2026年7月3日 AM その5
道なりにしばらく進むと、先ほどの最寄りのスーパーよりも大きな駐車場が見えてくる。
こちらの駐車場には、いくらかの車が停められていた。
日中にしては車の少ない駐車場の隅を通って、店舗の入り口に向かう。
予想通り、シャッターは閉まっておらず、照明もついているのが見える。
自動ドアが開いて、中から冷房の効いた冷たい空気が流れだしてきた。
見慣れた明るい店内に、普段通りの店内放送が流れている。
以前にコンビニでセルフレジの声を効いたときにはホッとしたのに、時折店内放送に入る売り込みの声は、なぜだか不気味な感じがした。
とりあえず、カートに買い物かごを載せて、店内に入る。
入り口を入ってすぐには、多くのスーパーがそうであるように、果物・野菜類から始まる生鮮食品コーナーがある。
進みはじめてまず思ったのは、想定していたよりも並べられている商品に痛みが少ないということだった。
いくつかの包装されている商品を手にとって、製造日と賞味期限を確認して、すぐに納得する。
情報量が多すぎて時間感覚がおかしくなっているし、自宅の冷蔵庫の食品にトラップされすぎていたなと反省した。
「放置されてからまだ2日しか経っていないんだから、空調が効いていれば簡単には傷まないよね。」
根菜類や皮が残っている果実類、きのこなどはよほど環境が悪くなければ常温でも1週間以上保つものも多い。
冷蔵のものでも、カットされた葉物野菜や果物には変色が見られるものもあったけれど、そうでないものはまだ数日は保ちそうだった。
続く魚介類や肉類のコーナーは、いかに冷蔵状態が継続されているとはいえ、さすがに厳しそうだ。
「これは、もう少したら腐りはじめて、匂いも出始めるんだろうな…」
と思う。
将来のことを考えると匂いが移りそうなペットボトルの飲料などは、早めに生鮮食品コーナーから遠ざけておいたほうが良いのかもしれない。
意外にも使えそうだったのは加工食品のコーナーで、冷蔵だが真空パックにされているハムやチーズ、厳重に封をされたヨーグルトなどの乳製品は、改めて見ると賞味期限が1ヶ月以上先のものもある。
「冷凍が主力と考えていたけれど、冷蔵商品もある程度確保できそうなんだね。」
と、選択肢が広がる。
何より、冷蔵庫には空きスペースがかなりあるので、活用できるなら有効に活用したい。
内側の棚もひと通り見てみる。
まずは今日一番の目標にしていた冷凍コーナーを眺めていく。
調理済みの冷凍食品は結構かさばるから、あまり量を保管できないよなぁと思いながら進んでいくと、冷凍コーナーの端にそれはあった。
野菜や肉類、魚介類をカットしてそのまま冷凍したもの。
「これだ! これなら包装が簡素な分、量を確保できる。賞味期限も半年以上先。これと、冷蔵の加工食品を確保できるだけ確保しておけば、少なくとも何週間かはかなりまともなものが食べられそうだよ!」
冷凍庫だけでは、日持ちはともかく量が置けないので、そんなには持たないだろうと思っていたのだけれど、これは嬉しい誤算だ。
電力供給が断たれるまで家にこもる、という選択肢を取らなかった自分を褒めようと思う。
他にも、缶詰は当然として、いわゆる乾物、しいたけや切り干し大根、海藻類を乾燥させたものもや、一部の菓子類については、常温でも半年以上保存できるものがあることが分かった。
食料事情が思っていた以上に明るい反面、
「これは、何度か往復する必要があるかもしれない…」
運ぶのは、思っていた以上に、大変になりそうだ。




