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バッドエンド後にやり直した人生で、初対面のクラスメイトからなぜか激重感情を向けられている  作者: 水島紗鳥@6/25ヤンデレ双子姉妹3巻発売
第4章

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第54話 前世との決着

 確固たる証拠を集めたいと思い数日かけて二人で引き続き色々と調べてみたが、結局SNSからはあれ以上の有力な証拠が見つからなかった。

 だから、決定打が無いことには変わらず、実質的に振り出しに戻ってしまったような気分だ。そんな状態にも関わらず奏多先輩はここ数日は毎日のように教室に来ているため、俺達の置かれている状況は良いとは言い難い。

 それもあって今日の昼休みもいつも通りあいつが来る前にさっさと離れたかったのだが、残念ながらそれは叶わなかった。

 まだ昼休みのチャイムが鳴ってから一分も経っていないにも関わらずもうやって来たのだ。しかも、今日は明らかに苛立った表情を浮かべていた。奏多先輩は教室に入ってくるなり、周りには一切目もくれず俺に詰め寄ってくる。


「おい、お前。ふざけるなよ!」


「落ち着いてください、急にどうしたんですか?」


「俺が教室に来るたびに天音ちゃんがいなかったのは、お前が裏から糸を引いてたんだってな!」


 どうやら俺が今まで色々と裏工作をしていたことがついにバレてしまったようだ。いつか限界が来るとは思っていたが、今日がその時だったらしい。

 昼休みに入って賑やかだった教室内は、こいつが怒鳴り込んできたことで空気が完全に凍りついており、まさに一触即発の状況だ。

 まだ牽制する有力な材料が揃っていないにも関わらず、こいつがブチギレてここに来ている今の状況は明らかにまずい。

 流石に今は教室の中なため、明らかに一線を越える行動はしないと思うが、周りの目が無いところでは何をやってくるか分からない。

 何をするか分からない人間はそれほど危険なのだ。そして俺は詰め寄られたことで、前世で刺された時の恐怖がフラッシュバックし、だんだんと冷静さを保てなくなってきていた。

 そんな状況の中、天音が動く。俺と奏多先輩の間に割って入ってきた天音は、俺達にだけ聞こえるような小声を発する。


「奏多先輩が大麻をやってるって本当ですか?」


「!?」


 その言葉を聞いた瞬間、奏多先輩の表情は明らかに凍りついた。天音の乱入によって少し冷静さを取り戻した俺は、急遽作戦を変更する。


「俺達は色々知ってるんですよ、大麻の件以外も全部」


 俺は何でも知ってるぞと言いたげな表情を浮かべてそう口にした。もちろん決定的な証拠は掴めていないためこれは完全なるハッタリだ。

 そもそも大麻以外の悪事の存在については何も把握していない。だが、奏多先輩は明らかに動揺を隠せなくなり始めていたため、他にも他人に知られるとまずい何かが間違いなくありそうだ。


「な、何を根拠に……?」


「例えば今年の三月二十八日の件とか、五月三日の件はどう説明するつもりですか?」


 そんな俺の言葉を聞いて奏多先輩の顔色は一気に真っ青になる。この日付はこいつがSNSで420を含んだ投稿をしていた日だったが、やはりビンゴだったようだ。

 俺達としてはラッキーなことに都合良く全部悪い方向に解釈をしてくれたようで、奏多先輩は今にも死んでしまいそうなほど弱々しくなってしまった。

 一方で俺は相変わらず全部お見通しだという表情を保っている。ここでこいつにハッタリだと知られるわけにはいかない。


「……なあ、黙っておいてくれないか? 俺に出来ることであれば何でもするから」


「なら天音から手を引いて俺達に近づかないで貰っていいですか? それ以上は望みません」


「それさえ守ってくれたら私と瑛人もあなたには金輪際関わりませんから」


 これ以上刺激して追い詰めるのは危険と判断した俺はその方向性で着地を試み、その意図を理解してくれたであろう天音も追従してくる。


「本当にそれだけでいいんだな……?」


「ええ、俺達に何もしてこない限り約束は守ります」


「分かった、もう近づかない」


 そう言って奏多先輩は弱々しい足取りで教室から出て行った。危ない橋を渡る羽目にはなったが、行き当たりばったりだったにしては良い結果になったと思う。

 教室内も張り詰めていた空気が一気に緩み、またいつもの昼休みに戻った。だが、周りからはかなり注目されていたため、俺達はお弁当を持って教室を出る。


「天音のおかげで助かった」


「いいのよ、瑛人も無事だったし」


「ああ、()()()()()()()今回は天音のおかげで死なずに済んだんだから感謝しかない」


 俺がはっきりとそう言葉を伝えると天音は驚いたような表情になった。やはりこの反応的に天音は卒業式の日に助けたあの金髪の同級生であり、俺と同じ二回目の人生を歩んでいる逆行者で間違いないはずだ。

奏多先輩が情けない姿で撃退される一方、ついに瑛人が天音の正体に気付く回でした!


瑛人君はこれが現時点では最善の方法と思っているみたいですが……?


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