁してやる」
東堂はポケットから何かを取り出す。
「ほら、ちゃんと代価を払ってやるよ!!!!!!」
響の顔に投げつけられるもの。避けることもできず、額に直撃し、低く重い音が教室に響き渡る。
ガン……!!
東堂はそれを見ると、何事もなかったかのように教室を出ていった。最後に一言、低く残す。
「お前のせいで……」
「今回も若田先輩に譲れ、と?」
「当たり前だ」
迷いのない声。響の言葉を途中で断ち切るようだった。
「どうして、先輩は僕にそこまでさせるんですか?」
「お前には関係ない」
「理由になってません。矛盾してますよ!」
「うるさい!」
怒声と同時だった。
東堂は足を突き出す。
ガタン!!
譜面台が蹴り飛ばされた。金属の脚が床を滑り、鈍い音を立てる。
倒れた譜面台。
床に散らばる楽譜。
響はその光景を、ただ静かに見下ろしていた。
そして、小さく呟く。
「……やっぱり、どう考えても僕ら二人だけの問題じゃないですよね」
東堂の眉がわずかに動く。
「何かあったんですか?」
「くそっ!」
拳を握りしめると、その力は尋常ではなく、皮膚を裂き、血が指の間からにじんだ。
「響……目障りなんだよ。お前は……」
声が震える。怒り、苛立ち、絶望――全てが渾然一体となり、暴力的な熱を帯びる。
拳を高く振り上げる東堂の背中に、床の木目が微かに反応して揺れた。
「その音が、海斗を……くっ!」
ドンッ――
鈍い衝撃音と共に、机の脚がわずかに折れる。木屑が空気を舞い、血の匂いと怒気が混ざり合う。
「返せよ...海斗を、返せよ!!」
俺は、響が憎かった。
あいつの音を聴くたびに。
あいつの姿を見るたびに。
胸の奥に、どうしようもない感情が湧いてきた。
だから俺は、響に冷たく接した。
必要以上に厳しくした。
そして――。
あいつが、正当に評価されないようにした。
オーディションでも。
響が選ばれないように、仕向けた。
若田がソロを吹くように。
若田が、自分の力で選ばれたと思えるように。
そうなるように、俺が裏で手を回していた。
響の実力が、若田より上だということは分かっていた。
それでも、俺は響を選ばなかった。
何度も。
何度も。
若田にソロを譲るように仕向けた。
全部、若田のためだ。
そう思っていた。
若田には、もっと自信を持ってほしかった。
自分の音を信じてほしかった。
だから。
響がいることで、若田が自分の力を信じられなくなるくらいなら。
俺が、響を抑えればいい。
そう考えていた。
若田のためなら、それくらいしてもいい。
そう思っていた。
……なのに。
いつからだっただろう。
少しずつ、分からなくなっていった。
響は、俺が思っていたような人間じゃなかった。
若田を見下していたわけでもない。
自分だけが上に行こうとしていたわけでもない。
むしろ。
あいつは、何も知ろうとはしなかった。
自分が選ばれなかった理由も。
俺が何をしていたのかも。
そして――。
自分が若田にソロを譲らされていたことさえ。
それでも俺は、憎しみを捨てられなかった。
若田のためだ。
そう言い聞かせていた。
何度も。
何度も。
けれど。
いつしか俺は、気づいてしまった。
本当に、若田のためだけだったのか。俺自身が、響を憎みたかっただけなんじゃないか。
そんな疑問が、消えなくなっていた。
「なんで俺を助けた?お前が俺を助ける理由が、どこにあった?」
「先輩を……」
かすれた声。
それだけで喉が焼けるように痛む。
東堂の目が、わずかに細くなる。
「……それで?」
低く、押し殺した声。
「それで、なんだ」
一瞬。
ほんの一瞬だけ——東堂の視線に、揺らぎが混じる。
理解できないものを見る目。
「助けたかった、のか?それとも——……自分に酔っただけか?」
吐き捨てるように言い切る。
その瞬間——
「……分からない、です」
東堂の動きが、止まる。
響は、視線を逸らさない。
息を整える余裕なんてない。それでも、言葉を絞り出す。
「理由なんて……分からないです」
一度、呼吸を挟む。
それだけで痛みが走る。
それでも——続ける。
「でも……助けないと、いけない気がしたんです」
静かな声だった。
言い訳でも、正当化でもない。
ただ、そこにあった“選択”だけを置くような声。
沈黙。
東堂の目に、一瞬だけ空白が生まれる。
——理解できないものを見る目。
次の瞬間、
「……ふざけるな」
声が、低く沈む。
「それで俺は壊れた。お前も終わった。それで、“正しい”つもりか?」
響は、答えない。
答えられないのか。
それとも——答える気がないのか。
