遠足に行くみたいだよ
三日分の着替え、大量の食料、水、コンパスに地図に望遠鏡。皿、ナイフもきっと役に立つ。杖は軽さと機能性を重視してシンプルなものにした。
「登山に行くみたいだな、吉田」
「荷物多すぎかな……でも何か忘れてそうで」
「誰かが無くしても大丈夫なように財布は分散させよう!それと誰かがはぐれたらどうするか決めておこう!」
「遠足に行くみたいだよそめちゃん」
旅立ちは朝早くがいい、とルドさんに言われて、ほぼ日の出と同時ぐらいに、俺たちは酒場『ルド』の前に立っている。なんか、本当に遠足とか社会科見学に行くみたいで実感が湧かない。
「気をつけるんだよ。いいかい、根性でなんとかしようとしないこと。……これ以上ここにいると、余計なことばかり言っちまいそうだから、あたしゃ店に戻るよ」
「ルドさん、ありがとう。こまめに手紙出すようにするから」
「かーちゃんのかーちゃん、サンキュな!!」
「おかみ、美味しい料理をありがとう」
「うおォォォン!!俺、こういうのダメなの……ダメね、泣き虫で」
そめちゃんがぱん、ぱんと手を叩く。
「はいはい、それじゃ旅立ちの挨拶をリーダー吉田、頼むよ」
「……行ってきます!」
『ルド』を離れて、一度ちら、と振り返ると、お店に戻ると言っていたルドさんが立っていた。俺は振り返って手を振ると、手を振り返して、いいから行きなという仕草をしてくれた。
「それじゃアリッサムくんの言う通り、最初にギルドに寄ろうか」
「こんな朝早くからやってるの??」
「ステータス確認だけなら無人で出来るぞ」
ギルドのカウンター前に立つ。目の前にウィンドウが開き、ホログラムの表示が浮かぶ。
ヨシダ アオイ
職業:魔法使い
ランク:D
次のランクまで50レベル
「ちぇー、やっぱDか…仕方ないな。駆け出しだもんな」
アリッサム
職業:格闘家
ランク:C
次のランクまで140レベル
アストランティア
職業:魔法使い
ランク:A
次のランクまで20010レベル
エキナセア
職業:僧侶
ランク:C
次のランクまで250レベル
「わっ……きゃっ、皆に見られるのは、ちょっと恥ずかしいわね」
「ティアさん、Aランクの上があるの!?」
「あるとも。Sランクだが、俺も見たことがない」
「レベルも必要なら表示できるぞ、かーちゃん!何でも俺に聞いてくれ」
⬛︎⬛︎イ⬛︎ ⬛︎⬛︎5年没
職⬛︎:⬛︎⬛︎
⬛︎ン⬛︎:U
次⬛︎ラ⬛︎⬛︎ま⬛︎0⬛︎⬛︎ル
「わっ」
「何これ!?」
ソメイ ヨシノ
職業:教師
ランク:C
次のランクまで90レベル
「……そめちゃん、ヨシノって名前なの?」
「うん、吉田の吉にはらいぼうの乃だ。いい名前だろ!」
「ちょっと可愛すぎかな」
「それにしてもまだ教師なのかー、俺も魔法使えるんだけどな??」
そめちゃんがちょっと不服そうだ。
「ねえ、そめちゃんの表示ちょっとおかしくなかった?」
「?バグだろ」
「どうせアリッサムが変な操作したんだろう」
「おい、言いがかりつけんなティアの野郎!」




