番外編② 公爵令嬢は観察される
『家庭教師になった公爵令嬢は、我儘をつき通す』の第5話の裏話というか、設定として考えていたけど本編に入れられなかったお話。なのでめっちゃ短いです。意味もあんまりない。でも書いて楽しかったので、番外編に入れました!
第5話を読んでからの方がお楽しみいただけるというか、話が分かるかと。面倒な方は、そのままお進みください!
(本日も髪型は大きく減点、服もお嬢さまにお会いになるような服ではないので減点、姿勢は……もうこれは採点項目から削除しましょう)
イーディスは壁際に控えながら、勝手に採点を始めていた。
(……わたくしへの挨拶も、採点項目から削除)
侍女に対しても態度が変わらないというか、丁寧なところは評価項目に挙げたい気もするが、今見ているのはお嬢さまに相応しいかどうかである。
(それにしてもずっとお嬢さまが喋っているわ)
ペンフォード様の相槌は短く、向こうから話題を提供することもない。
それでも気にならないのか、お嬢さまは楽しそうにお話になっている。
(前髪で表情も分かりにくいというのに)
お嬢さまはまったくもって気にしていない。
(本日はどのように奥様にご報告しようかしら)
イーディスは彼らの雰囲気を報告するように奥様から指令を受けている。
あくまでも雰囲気だけ、だ。細かい私的な内容は伝えないように言われている。
前回は『お友達』とお伝えした。
(……これは本日も同じ報告になるかしら?)
奥様はひそかにがっかりされるであろう。
けれども、『根』はありそうだが、『芽吹き』を感じられない。
(仕方がありませんわ)
イーディスは本日も、壁際でペンフォード様の採点と、二人の雰囲気の観察をしていた。
* * *
「で、本日は?」
「……お友達です」
「もう……本当に?」
「ええ、残念ながら」
「残念? 貴女の目から見ても、残念なの?」
恋愛小説中毒の奥様が飛びついてきた。
目がキラキラとしている。
イーディスは余計な一言を付け加えてしまったと後悔する。
「そう。残念なのね……」
奥様はとても嬉しそうであった。
番外編② 公爵令嬢は観察される 【完】
お母様と侍女イーディスは、番外編でちょこちょこ顔を出すと思われます。作者がこのふたりのやり取りが好きなので。
一緒にお楽しみいただけると嬉しいです。お読みいただきありがとうございます。




