カワイイを補充したいわ
ベロニカでありったけの食料と防寒着を買い、俺たちは酒場で決起会をすることにした。
「勇者を見つけるぞー!」
「おぉー!」
当分食べれないと踏んだのか、そめちゃんがご馳走を次々と頼んでいる。そんなに頼んでもテーブルに乗り切らないだろうと思ったら、皆食べる、食べる。
「遠慮しなくていいのよ?アオイ、食べ盛りなんだから」
「相変わらずかーちゃん少食だな、俺の分食べるか?」
「いや俺はフツーだよ……皆が食べ過ぎなんでしょうよ」
「体動かすと腹が減るんだよ、なーティア」
「……俺は体じゃなくて頭を使うから、よく分からない」
「おっ!ティアくんは俺と同じかぁー!甘いもの欲しくなるよねー!」
ティアさんが一緒にされたくない……と横目でそめちゃんを見ているが、そめちゃんは気付いてない。
「ジオさん、アルストロメリアってどんなところ?険しい山を越えてまで、行きたくなるようなところなの?」
「さぁ……俺にはなんもねぇ田舎にしか思えないが。あ、イモは美味いな」
「さっき養老院でおじーちゃんたちに聞いたらさ、学校が沢山あるんだってさ!楽しみだなーこの世界の学校」
そめちゃんは教師になりたくてなったんだろうな、っていうのが伝わってくる。この世界ではCランクだけど。
「ルドさん元気かなぁ」
「行く先々で宣伝してっから、今頃大繁盛で大忙しだったりしてな!」
「オルレアさんたちが行ってるかも」
「そうだ、羽の生えた魔物も探さなくちゃね!」
旅先で出会った人々、異なる文化、数々の魔物。この世界を知れば知るほど、この世界で生きていくって難しいなと思う。
俺は出会う人に恵まれてここまできたけど、理不尽な目に遭ってる人も沢山いるんだろうな。
「うう……肉……元気でな……」
「そめちゃん肉相手に泣きながら話しかけないで」
「そろそろカワイイを補充したいわ…可愛い魔物いないかしら……」
「魔物はそもそも可愛がる対象じゃない」
「シッ!ティアの野郎!エキナの兄ちゃんに聞こえるだろ!」




