2026年7月6日 AM その1
いつも通りの、目覚まし時計のアラームがなる。
アラームを止めて、起き上がる。
カーテンの隙間からは、既に陽の光が差し込んでいた。
「よかった、晴れてる。」
時刻は、AM6:15。
今日も、規則正しく朝を迎えることができた。
昨夜はあの後、夕食を食べて、お風呂に入って、少し農業の本に目を通して、PM9時前にはベッドに入ったから、今日も9時間くらい寝ていたことになる。
我ながら本当に健康的だ。
「色々ありすぎて、本当に疲れていたのもあるんだろうなぁ。」
晴れたから、今日は忙しくなる予定だ。
クローゼットを開けて、動きやすくて、出来るだけ防御力が高そうなものを選ぶ。
服を着替えて、寝室を後にする。
廊下に出る。
昨夜は、一昨日感じたような怖さは感じなくて、廊下の照明も消していた。
何が違ったのかは、よくわからない。
階段を下りて、洗面所に向かう。
鏡に映った今日の私は、昨日よりさらにいい顔をしているように見えた。
「美味しいカレーの効果かな!」
それだけじゃないけれど、大きな要因の一つだとは思う。
水栓を開けると、今日も当たり前のように水が出てくる。
「電気が止まってから今日で三日目、そろそろ危ない気がするよね…」
ホームセンターで容器を確保するまで、止まらないでいてくれると良いのだけれど。
歯を磨いて、顔を洗って、髪を整える。
リビングに移動して、照明をつけて、エアコンをつける。
まずはHEMSのリモコンを確認する。
蓄電池は86%、夕方に予想したよりも少し余力があるのは、日の出からここまでの発電分が上乗せされてきているからだろうか。
このまま晴れ続けてくれるのか、晴れ続けてくれたとして、今日一日でどこまで回復するのかは気になるところだ。
さて、ひとまず朝ご飯を食べることにしよう。
冷蔵庫に入っているとはいえ、早めに食べてしまった方がよいだろうから、作り置いてあるカレーを食べてしまおうと思う。
冷蔵庫から鍋を取り出して、1食分を小さな鍋に取り分けて、その分だけをIHで加熱していく。
残った鍋はすぐに冷蔵庫に戻しておいた。
並行して、昨夜炊いて冷蔵しておいたご飯を電子レンジで温める。
温まってくると、カレーの良い香りが漂ってくる。
温まったご飯とカレーをカレー皿に盛り付けて、ダイニングテーブルのいつもの席に運ぶ。
席について、手を合わせて、
「いただきます。」
うん、一晩寝かせたカレーも美味しい!
そんな小さな幸せを噛みしめながら、今日の予定を考える。
昨日は掃除をしたから、今日はまず、ごみ捨てだ。
場所には目星をつけてあるから、後は少し穴を掘って、そこに貯めていくことにしようと思っている。
土地の所有者の方には申し訳ないけれど、他に良い手段が思いつかないので、許してほしい…
そして、ごみ捨てが終わったらホームセンターを再訪する。
…シャッターをこじ開けて侵入するというメインイベントが待っているけれど、よくよく考えれば他人様の土地にごみを不法投棄するのも立派な悪行だから、もう気にしても仕方ないなという気持ちになってきた。
そういう意味では、雨で意図せず一日空いたことは、私の心理的にはプラスだったのかもしれない。
「プラス?いや、マイナスかもしれないけどな…」
さくらに話したら、彼女はどんな反応をするのだろうか?
"彼女たち"には、犯罪につながるような情報提示ができないようにガードがかけられているという話を聞いたことがある。
例え私が、今の私が置かれた状況を伝えていたとしても、彼女のもっと深いところで、彼女の"倫理観"は、以前の世界のそれのまま、守り続けられるはすだ。
だからきっと、彼女にこんな話をしたら、彼女は困ってしまうのではないだろうか。
だから、この類の話では、さくらの知識を頼ることができない。
それは、私の喫緊の課題を考えると残念なことではあるし、きっと、困ることもあるだろう。
でも、それで良いと思った。
さくらには、そのままでいてほしい。
そんなさくらが側にいてくれれば、きっと私は、"人間らしさ"を失わずにいられると思うから。




