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YAJU &U  作者: フービィ


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10/15

囚われし野獣

 ダンダンダンダン!


 長い階段を登り切り、ついに僕ら一行は鈴木邸屋上へと辿り着いた。


空には、真夏の昼間らしくない美しく艶やかな満月と、闇が吹き出し、コントラストを生んでいた。


鈴木先輩はぶら下がる檻に囚われ、騎士への咆哮を続ける。


 呼吸を整え、騎士に近づく。

お互い無言で武器を取る。満点の星が煌めく。その瞬間戦いは始まった。

檻の中の鈴木先輩は、怒りの咆哮を続ける。


「ヌッ!フッ!フッ!ああああああぁああああぁぁああああああああああ!」


 騎士へ攻撃を続けながら、僕らは気づいた。今までずっと。最年長の鈴木先輩に負担をかけすぎていた事に。

   先輩の心にも寄り添えていなかった事に。


騎士はあまりにも早かった。僕は呪文を唱えた。

「カワイイナァ・大地君!」

地面が割れ、騎士は片手を地面についた。

協力もまた、愛である事を思い出した。


三浦先輩は、(セナル・アックス)で騎士の肩を粉砕する勢いで。

それでも、力任せではなく、仲間を、世界を守るための行動の様に見えた。

愛の力で騎士の漆黒の鎧は砕け、肩が露出した。


月明かりを反射するほどの()()()()が見えた。


一瞬僕らの脳裏にある人物がよぎった。


騎士はその瞬間を見逃さなかった——。

騎士は、片手で肩を押さえたままだったが、僕たち二人の急所を的確に、強力に切り裂いた!


「ンァァァ!」

あまりの痛みに意識を失いかけた。三浦先輩は僕を支えてくれた。


騎士が迫る。

僕らの首元に、蛇の様に長く、湾曲したサーベルを錬成して突きつけた。


次回『真夏の騎士(よる)の夢』


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