マグロ釣り上げた人
「はーい、今日はスペシャルゲストですよー!!英傑のジオさんがいらっしゃってくださいましたー!!皆よく知ってるよねー!」
「ありがたや……」
「おお、本物じゃ……」
「わしもう死んでもいい」
施設の広い部屋に通され、おじいちゃん、おばあちゃんたちが皆ジオさんに向かってお祈りしている。ジオさんどういう扱いなの。
「ここで問題です、ジオさんは何をした人ですかー??」
「マグロ釣り上げた人!!」
「マジシャン!」
「ナントカ山に登頂した人!」
「全部外れでーす!」
ジオさんが死んだ魚の目になり、ティアさんはもう爆笑。爆笑しすぎて床をばん、ばんと叩いてる。
「それじゃあ、今日は特別に人形劇をやりますよー!『英傑ジオさんと海の魔物』始まり、始まり〜〜」
職員のおねえさんが両手にパペットをはめて、ぱくぱくと動かす。ジオさんは逃げ出そうとしたがティアさんに手を引かれ、アリッサムに出口を塞がれ、観念してた。
「昔々、ちょっと昔。五年前、アルメリアの海に大魔物が現れました。海は荒れに荒れ、船はひっくり返り、漁に出ることも、航海に出ることもできなくなりました。そこに現れたのが英傑、ジオさんです」
ジオさんのパペットが登場しただけで拍手と歓声が湧き起こる。きっと何度もやっている劇なんだろう。
「いよっ、英傑!」
「ニクいね、この!!」
(英傑の扱いおかしくない……?そめちゃん)
(シッ、本物に聞こえるぞ!)
「大魔物は七つの首を持つ、巨大な蛇でしたが、ジオさんは魔法剣士なので、魔法で魔物の動きを止め、剣を使って首を次々切り落とし、退治しました」
「出たー!!必殺、七つの首落とし!」
「セイッ!ソヤッ!」
「見事勝利したジオさんは、辺りを見まわし、怪我をした人、魔物によって家や財産を失った人を見つけます。彼らが歳をとった時、どうなってしまうのだろうと考えます」
ここでおじいちゃんたちの空気が変わった。しんと静まりかえり、顔つきが真剣なものになった。




