10話 魔法騎士と魔法陣スキル
「ボクの手助けがいるときは教えてね」
「ありがとう、強敵が出たらお願いするわ」
マミカは、お金、お金とつぶやきながら、ダンジョンモンスターをぶった切っていた。
魔法はほとんど使わなかった。
『やはり、ストレス解消には、直接殴るのがいいんだろうな』
マミカは1か月分の生活費に相当する金貨を稼いだ後は、経験値を選んでいた。
見ているだけのボクも同じパーティとして、戦闘報酬が手に入った。
でも、経験値にはならないので、金貨を選んだ。
さらに、しばらくすると...
「ゆきお様、レベルがあがりました。
スキル選びについて、教えてください」
ボクがマミカのウィンドウをのぞくと多くの選択肢があった。
「職業は、絶対いま流行りの魔法騎士ですよね」
「そうだね。良い選択だと思うよ。最初に使うスキルをどれにするかだね」
「やっぱり、魔法陣ですよ。味方にバフを、敵にデバフをかけるスキルが欲しいですね。この中から、それに近いスキルはありますか?」
ボクは、リストを見た。
【サキュバスレイヤー】
半径10mの魔法陣を描く。魔法陣内に入ったダンジョンモンスターのオスたちと、人間の男性たちから元気を搾り取り、自分の元気にできる。
ただし、満たされていたり、理性が高い個体には効果が無い。
「この【サキュバスレイヤー】がマミカの希望に近いと思うよ」
「そうね。いいと思うわ。
でも、サキュバスと元気が指すものって、あれよね?」
「そうだと思うよ。
マミカ、あと5分くらいで近づいてくるパーティがいる。
見つかると面倒だから、移動しよう」
「わかったわ。
その前に、スキル習得だけはさせてね」
「移動の方が先だと思うけど」
「スキルを習得する前に、戦闘になったら、宝の持ち腐れよ。
すぐ済むって」
「もう、知らないよ」
マミカはスキルを身につけた。
「コマンド つよさ を見る」
なまえ まみか
レベル 51 / 888 MAX
たいりょく 52
ちから 36
すばやさ 80
まもり 36
経験値 0年1月
スキル 1/7 MAX
①魔法騎士 サキュバスレイヤー
「やったね! ゆきお様のおかげよ」
「おめでとう。じゃあ、早く移動しよう」
ボクたちが移動しようとすると、いつの間にか囲まれてしまった。
4人パーティが3組、全員男性だ。
ニヤニヤと嫌な笑いを浮かべている。
「おい、にいちゃん。そこの綺麗な姉ちゃんを置いて、どっか行けよ」
「断る!」
「こんなダンジョンの奥までは俺たち以外は誰も来ねえよ」
「逃げるよ!」
12人の男たちは、時計の数字のような配置で、囲もうとしてきた。
「隙間があるうちに急いで逃げよう」
マミカが小声でささやいてきた。
『ゆきお様なら、余裕で勝てるでしょ! どうして、逃げるの?』
ボクは小声で答えた。
『できる限り、殺したくないんだよ』
マミカは不思議そうな顔をしていた。
ボクたちを取り囲んでいた男性たちのリーダーが笑い出した。
「その美しいお姉さんは、少し頭が足りないみたいだな。
でも、その方が都合がいい。
みんな、一斉にかかれ!」
ボクは、もう全員、倒すしかないと思った。手加減はするけれど、大怪我をされてもいいやと開き直った。
迫りくる敵の男性12人全員が、ボクたちの半径10m以内エリアに立ち入ったとき、マミカはニヤリと笑った。
「【サキュバスレイヤー】」




