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3日が過ぎて実技テスト開始の当日、俺は寮を離れてノースとの待ち合わせ場所に向かう。といっても学校の門の前だが…。時間よりは10分ほど早いが、待たせるよりかいい。と、思っていたがノースは先に来ていた。いかにも不良そうな格好の男達に囲まれて。赤いバラだから3年生か。それにしてもノース、可愛ええなぁ〜。明るい色の服の上から、カーディガンを羽織って、下はスカート。まさに、天使降臨!!
「君、可愛いね。名前なんてゆうの?俺達これからテストだからさ、応援してくれない?」
先輩Aが言う。
「ご、ごめんなさい。今日は友達と待ち合わせをしていて…。」
ノースは断る。これで引いてくれたらいいんだけどな。ダメだろうな〜
「そんな事言わずにさ、絶対後悔させないから。」
なんのこっちゃ。てか、そのニヤニヤした顔やめろ。
「あ、先生。ここで3年生の先輩が1年生の女の子を囲んでます。早く来てください。」
声を張り上げて嘘を言う。
「くそっ!先公が来る前にずらかるぞ。」
効果は抜群だ。先輩Aが指示をすると、
「へいっ!」
と他の先輩BとCが元気の良い返信をして逃げていった。リアルに効くんだな、これ。
「ノース、何かされなかった?」
「あ、リオル君!ありがとう。大丈夫だよ。ちょっと怖かったけど。」
良かった、良かった。
「すごいよね、3年生を相手にできるなんて。」
「相手にするなんて大袈裟だよ。それに、あのままノースが連れて行かれでもしたら、今日の予定が狂っちゃうからね。」
「そ、そうだね。」
「さ、行こ!まずはバイクの材料の買い出しからにしようか。」
俺がそう言うと、
「えっ!行くって2人きりで?」
え…?ずっとそう考えてたんですけど。でも、冷静に考えたらそりゃそうなるな。あぁーせめてアルルとかミレイとか誘っておくべきだったぁ!
「や、やっぱり男と2人きりはまずいよね。ご、ごめん考えなしで。」
「い、いや。平気だよ。大丈夫だから。行こう。“2人きり”で。」
え、いいのか?やけに2人きりを強調された気がするがスルー。
「ノースがいいなら…。じゃ、じゃあ気を取り直して行こうか。」
くそー。そうじゃん。2人きりじゃん。もっと服装考えればよかった。ジャージは無いだろ。何してんだよ俺!
☆
王都の街は、平日にもかかわらず、すごく賑わっていた。人の多さもさることながら、商店の多さはほかの街をはるかに上回っているだろう。
「すごいな。どの店も品質がいい。」
「それはそうだよ。なんて言っても王様のお膝下だから、粗悪品を出したら下手すると廃業だってありえるよ。」
ノースは当たり前のように言った。
「ノースはこのへんについては詳しいのか?」
「うーん、正確にはこんな感じのところに詳しい、かな?ほら、私ってハーフエルフだから、血統を大切にするエルフには邪魔者でしかないんだよ。だからいろんな街を転々としてるんだ。」
確かに、前の世界のゲームとかではエルフって孤高のイメージがあったからな。
「ノースってエルフ族追われてるのか?」
「ハーフエルフはエルフの中では人であっても同族ではない扱いだから、不干渉だよ。ただ、私のお母さんは「エルフの恥だ!」とか言われて未だに追いかけられてるよ。」
なにそれ、怖いなぁエルフ。
「ま、私のお母さんはそんなやわじゃないし、そもそもハイエルフだから普通のエルフでは手も足も出ないよ。」
うわぁお!ハイエルフってあれだよな。禁術を使って寿命が縮んでもなんとも思わない種族の…。
「ノースの魔法の才能って母親譲りなんだな。」
「そうでもないよ。お母さんに教えてもらった魔法は未だにできないから。」
「そうなのか?ちなみになんてゆう魔法だ?」
「確か『輪廻回帰』とかだったかな。死んでも魂を持ったまま、次の肉体に宿るって説明された。」
つまりはあれか?俺みたいに記憶を持ったまま転生ってことか?そんな魔法、クルーナ先生に読まされた本にはなかったよな。とゆうか絶対に禁術の域だよな。
「ノース、その魔法は基礎も出来てないのに使える魔法じゃないから安心しろ。」
「そうなの?お母さんは他人を生き返らせるよりは、自分の体を弄る方が簡単だって言ってたから、そんなに難しくはないと思ってたよ。」
そらそうだろうね。死者蘇生ってそんな簡単にされたらたまったもんじゃないよ。
「とにかく、ノースには才能があるんだから頑張れよ。」
「へへ、ありがとう。」
出ましたノーススマイル!本気カワユス。
「と、よし。バイクの材料はこんなもんでいいかな。次は組み立てるとしますかね。」
所持金が飛ぶように消えた。ま、ノースのおかけで大分まけてもらえたけどな。
「どこで組み立てるの?」
「そうだな、寮の庭でも借りるか。」
あそこ結構広いし。
「はーい。じゃぁ戻ろうか。」
こうして俺達は寮に戻っていった。
………………。
「リオル君とノースちゃんのデートは進展無しか。リオル君はせっかく2人きりになったのに押しが弱いな。もっと強気でいかないと!」
「ねえ、ミレイ。2人のことはいいから僕にもかまってよ。せっかくのデートなんだから、物陰に隠れて他の人の尾行しなくてもいいんじゃないかな?」
「はいはい、アルル様。でもこれは大切なことなんですよ。あの2人が結ばれる段階をこの目で見届けなければならないのです。今日は収穫がありませんでしたが、次こそは必ず!」
「そのセリフ、敗戦の兵士みたいだよ。「次こそは必ず敵将をとってやる!」みたいな。」
「それくらいの気持ちが必要とゆうことですよ。」
「な、なるほど。」
こんな会話をしてバレバレの尾行をしている輩もいたが、無視しても大丈夫だろう。




