骨折したら大変だから
「オルレア!!お前、髪の色……言葉、ああもう!何から注意すれば
「じじい!!全国回ったぞ!!特典ゲットしたぞ!!!」
「おお……星灯の…何だったかな?」
「『星灯の乙女』!!!いーかげん覚えろじじい!!!」
バッサリ切った髪は金に染められ、ピンクのメッシュが入っている。耳と唇に沢山のピアス。これどっかで見たことある……バンギャだ。
「じじい!特典だ!初代『星灯の乙女』を演じたカトレアの公演チケットだ!!」
「オ、オルレア……?見せびらかしたいのか?」
「……カトレア……カトレア!??」
「じじい、ボケたんじゃないだろーな。お前が六十年推してる、あの『カトレア』だよ!!」
おじいちゃんがぶるぶると震え出す。俺はその様子が心配で、思わず背中をさすった。
「カトレアの……公演!?倍率二十倍だぞ……まじか……マジか……」
「マジだよじじい!あたしが全国回った甲斐があったな!!行くぞじじい!」
「オルレア……気持ちはありがたいけど、もう無理だよ。おじいちゃんは病気が進行して、歩くこともーーー
おじいちゃんは顔を真っ赤にして、ベッドから降りようとしていた。やめて。
「ぬあぁぁぁぁ!!絶対に行くぞ!!私はこの目でカトレア様を見るまで死ねん!!」
「分かった、分かりました、まずリハビリしようおじいちゃん。オルレアも煽るの止めて!」
推しの力やべーな、などと思っていると、エキナさんが涙をぼろぼろ溢していた。
「なんて美しい家族愛なの……!!おじいちゃん、病気を完治させることはできないけど、せめて歩けるようになって!!!」
エキナさんの両手が光る。柔らかいその光は、おじいちゃんの脚を包み込んだ。
「ぬ!?動く!動くぞ!私の脚が!!」
「いきなり立ち上がらないで!骨折したら大変だから!これオルレア、手を貸しなさい!」
「おう、こうか?じじい、立てるか?」
おじさんが肩を貸し、オルレアさんが手を握り、おじいちゃんが震えながらベッドの横に立った。なんかよく分からないけど、俺たちは拍手していた。
『星灯の乙女』について知りたい方は、前作
「悪役令嬢に転生しましたが、王子がイケメンすぎるのでおじさんに逃げます。」
を三話ぐらい読んでみてねー!
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