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バッドエンド後にやり直した人生で、初対面のクラスメイトからなぜか激重感情を向けられている  作者: 水島紗鳥@6/25ヤンデレ双子姉妹3巻発売
第4章

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第55話 今世での答え合わせ

「そっか、やっぱり瑛人も()()()()()()んだ」


「ああ、思えば今までヒントは色々あったんだよな」


 例えばつい先日の違和感を覚えた会話なんかもそうだ。俺は傷害事件に巻き込まれたせいで死にそうになった過去があるという話を確かに天音にはしていた。

 だが、その加害者が奏多先輩であるとは一言も話していない。にも関わらず天音は加害者があいつであると知っている様子だった。

 その他にも、俺は前世の記憶と混ざって天音から突っ込まれてしまうようなことを幾度となく口にしてしまっていたのだ。

 天音の様子的には気付いていながらあえてスルーしていた可能性もあったが。そんなことを考えていると天音はちょっと目を赤ながら口を開く。


「改めてお礼を言わさせて、私は瑛人のおかげで卒業式のあの日に死なずに済んだ。あの時は見ず知らずだった私を助けてくれてありがとう」


「お、おい泣くなよ!」


 まあ、無理もないか。天音も押野瑛人という人間にではなく、()()()()()には助けてくれたお礼すら直接言えないと思っていたはずだから。天音が落ち着くのを待ってから俺は聞きたいことを聞く。


「俺はあの後どうなったんだ?」


「瑛人は一命こそ取り留めたけど、意識不明のまま二年くらい眠り続けていたわ」


「あっ、俺は生きてたのか」


 てっきりあのまま死んだと思っていたため、生きていたというのは少し驚きだった。そのまま天音は話を続ける。


「瑛人の幼馴染、宮川さんと知り合ったのも瑛人の病室へお見舞いへ行ったことがきっかけよ」


「なるほど、だから陽葵のことを一方的に知っていたのか」


「ええ、私は未来で出会っていたけど、この世界の宮川さんは私のことなんて知るはずがないから」


 前々から疑問に思っていたことが解消をされていくため、今まで埋まっていなかったパズルにピースが次々に埋まっていく感覚になる。

 初対面のはずの天音が俺に泣きながら自己紹介をしたり、父さんや母さんすぐに打ち解けられたことは、間違いなくその辺りが関係しているはずだ。


「でもなんで俺達はこの世界に戻ってきたんだろうな?」


 俺は一番疑問に思っていた言葉を口にした。てっきり死んだことで過去に戻る死に戻り的な現象だと思っていたが、今の話を聞く限りだと俺は生きていた。だが、天音は暗い表情になって口を開く。


「それは瑛人も私も死んだからだと思うわ」


「……えっ?」


「二年間意識不明だった瑛人は最終的に合併症が原因で息を引き取ってしまったの」


「いやいや、それも重要情報だけど一番聞きたいのはそこじゃない。何で天音まで死んでるんだよ!」


 そう、俺が死ぬというのは正直不思議な話ではなかったと自分でも思う。意識不明なっているくらいだから、良くない状態であることは疑いようがなかった。

 だが、天音に関しては別だ。だって俺が自分の命を犠牲にして助けたことで、天音は無傷だったのだから。


「……まさか、奏多先輩か?」


「あいつは捕まってしばらく外の世界には出てこれない人間になってたから関係ないわ。それに出所していたとしても小悪党で小心者なあいつにお礼参りに来るような度胸なんてないから」


「じゃあ、なんで……」


「……結局別の男に刺されて私は殺されたのよ」


 その言葉を聞いて俺は思わず絶句した。俺が助けたはずの天音は結局別の誰かに殺されていたのだから、絶句するなという方が到底無理な話だ。


「そんな顔しないで、少なくても私は瑛人のおかげで二十歳までは生きられたんだから」


「いやいや、二十歳で人生の幕を閉じることになるなんてあんまりだろ!」


「それを言うなら瑛人だってそうじゃない、二十年くらいで終わる人生なんて物語ならどう考えてバッドエンドでしょ」


 天音が悔しそうな表情を浮かべている姿を見て、俺に生きていて欲しかったことがこれでもかというくらい伝わってくる。


「でも私達には二回目の人生っていうやり直しのチャンスが与えられたわ、これは今度こそ幸せになりなさいって神様が言ってくれているに違いないわよ」


「そうだな、やっぱりここはネガティブじゃなくてポジティブに捉えるべきだ」


 もう終わってしまったことでくよくよしていても仕方がない。俺も天音もやり直したこの世界で生きているのだから、ひとまずはそれで満足をしなければ欲張り過ぎになってしまう。

 それに、クラスなど前回と比べて既に色々と変わってきている部分もあるのだから、未来だってきっと良い方向に変えられるはずだ。この二回目の人生はきっと無意味なやり直しではないと俺は思っている。

瑛人と天音の認識が一致し、前世の謎も解ける回でした。


想定としては、第57話で第一部はエピローグとなります。なお、エピローグはある意味では第二部のプロローグ的な話になる予定です。


なお、皆んな大好き奏多先輩は後々も関わってくる予定です。


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、

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