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バッドエンド後にやり直した人生で、初対面のクラスメイトからなぜか激重感情を向けられている  作者: 水島紗鳥@6/25ヤンデレ双子姉妹3巻発売
第3章

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第39話 気遣いの鬼

 中間テストが終了してから一週間ほどが経過し、気付けば球技大会当日になっていた。今日は一日中球技大会となるため、授業は一切無い。

 だから天音のように喜んでいる人間がいる一方、俺のように憂鬱な気分になっている人間もいるはずだ。実際に教室内を見渡しても、その両方が混在していた。


「朝からずっとどんよりとした表情をしてるけど、どうしたのよ?」


「そんなの球技大会だからに決まってるだろ」


「せっかくの楽しいイベントなんだから、もっと楽しそうにしても良いと思うけど」


 天音はくすくすと笑いながらそんなことを言ってきたが、もう既に球技が苦手なことを知っているはずなので、わざと聞いてきているとしか思えない。

 まあ、でもこんなふうに絡まれるのは嫌いではなかった。元々俺に対する距離感はバグっていたが、さらに近づけたような気がするし、むしろ嬉しさすら感じている。


「心配しなくても、私がフォローしてあげるから安心して大丈夫よ!」


「助かる、ミスりそうになったら頼む」


「ええ、大船に乗ったつもりで任せてくれていいわ」


 球技大会は男女混合のチームとなっており、事前にチーム決めをしていたが、俺と天音は一緒だった。これは天音が事前に根回しをしていたため、同じチームになったんだとか。

 グループに所属していない天音だが顔は広いため、事前に話を通すことくらい簡単だったらしい。俺だと真似できる気がしないため、マジで尊敬する。

 それからしばらくして朝のHRが始まり、それが終わったタイミングでグラウンドへと移動をする。三学年が一堂に会しているため、グラウンドには千人近い人数がいた。そして、全員で準備運動を行なった後、いよいよ試合開始だ。


「向こうのチームはかなり強そうだな」


「ええ、メンバーを見るだけでそんな感じがするわね」


 対戦相手は二年生のチームだったが、男女ともに身長が高く明らかに運動が得意そうなメンバーばかりだ。チームに関しては男女混合というルールさえ守ればどんなふうに決めても良いらしい。

 そのため、運動神経抜群なメンバーだけの最強チームを作るパターンや、バランスを考えて実力をある程度均等化するパターンなど様々だ。

 相手は精鋭を集めたチームのはずなので今回の試合は苦戦すること間違いなしだろう。案の定、試合が始まってすぐに俺達のチームは失点をしていた。

 だが、こちらも一方的にやられっぱなしにならないように立ち回っている。俺も足を引っ張らないように頑張ってボールを追いかけている状況だ。


「あっ、やばい」


 レシーブする俺だったが、腕の当たった位置が悪く変な方向にボールが上がってしまった。だが、それを近くにいた天音が上手くフォローする。

 天音のトスを受け取った他のチームメンバーが相手コートにスパイクを打ち込んだことで俺達のチームの得点にも繋がった。


「ありがとう、フォローしてくれて助かった」


「全然大丈夫よ、瑛人もナイスレシーブだったと思うわ」


 天音にお礼を言うとそんなふうに返してきたため、本当にめちゃくちゃ気遣いが出来ると思う。さっきのレシーブは普通なら文句を言われてもおかしくなかったはずだし。

 引き続き試合を続ける俺達だったが、やはり強敵だったこともあって、結局は相手チームに勝ちを許してしまう結果で終わった。


「……やっぱりサーブに苦手意識があるんだよな」


「瑛人は難易度の高いサーブじゃなくて、アンダーハンドサーブで確実に相手コートにボールを入れられるようにするのがベストだと思うわ」


「だよな、フローターサーブとか出来る気がしないし」


 フローターサーブは体育の授業でも練習はしたが、そもそもボールが手に当たらず空振りを繰り返したため、俺のような人間には向いていないサーブだと思い知らされたことは記憶に新しい。


「さっきも試合中に格好をつけようとして、思いっきり失敗してた人がいたのを見たから無理は禁物よ」


「さっきのあれは擦りむいてて結構痛そうだったから真似しようとは思わない」


 先程俺達のチームメンバーの一人が格好をつけてジャンプサーブをしようとして盛大に失敗した上に、膝を思いっきり擦りむいて保健室行きになっていたのを見た。

 あれを見た後で無理をしようとは思わない。あんなふうに出血するくらい擦りむいたりなんかしたら、お風呂に入るだけでしみてめちゃくちゃ痛そうだし。

【読者の皆様へ】


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