キレイになるせんとう
長らくお待たせして申し訳ありませんでした。
ようやく落ち着いてきたので、更新再開です。
「は~、美味かった」
皆おかわりのラッシュだったが、二日目の為に残さねばならないのだ!――と制限した。
実際、俺なんかは満腹する事などないだろうし、クルもその気になれば相当量入るはず。 キリンとしーしーちゃんは人並み――もちろんサイズに見合った――の胃袋らしく、「「もっと食べたい(ですよ)~」」と言いつつ、ぽんぽこりんのお腹を抱えてリタイアしていた。
『あたし、まいにちこれでいいー!』
「賛成ですよー」
((ぷるもー!))
――初めて食べたらこうなるよなあ。
それに自分たちで作ったという経験も美味しさにプラスされてるだろう。
「だが断る!」
『ぶー』
「横暴ですよー!」
((ごしゅじん、さいこうをー))
「キリンも何か言ってくれよ」
「私?」
お子様組――しーしーちゃんは種族特性というか、嘘が吐けない性格になっていて、本能とか欲とかに素直な行動を取る事が多くなっている――にもみくちゃにされてる俺をによによと見ているキリンに振ってみる。
「作る側からすれば、カレーでいいって言うのなら楽だから歓迎だわね」
――おい!
『やったー!』
「これはもう、決定なのですよー」
((かんきのまい))
わが意を得たりとはしゃぐお子様組、ぷーちゃんはふしぎなおどりを踊った!
「でも私は毎日カレーは勘弁して欲しいから、おにーちゃんと2人分だけ別メニュー作るわね」
「そういう事なら俺も賛成かな」
「お陰さまで、料理スキルが上がってるから、今まで作れなかった料理にも挑戦出来そうなのよね」
「そいつは楽しみだな」
「『((…………))』」
「おや? どうした?」
急に静かになったお子様組に訊いてみる。
((ぷるは、はんぶんずつになって、りょうほうたべるのです。 あじみはだいじ!))
と、ぷーちゃんが半分だけ裏切ると――、
「よくよく考えると、しー姉はいく兄と同じものが食べたいと思うのですよー」
と、しーしーちゃんが食欲に忠実に続き、
『あたしも……おとーさんといっしょのがいい……』
と、言い出しっぺが折れたことにより、ここに「毎日カレーが食べたい同盟」は瓦解したのであった。
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『うわー! ひろーい!』
「ちょっと! 何考えてるのよ!」
「お風呂に島があるですよー」
((ねつの、かんどと、すいぶんの、きゅーしゅーりつを、ちょーせいするー))
新たに作り直した大浴場を見たみんなの第一声である。 ぷーちゃんはマジメか!
湯舟はざっと10メートル四方で、真ん中に岩山を配置して背もたれに出来るようにしてある。 こうすれば、縁で横に並ぶよりは気楽に入れると思ったのだ。
その少し前、脱衣場に入るときにぷーちゃんが、
((ごしゅじん、ひとりだから、ぷるはごしゅじんといっしょなのー))
と俺と一緒に男用に来ると言い出し、そうすると――、
『あたしもいっしょがいいー』
と当然クルが続いてひと悶着あった。 いや、クルは一番一緒がダメな娘でしょ。
結局、まだひとりで上手に着替えが出来ないぷーちゃん――さっきはキリンが苦労しながら手伝ってた――ということで、結局俺が着替えさせることになった。
クルはぶーぶー言ってたが、
「お姉ちゃんらしくぷーちゃんを着替えさせられるようになって、そっちに引き取ってくれよ」
の一言で張り切っていたから大丈夫だろう。
お風呂では、誰がぷーちゃんを洗ってあげるか? で女子達が火花を散らす事になった。 当のぷーちゃんは、((ごしゅじんがいいのー))とか言っていたが、主にキリンの眼が怖かったので勘弁してもらう事にした。
ぷーちゃんの行方は、公平にじゃんけん――クルとしーしーちゃん(どうやって洗うつもりなんだか)にはルールから説明する事になったが――の結果、クルが勝ち取った。
文字通り丸洗いされてくすぐったそうにしていたぷーちゃんだったが、((おかえしなのー))と言うと、その髪の毛を伸ばしてクルに絡みつかせると、そのまま全身に這わせていく。
どうやら汚れや角質なんかを「食べて」いるようなのだが、絵面的には「触手に絡みつかれる美少女」そのものな訳で、慌ててキリンが俺の眼を塞ぎに来た。 、 。
クルには悪いが、ぷーちゃんグッジョブ! と心の中で褒めておいた。
効果のほどはてきめんで、見違えるほどお肌の艶が良くなっていた。 さすがにキリンも「今度おにーちゃんが居ない時にお願いしようかしら」と、零していた程だ。
俺? 俺は遠慮させてもらう。 悶えるおっさんとか誰得なんだ?
とまあ、家族との裸の付き合いを楽しむ余裕も出来てきた。 。
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今夜はしーちゃんとお話しするからと、クルもみんなと一緒に寝室で寝てもらう事にした。 全員が並んで寝られるようなキングサイズのベッドも設置してある。
ぷーちゃんにどうするのか訊いたら、皮膚の質感だけをスライムモードにして、抱かれ枕役をするのだそうだ。
俺は久しぶりに【メニュー】を開き、片隅のアイコンモドキを意識する。
―〈神域にアクセスしますか?――ハイ/イイエ〉―
――ハイ。