東堂の目が、苛立ちに歪む。
「……チッ」
舌打ち。
掴んでいた手を、乱暴に放す。
その勢いのまま、響の身体が後ろへ崩れる。
「お前に助けられるくらいなら——死んだ方がマシだ」
最後に、わずかに顔だけを傾ける。
「お前はどこまでいっても、目障りだ」
そのまま、歩き出す。
コツ、コツ、と松葉杖の音が響く。
離れていく。
「……待って、ください。先輩ッ!……また逃げるんですか」
空気が、止まる。
東堂の足が、ほんのわずかに止まる。
振り向かない。
それでも——止まった。
響は、息を詰めながら続ける。
「ちゃんと、聞かないまま」
一歩も動けないまま。
それでも、言葉だけを前に出す。
「それで……本当にいいんですか」
沈黙。
ほんの一瞬の、張り詰めた静寂。
それでも——東堂は動き出す。
完全に、背を向けたまま。
行ってしまう。
その時——
「か、海斗先輩のッ!!!」
「……お前。なんで、その名前を知ってる」
「……伝えなきゃ、いけないことが……」
言い切る前に——
「黙れッ!!その名前を口にするな」
低く、押し殺した声。
「——あいつは、もういない」
一歩、近づく。
「俺の中に」
その言葉を、最後まで聞ききる前に——
響は、意識を失った。
「僕ね……ずっと謝りたかったんだ」
「……」
「東堂君に何も言わないまま、辞めちゃったこと」
視線が床へ落ちる。
「あの時の僕は、自分のことで精一杯だった。何を言えばいいのかも分からなくて。どうしたらいいのかも分からなくて。気づいたら……逃げるように部活を辞めてた」
東堂の表情が少しずつ揺らぐ。
「君は何度も僕を励ましてくれた。『お前はお前だ』って。『比べるな』って。それなのに僕は、何も言わずに君の前からいなくなった」
海斗は苦しそうに笑う。
「親友失格だよね」
「海斗……」
「それだけじゃない。」
ゆっくりと響へ視線を向ける。
「響君。君にも、ずっと謝りたかった」
「……え?」
「君は何も悪くなかった。僕を傷つけようなんて、一度も思ってなかった。ただ音楽が好きで、ただ一生懸命だっただけ。それなのに僕は、自分の弱さと向き合えなくて、勝手に苦しんで、勝手に辞めた」
海斗は唇を噛む。
「そして、その理由を誰にも話さなかった。そのせいで東堂君は、全部響君のせいだと思ってしまった。響君は、何が起きたのかも分からないまま、ずっと恨まれることになった」
海斗は深く頭を下げる。
「僕が何も伝えなかったから。僕が逃げてしまったから。二人に、こんな誤解をさせてしまった」
「……そんなわけ、ないだろ。それだって……」
東堂は響へ視線を向ける。
「響がいたから起きたことだ。響が……あんな才能を持ってたから。だから、お前は……」
言葉が止まる。
「だから、お前は……そうなっちまった。だから……」
しかし、その先が出てこない。
「だから……」
何度口を開いても、言葉にならない。
海斗の言葉が頭の中で何度も響く。
――君は何も悪くなかった。
――ただ音楽が好きで、一生懸命だっただけ。
(違う)
そう思いたい。
(違うはずだ)
「……」
胸の奥で、何かが少しずつ崩れていく。
「だから……」
最後の一言だけが、どうしても続かなかった。
海斗は、響の方を見た。
その表情は、どこか寂しそうで。それでも、ようやく決意したような笑顔だった。
「ごめんね」
「……え?」
響は戸惑う。
海斗は小さく笑った。
「やっぱり……自分で言うべきだよね」
海斗はゆっくりと息を吸った。
「初めて会った日のこと、覚えてる?小学校でさ。一緒にやったでしょ? 金管バンド」
東堂の動きがピタリと止まる。
「君が誘ってくれたんだっけ?嬉しかったんだよ僕みたいな人でも……誰かと一緒に音楽をやっていいんだって思えたから」
気がつくと海斗は、静かに涙を流していた。
「その時に言ってくれたよね『誰かの音を否定する奴が、どうして音楽を語れるんだよ』って」
海斗は、まっすぐ東堂を見つめる。
「……覚えてる?」
東堂は、下を向く。
「俺は...」
「僕は、それだけは、なによりも覚えてるよ。僕はそれを守ってきた。誰の音も否定しなかった。たしかに、"自分"を否定したのは事実だ。それでも……」
海斗は静かに東堂を見る。
「今の君は、昔の君が一番嫌っていたことをしてる。自分より上手い人間を見て、そいつの音じゃなくて、存在を否定しようとしてる」
海斗はそのまま東堂に近づく。
「君は昔、そんなこと言わなかった。誰かの音を奪うんじゃなくて、隣で一緒に吹こうとしてくれた。誰よりも優しかった」
東堂の震える手をそっと握った。
