金取ろうかな
アリッサムとエキナさんが杭を運び、ティアさんの魔法が巨大な杭を打ち。そめちゃんに地盤を固くしてもらった。
「……基礎は少し出来たが、完成には程遠いな」
「ありがとよ兄ちゃんたち!!工事期間が大分短縮されたぜ。時に兄ちゃん、ウチで働く気ない?」
「お、俺!?気持ちはありがたいのですが、俺、僧侶なので……」
エキナさんが大工にスカウトされてて笑う。ガタイめちゃくちゃいいもんな。
「橋が直るまでの期間、医者がこちら側にいないのが問題だな」
「それでしたら、私が」
ジオさんの呟きに、応えてくれる人がいた。この間エキナさんを助けてくれた僧侶の人だ。
「暫くこの町に滞在します、全ての怪我、病を治せる訳ではありませんが、少しは役に立ちましょう。……ところで、あの」
「何だ」
「……握手して頂けないでしょうか」
僧侶さんは顔を真っ赤にして俯いてしまった。この人ジオさんが推しなんかい。
苦笑いして手を差し出したジオさんの手を固く握りしめ、その手をブンブン振りながら去っていった。
「モテるね、おっさん」
「羨ましいか?秘訣を教えてやろうか」
「別にいいや」
「ガキだな」
ジオのおっさんがまた頭をわしゃ、わしゃと撫でる。この人ただ撫でたいだけじゃないかな?金取ろうかな。
「さて、ではこれからベロニカの養老院に向かうとしよう。丁度良い依頼があったしな」
「そめちゃん、養老院って何?」
「現代で言う老人ホームみたいな施設だな。どんな依頼なんだ?ティアくん」
「老人の世話だ」
「「マジか」」
ジオさんが思いっきり嫌そうな顔をしている。若い女性は確実にいないだろうしな。
「じゃ、俺は急用を思い出したんで」
「英傑、逃げるな。英傑になった所以を説明しろ」
「ティア坊ちゃんに任せるよ……」
「いいのか?俺が独断で全部説明するぞ?一から十まで本当のことをつらつらと」
「嫌なガキに育ったぜ!ったくよ」
ジオさんをからかうティアさんは、本当にいい笑顔だ。やっぱり二人は長い付き合いなんだな。




