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しかし個人で抗うには強すぎる筋肉である。二人分を両脇に抱えた少女はダルフ村のみんなに別れを告げる。その歳、ダルフ村の人間は顔中にさっさと帰れと書いてあったが、元魔王軍幹部だけが別れを惜しみサイドチェストで応えていた。
いやまってこちらを抱えたままサイドチェストで返答をし……!
「ゆれるぅ! ちょ、はや、とめてぇぇ!」
ダルフ少女の悲鳴も辛うじて聞こえてくる暴風に顔面を打たれながら、エルフの村へと向かう我々一行。この調子なら数時間と経たずに帰れるだろう。
「あ、村の皆のくれたお菓子、おいしいじゃない」
ダルフ少女、もうこの勢いになれたか。素質あるな。