「だから僕は……そんな君を知ってるからこそ、苦しいんだよ。東堂君は、響君を憎む前に……昔の自分を思い出してほしい」
海斗の言葉を聞いた東堂。
でも、すぐには顔を上げられない。
「……違う。違うんだ……俺は……」
「……東堂先輩」
響は、ゆっくりと口を開いた。
東堂の視線が、響へ向く。
「僕は……本当に覚えていません。なぜか……二人の名前だけは覚えていました」
響は海斗と東堂を見る。
「海斗先輩。東堂先輩。その名前だけは、ずっと頭の中に残っていたんです」
けれど。
「でも……」
響の視線が少しだけ落ちる。
「二人に何をしていたのか。二人から、何を言われていたのか。何があったのか。それだけは……何も思い出せません」
病室に静寂が流れる。
響自身も、まだ信じられないような気持ちだった。
目の前にいる二人は、自分の知らない過去を知っている。自分が覚えていない時間を、この二人はずっと抱えてきた。
「だから……僕には、二人の苦しみを全部理解することはできないと思います」
東堂の拳が、わずかに震える。
「僕が覚えていないから」
響は続ける。
「そんなことはなかった、なんて言うこともできません。二人がそう感じたことは、二人にとって本当に起きたことだから」
海斗の目が揺れる。
「でも……一つだけ、言わせてください」
東堂は黙って響を見る。
「僕は……今の僕しか知りません。事故の前の僕が、何を考えて、何をしていたのか。それは僕には分からない。でもだからって、逃げたいわけじゃありません」
響の声は静かだった。
「僕の知らない僕が、誰かを傷つけたのなら。その事実から目を背けたくはないです。何があったのか。二人が、どんな思いで今まで過ごしてきたのか」
響は少しだけ苦しそうに笑う。
「だって……僕にとっては覚えていない時間でも、二人にとっては、確かに存在した時間だから」
その言葉に、東堂は何も返せなかった。
響は続ける。
「ただ……今の僕が、その時の僕と同じなのかは分かりません。だから、もし許してもらえるなら」
響は深く頭を下げた。
「今の僕を、もう一度見てほしいです。昔の僕じゃなくて、
今ここにいる、月本響を」
そう。
響は、何も悪くなかった。
響に――いや。
人に固執し、何かを壊さなければ、何かを救うことはできない。
そんなふうに考えていた、過去の自分。
それは、全くの間違いだった。
若田にしてきたこと。
俺は、すべてお前のためだと思っていた。
お前に自信を持ってほしかった。
お前自身の音を、信じてほしかった。
だから、響を抑えればいいと思った。
響の音を、否定すればいいと思った。
それで若田を救えると。
そう思い込んでいた。
でも。
それは、ただ誰かを傷つけていただけだった。
そして――。
若田と海斗は、俺の中では似た者同士だった。
自分自身を信じられなくて。
それでも、音楽を捨てきれなくて。
誰かの音に、自分の居場所を探していた。
そんな二人を、俺はずっと見ていた。
海斗に。
そして、響に。
俺は、あの時救われた。
なのに俺は、それに気づかないまま、誰かを救おうとしていた。
壊すことで。
奪うことで。
自分が正しいと思い込んで。
……違ったんだ。
誰かを救うために、誰かを傷つける必要なんてなかった。
だったら。
今度は――。
俺が救う。
若田宗一郎。
月本響。
お前ら二人を。
今度こそ、俺が救ってやる。
長く抱えていたものを、ようやく言葉にする。
過去に何があったのか。
なぜ、そうなってしまったのか。
そして、今まで誰も口にできなかったこと。
一つずつ明らかになっていく中で、それぞれが向き合うことになる。
忘れてしまった時間を持つ響。
その時間をずっと抱えてきた若田。
そして、過去の自分と向き合うことになった東堂。
同じ出来事でも、そこにいた人によって見えていたものは違うのだろう。
だからこそ、過去を知ることは、終わりではなくらここから先へ進むための始まりなんだ。
感想、評価、ブクマ、レビューも是非お願いします。
次回もお楽しみに!!
2026年9月22日をもちまして、本作品は連載一周年を迎えました。
読んでくださってる皆さん、本当にありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いします。
番外編「心はB♭で響いている〜Beyond the Stage〜」にて連載一周年記念スペシャルを投稿しました。
是非ご覧ください。
↓こちらから
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