08話 マミカは、どんなスキルが欲しいの?
ボクが目を覚ますと、抱き枕にしていたマミカはいなかった。
その代わり、朝ごはんを準備する音が聞こえてきた。
食堂に向かうと、マミカがボクに気付いた。
「ゆきお様、おはようございます。
約束覚えていますか?
今日は金貨を稼ぎたいです」
ボクは精一杯の笑顔で答えた。
「うん、覚えているよ。
朝ごはんと食後の休憩を終えたら、ダンジョンに行こうか?」
「ええ、ぜひ。じゃあ、朝ごはんの準備の続きをしますね」
ご機嫌な笑顔を見て、眠気が冷めた。目が覚めた。
ボクは朝のトイレを済ませて、顔を洗った。
ボクが食堂に向かうと、マミカは朝ごはんの準備を済ませて、着席していた。
目を見るとそわそわと期待していることが分かった。
「マミカ、号令お願い」
「いただきます」
「いただきます」
ボクたちは笑顔を交わしてから、同時に食事を始めた。
「マミカの料理は美味しいね。いつもありがとう」
「喜んでくれて、うれしいわ」
食休みのときは、マミカから今日の予定というか目標を聞かされた。
「わたしもスキルが欲しいのだけれど、どれくらい掛かりますか?」
「レベル51になったら、最初のスキルを持てるはずです」
「はず、とは?」
「ボクはダンジョンに入ったときには、最大レベルの999だったんだ」
「まあ、それはすごい。参考にならないわ。
でも、レベル51になったら、どうやって分かったの?」
「【⑦スキル指導者、領地経営】のスキルを使って、調べたんだ」
「それは、助かるわ。じゃあ、くわしく聞きたいけれど、その前にお皿洗いをするわ。
嫌なことはさっさと終わらせたいのよ」
マミカが立ち上がろうとしたのを止めた。
「今回は、ボクが洗うよ」
「まあ、ありがとう。じゃあ、ゆきお様の洗い方を見せてもらうわ」
ボクが皿洗いする横で、マミカはじーっと見ていた。
ボクは台所用の手袋をはめて、食器洗い乾燥機の中にある排水ネットを取り出してゴミを取り出してから洗って、元に戻した。
それから、食器を水で下洗いをしてから、食器洗い乾燥機の中に食器を並べた。
計量スプーンの1/3くらいに食器洗い用の粉洗剤を入れて、電源ON、スタートボタンを押した。
「ふーん、ゆきお様は、そういう使い方をしているのね」
ボクは、マミカのほうを見た。
「えっ? マミカはちがうの?」
「魚の骨とかを取り除いて、油汚れをキッチンペーパーが無かったからティッシュペーパーで拭き取っていたわ。でも、ゆきお様みたいにきれいに洗わなかったわ」
「ああ、そうなんだ。そこまでしてくれたなら助かるよ。
食器洗い乾燥機の中で、汚れが循環するのって、考えただけで嫌なんだ。
というか、食器洗い乾燥機は、80度の高温で殺菌消毒するという仕上げをするための機械だと思っているんだ」
「たしかに、汚れが泳ぐ中に食器を入れるのは、清潔ではないわね。
次から、ゆきお様の方法にするわ」
「ありがとう、マミカ。そうしてくれると助かるよ」
「どういたしまして」
ボクたちは、テーブルに戻って、お茶を飲みながら、ダンジョンに入る前の打ち合わせを始めた。
◇
「コマンド つよさ を見る」
なまえ ゆきお
レベル 999 / 999MAX
たいりょく 999
ちから 999
すばやさ 999
まもり 999
経験値 12年1月
スキル 8/8 MAX
①すべてを鑑定
②検索レーダー
③賢者、呪文全部
④戦士、剣聖
⑤武闘家、拳聖
⑥経営者、商人
⑦スキル指導者、領地経営
⑧心技体、真善美
「コマンド つよさ を見る」
なまえ まみか
レベル 50 / 888 MAX
たいりょく 50
ちから 35
すばやさ 80
まもり 35
経験値 0年1月
スキル 0/7 MAX
①剣士 ※スキルではないよ
ぼくたちは、お互いのステータス、つよさを見せ合った。
「ねえ、ゆきお様、人生逆転ダンジョンって、ステータスがさびしいですよね」
「そうだねえ」
「昔のRPGゲームでも、もう少し、スキルが多いですよ」
「その通りだねえ」
「上級職とか、表示しきれないくらいのスキルが欲しいです」
「いつか来るかもしれない、バージョンアップに期待しよう」
「ですね。読み切れないくらいのレベルアップメッセージを見たいです」
「そうだね」
『最近のゲームは説明テキストが多くて好きじゃないけどな。
どんどん強さのインフレが来て、初期バージョンのキャラクターは戦力外で、つまらない。でも、ここで否定したら、マミカは話しづらくなりそうだ。
まあ、無駄に気まずくなりたくないからな』
ボクはマミカの意見を尊重して、笑顔になった。
「マミカは、どんなスキルが欲しいの?」




