第三章 本懐の実行及び法的効果
※本作はフィクションです。
作中に登場する「本懐法」その他の法律・制度・行政手続等は作者による創作であり、実在する法律・制度ではありません。
また、実在する人物・団体・事件等とは一切関係ありません。
〜本懐法 第10条〜
本懐の認定と罪の限定的免責
本懐の認定は、本懐実行者による本懐の完了の申告及び第三者による本懐の完了の確認をもって、本懐確認者が書面化した事項を、当該事件を審判した裁判所に報告し、当該裁判所の決定により行う。
2 前項の規定により本懐が認定された場合であっても、本懐実行者に対し刑事上の責任を問わないのは、本懐申請書に記載された本懐の内容及び当該内容の達成に不可避に伴う最小限度の行為の限度におけるものに限られる。申請書に記載のない身体の部位(例えば左腕について記載された場合の右腕)、申請書に記載のない期間、日時又は回数(例えば3日について記載された場合の4日目)及び申請書に記載のない方法又は態様に対する行為は、いかなる意味においても本懐の達成に不可避に伴う行為とは扱わず、第11条の規定により処罰する。
3 前項の規定により、申請書に記載された内容に限り、本懐実行者の民事上の責任は、本懐が認定された場合であっても免責される。
4 第1項の「第三者」とは、本懐実行者本人以外の目撃者又は当該現場の証拠若しくは記録により、本懐実行者が本懐を達成したことを間違いなく認定するに足る資料を提供した者をいう。
5 第4項の第三者の選定は、本懐確認者が候補者を挙げ、本懐実行者が当該候補者の中から一人を選択する。
6 本懐の達成後に本懐対象者に残された身体又は遺体の取扱い(放置、移送、隠蔽、埋葬、焼却、損壊、所持その他当該取扱い一切を含む。)は、本懐申請書に当該取扱いについての記載がある場合を除き、本懐の達成に附随する行為として免責されない。当該取扱いが本懐の内容に記載されていない場合、その行為は死体損壊、遺棄その他適用される法令の規定により処罰する。
〜本懐法 第11条〜(Case9-9)
申告外の被害
本懐の実行によって本懐実行者が本懐申請書に記載された本懐の内容を超えて本懐対象者に危害を加えたときは、当該行為は通常の犯罪として処罰する。
2 本懐の実行に伴って本懐実行者が本懐対象者以外の第三者に危害を加え、又は第三者の財産に損害を加えたときも、当該行為は通常の犯罪として処罰する。
3 本懐対象者以外の第三者が被った損害については、本懐対象者に対する損害賠償の請求を妨げない。
〜本懐法 第12条〜(Case2-9)
本懐の期間
本懐の期間は、特別な事情がある場合を除き、設けない。
2 第5条の記載内容中に申請者自ら期間又は実行の時期を記載したときは、その記載のとおりとする。
〜本懐法 第13条〜(Case2-4)
資格の失効
次に掲げる場合には、本懐実行者の資格は失効する。
本懐実行者の資格の失効は、当該事件について再び申請することができないものとする。
一 本懐申請書に申請者自ら記載した期間内に達成しなかったとき。
二 本懐申請書に故意に虚偽を記載をして資格を得たとき。
三 本懐実行者が申請した本懐の内容の変更又は撤回を申し出たとき。
四 本懐を達成する前に本懐対象者が死亡したとき。
五 本懐を達成する前に本懐実行者が死亡したとき。
六 その本懐の対象となる事件について、他の者が本懐を遂げたとき。
〜本懐法 第14条〜(Case8-3)
資格の停止
本懐実行者の資格を一時的に停止する場合とは、第5条第2項第四号の行動開始日等が認定日と著しく相違していた場合において、その行動開始日時までの間に限る。
2 前項に定めるほか、対象者の再審手続の進行、国外への逃亡、これらの事由については本懐実行者の資格の停止し、又は当該資格に基づく義務を免除する。
3 前項に定める事由による場合を除き、対象者の意識不明、身体の著しい劣化、所在不明、行政による身分若しくは国籍の変更、心身の状態その他いかなる事由があっても、本懐実行者の資格を停止し、又は当該資格に基づく義務を免除しない。
4 第2項の規定により資格が停止された場合において、その事由が消滅したときは、本懐実行者の資格は継続し、本懐の達成義務は中断しないものとする。
5 本懐実行者が、本懐対象者の所在の判明及び確保について第26条の規定により警察その他の公的機関への照会、文書の開示請求、面談の申出その他の行為を行うことは、第14条の規定により資格が停止している間においても、これを認める。




