02話 美女マミカを手に入れた
「えーっと、裸族ですか? 家の中ですればいいのに。よりによって、ダンジョンで?」
美女は顔を真っ赤にして、身体のプライベートゾーンを隠しながら、弁解してきた。
「ちがいます。友達と水浴びをしていたら、友達も私の服も消えていたんです」
「そのひとたちは友達ではなくて、味方の振りをした敵だよね?」
「今度こそ、仲良くしてくれると思ったんです」
若い女性は涙目だ。いや、もう泣いているな。同情を誘っているのかな?
「これは、いじめじゃなくて、間接殺人だよね。自分たちの手を汚さずに、モンスターに気に入らない美女を殺させる作戦だよね?
じゃあ、まあ、さようなら!」
ボクは、「さわらぬ神にたたりなし」ということわざを思い出して、その場を立ち去ろうとした。
「ま、待ってください」
若い美女は、大きな胸の桜の花を隠そうともしないで追いかけてきた。
ボクが走っても、走って追いかけてきた。
「い、痛い」
と、美女はその場で座り込んで、足の裏を見ていた。
『仕方ないな』と、あきらめて、美女のもとに戻ってきた。
「傷を見せて、治療を手伝うから」
「は、はい。ありがとうございます」
傷口を見ると、僕の頭の中に対処法が思い浮かんだ。
【③賢者、呪文全部】のスキルを使おう。
ボクは背負いリュックの中から、レジャーシートを出して、その上に座らせた。
美女の足の裏に刺さった木の枝から出たトゲを抜いて、水魔法で洗った。
それから、治療魔法で怪我を治療してあげた。
「すごい、ありがとうございます」
「じゃあ、さようなら。もう追いかけてこないでね」
「まってください。わたしを出口まで連れて行ってください」
「それは、なにが目的ですか? 加害者たちから取れなかった分をボクから取ろうという魂胆、作戦かな?」
美女は必死で顔を左右に振って、否定した。
「そ、そんなことはしません。なんでも言うことを聞きますから」
ボクはプライベートゾーンを隠しながら言う美女を信用できなかった。
「この国は、性交不同意というやっかいな法律があるんだよ。
下手に女性と関わると、どんな冤罪をふっかけられるか分からない」
美女は、ボクをにらんできた。
「わたしを見捨てたら、訴えてやる」
「訴えるなら、キミをだました味方の振りをした敵だろう? ボクじゃない」
美女は、泣き落とし作戦に方針変更したようだ。
「な、なんでもしますから、わたしを助けてください。ぐすん、うわーん」
ボクは泣き出す美女を見て、迷惑に感じた。
『泣き出すなんてズルいな? この美女は何歳だろう?』
ボクは、【①すべてを鑑定】のスキルを使用した。
『21歳か。成人済みだな。22歳のボクの恋人として、年齢だけは釣り合うな。
でも、どうせ彼氏がいるだろうから、助けても報われそうにない。
ダンジョンでの出会いなんて、ライトノベルと動画配信の中だけの話だよな』
ボクは、あきらめさせるために、無理難題をぶつけることにした。
そうすれば、他を当たってくれるだろう。
「そう言うなら、態度で示してほしいな。ボクに損することがないと思わせて、得すると思わせてくれないと無理だね」
美女は覚悟を決めたように、ゆっくりと立ち上がって、胸とおへその下を隠すことをやめて、両腕をハの字型に広げた。
「わたくし、マミカは、あなたの恋人になって、あなたの子供の母になります。
また、あなたの財産やコレクションを侵害しません。
だから、わたしに、あなたと同じ生活と食事、安全を与えてください。
その対価として、わたしの身体をお楽しみください」
ボクは、ライトノベルに出てくる【性奴隷契約】があれば信じてもいいと思った。
そうしたら、頭の中に対処法が浮かんだ。
【⑥経営者、商人】のスキルを使おう。
「じゃあ、ボクの性奴隷になりますか?」
美女はくやしそうに、でも「背に腹は代えられない」という覚悟を込めて、返事をした。
「はい、あなた様の性奴隷になります。どうすれば良いですか?」
ボクは、美女の大きな胸を両手で優しく痛くないようにつかんだ。
「きゃ、な、なにを?」
「あれ、性奴隷になると言ったのに、ウソでしたか?」
「いいえ、ちがいます。本当です」
「じゃあ、身体中のチカラを抜くんだ。
ただし、痛かったり、気持ち悪いときは我慢せずに言えばいい。」
「は、はい。分かりました」
美女は、あきらめたような人生が終わったような顔をしているように、ボクには見えた。
「じゃあ、ボクの目を見なさい」
「こ、こうですか?」
「にらむんじゃなくて、恋人を見るように、優しく見つめなさい」
「は、はい」
ボクは、契約の呪文をとなえた。
「愛の奴隷になあれ」
美女の胸元に、ピンク色の文字が浮かんだ。
ピンク色で、「ゆきお」とボクの名前が浮かんだ。
「自分の胸元を見てごらん」
美女は、自分の胸元を見た。
「ゆきお様ですね。これから、よろしくお願いします」
もうどうにでもなれとヤケになっているように見えた。
「『強制された!』と訴えてやるとか考えているのか?」
美女は首を横に振った。
「このまま、ダンジョンに居たら、オークに犯されるか? モンスターに食われるか? この2択になってしまうわ。
それに、この国は、【性的不同意】という法律があるし、【痴漢冤罪ビジネス】も確かに存在する。 だから、あなたの要求は妥当だと考えているわ。
あと気を悪くするかもしれないけれど、あなたは悪者の振りをしているだけだと思う。 多くの女性は男性になめた態度を取るから仕方ないのかもしれない。
私を置き去りにして逃げようとしたあなただけれど、怪我をした私を治療するために戻ってきてくれた。
あなたが私の胸をつかむときの力加減は優しかった。
だから、理解したわ。あなたは良いひとよ。わたしを裸で置き去りにして、高笑いしているかもしれない私の敵の女どもと比べたら、あなたは、はるかに善人だわ。
『地獄に仏』ということわざを思い出したわ」
その言葉を聞いて、この美女は容姿だけではなく、頭も良さそうだと確信した。
「いい返事だ。ご褒美に、衣服を貸そう。あとで返してもらうからね」
ボクは着替えに持ってきた半そで半ズボンとビーチサンダルを貸した。
美女マミカは、ボクに御礼を言ってから、衣服とサンダルを身につけた。
「ゆきお様、あなたの御力で、わたしのカタキを取ってくれませんか?」




