セナル・アックスに込めた想い
僕らは大きなものを失った。ある者にとっては師匠。またある者にとっては、日焼けサロン店の主。
マスは、光の民と闇の民、双方が争うこと、いや、自らの師匠が壊れていくのを黙って見ていられなかった。
一撃を負わされた時、すでに師匠の心は闇に堕ちて、もう戻ってこない。
それを実感した。
愛と共に槍を突き刺し、自らの手で終止符を打った。早く気づいて寄り添えなかった痛みを受け止め。
その愛が闇を祓い、伏死見は最期にセナル・アックスの秘密を告げた——。
最初に声を出したのは、遠野だった。遠野には先輩にはない物。若さがあった。
どんな悲惨な未来でも、前だけを向ける力とも言える。
「伏死見が望んだこの世界を、こんなところで諦めて無駄にするわけにはいかない。マスの決意を無碍にしてはいけない」
遠野は若かった。若すぎるとも言われ続けた。それでも、この瞬間の彼の言葉には深さを感じた。
「そうだよ」
三浦がセナル・アックスを掴んで立ち上がった。
「店主の愛したこの世界。守りたい」
「じゃけん、鈴木先輩を取り戻して、騎士を倒しましょうね!」
威勢よく遠野は言った。
みんな顔を見合って頷いた。
目指すは咆哮の騎士!
◇
ぱからん、ぱからん
彼方から蹄が地面を叩く音が近づいていた。
次回『帰ってきたあの男』いいよこいよ!




