詐称は良くないよおっさん
翌朝、疲れも抜けきっていないだろうに、ティアさんとジオさんはギルドへ足を運んでくれた。
ギルドに着くとその場にいた誰もが二人を見て歓声をあげた。
ジオさんは苦笑いして適当にあしらい、ティアさんはより深くフードを被ってしまった。
「英雄のお二人、お待ちしてましたよ!さあ、ベヒモスの魔核を拝見しましょう」
「報酬、役所に寄付しといてくれ。橋が壊れて物入りだろう」
「は??」
受付の人が顎が外れるぐらい驚いていた。カウンターに置いてある麻袋は、見たことのない大きさで、例えばあれが全部金貨とかだとすると、どのぐらいの価値になるんだろう。
「それより橋。橋の修理の依頼、受けるから」
「畏まりました。では、こちらにお名前を」
そめちゃんが俺の肩越しに台帳をじっと見つめている。やめてよ、いや俺も気になるけどさ。
雑に書かれた『ジオ』の字と、ランクがーーー
「「Cランク!??」」
「おい、でけぇ声だすな」
「そんな訳ないでしょ、詐称は良くないよおっさん」
「うるせえな、本当にCランクだよ」
受付のおっちゃんを見る。おっちゃんは黙って首を振った、本当なのだ。
「ほれ、お前さんも書け。手伝うんだろ?」
「あ……はい、じゃあ皆書こう」
もしかして、レベル上げと報酬のために、俺たちを巻き込んでくれたのかな。
「依頼の細かな内容と、橋の構造は大体理解した。行くぞジオ」
「はいはい、ティア坊ちゃん」
ティアさんが割と本気で、杖でジオさんを殴った。痛そう。
橋の付近は、こないだ見た時より崖崩れがひどくなっており、近づくのすら難しい様子だ。
「さて、どうするティア」
「ここも地下は空洞なのか?地盤が緩いだけなのか?」
「おいおい、地盤から変えるとか言うなよ」
その言葉を聞いて、俺はそめちゃんの方を見た。そめちゃんも察したのか、俺と目が合った。
「杭!巨大な鉄の杭を入れようよ」
「コンクリートみたいな、固める素材ないかなあ……」
「地面の下を固めりゃいいのか?石工が使う凝固材、知ってるぞ」
「本当かい、アリッサムくん!」




