まったり?
例によって遅くなりました。 すみません。
『おとーさん、どーしたのー?』
――む。 クルに余計な心配をさせてしまうな。
「だ、大丈夫。 ただの致命傷だから」
「それ、大丈夫って言わないでしょ!」
――いや、「あの日」とか「当時」とか、遠い昔みたく言ってみたけど、昨日の事なんだぜ?
おとーさんは昨日娘のパンツになりました。
文字にすると死ねるな……【メニュー】さん? ホントに文字にしないで下さいね? フラッシュとか横スクロールとか、無駄にかっこいい演出は心を抉るので止めて下さい。
「本当に大丈夫だから! それより取り敢えずリビングだけ先に整えたんだけど、どうだ?」
「いいん……じゃない? 前の部屋もそうだけど、割と渋めのチョイスよね」
「ここはマスター権限で通させてもらおう。 そりゃ俺以外女の子ばっかだけど、ココをピンク色やらエスニック風やらロココ調やらでゴテゴテにされたら落ち着かないからな」
「女の子の部屋に変な偏見を持ってそうね……」
――仕方ないだろ。 見たことねーよ。
「私はこれでいいと思うわ。 実際落ち着くしね」
『ごつごつしてないからすきー』
「白一色じゃないから、みんな新鮮ですよー」
(ごしゅじんのー)(せんすが)(ひかってるー)
しゅぴ! と手を上げてぷーちゃんも肯定してくれる。
「じゃ、リビングはこれでOKとして、ご飯にしようか。 ダイニングやキッチンはまだだから今まで通り俺が出すぞ」
「「『はーい』」」
 ̄l ̄
 ̄l ̄
「「『ごちそーさまー』」」
今日のお昼――基本1日2食なので朝昼兼用だが――は各種まんじゅうを取り揃えてみた。 肉まん、あんまん、ピザまん、カレーまん……
しーしーちゃんはどうしようとか思ってたが、イメージ次第で大きさは自由に変えて出せるようで、みんなと一緒にはくはくと美味しそうに食べていた。
―〈ボクもしあわせですぅ〉― とはしーちゃんの弁。
今は食後のお茶と饅頭でまったりしている。
「いやいや、美味しいご飯が出せるのも、みんなのお陰だからな? DPごちそうさまです」
「改装で結構使ったんじゃない?」
「それでも半分ちょいで済んでるよ。 この後内装でもうちょい減るけどな」
「こんだけの大工事やって半分ちょいで済んじゃうって相当ね」
「1日の収入が多いんだよ。 ざっとだけど、クルが+960、しーしーちゃんが+440、キリンが+30――少ないように思うだろうけど、キリンの主食が生命力=DPだから相殺されてるからな」
「ピンと来ない数字だけど、きっと凄いんでしょうね」
(ぷるだけ)(まいなすで)(((ごめんなさーい)))
ちなみにぷーちゃんは-5、迷宮産の魔物は維持費が必要なのだ。
〈気にすることはないさ。 ぷーちゃんがいなかったら俺は今でも手足の無い不自由な生活を送ってる筈なんだから〉
「ちなみに、キリンに一部権限を委譲してるけど、DPのスキル熟練度への流用は制限ないからな」
「それ、ひょっとして……」
「キリンもスキルがポンポン生えるようになった。 ってことだな」
「それで……か」
「なんだ? もう何か生えたのか?」
「えっと……」
キリンが何か言いにくそうにしてる。
『おとーさん、ごめんなさーい』
「ん? なんでクルが謝るんだ?」
「クルちゃん、言わなくていいのよ」
『おねーちゃんおとしちゃったのー』
――なぬ?
「さっき空中散歩に行った時か?」
「ええ、私が調子に乗ってスピード上げてもいいわよって……」
「予想以上に速くて振り落とされたと?」
「せめて落ちるスピードだけでも緩めようとダメもとで飛ぼうとしたら、熟練度どーたらで【飛翔】を取得しましたって」
『あわててもどったら、おねーちゃんがとんでたのー』
クルの背中に乗ってるだけにしては妙に楽しそうだと思ったら、キリンも一緒に飛び回ってたようだ。
「という訳で私は何ともなかったから、クルちゃんを叱らないであげてよね」
「もう自分から謝ってるしな。 けど、一つ間違ったらおねーちゃん死んじゃってたかも知れないんだから、人を乗せる時はスピードを上げないようにな!」
『はーい……』
「分かればよろしい」
しょげてしまったクルの頭を撫でてやる。
「さて、まだまだ弄るところはいっぱいあるから、順番にやっていこう! 意見や希望があったらどんどん言ってくれ」
「分かったわ」
『はーい』
「ボクもです?」
「もちろん!」
「りょーかいですよー」
 ̄l ̄
 ̄l ̄
「さすがに疲れたな……」
「お疲れ様」
キリンがコップに入った搾りたてのフルーツジュースを渡してくれる。
「さんきゅ」
「まー、その疲れの大半は私が原因みたいだし……」
そう。 一番時間とDPを食ったのは、キリンの作業部屋だったのだ。 とにかく予定していた改装は無事に終わり、俺たちはリビングに集まっている。
「そうそう、しーしーちゃんに訊きたいんだけど」
「なんですー?」
「しーしーちゃん、自分で服を出してただろ? それってどうやるのかなって」
「しー姉もそうですけど、身体から溢れ出てる神気をイメージで固定化してるですよー」
「やっぱりイメージなのか……」
「クルちゃんの服のことね?」
「そう。 クルが龍化を解いた時に裸になったりノーパンだったりするのをなんとか出来ないかってね」
――ノーパンっていうか、パンツはあるのに穿いてないという……
「ボク、パンツ穿いてなかったですよー。 ノーパンはダメだったですー?」
――おい!
「造ったのは服だけかよ?」
「見えてなかったし、気付かなかったんだから別にいいんじゃない?」
「こら、ノーパン文化を広めるんじゃない!」
「なんなら私も――」
なぜ脱ごうとしてるんですかこの娘は!
「そんなことをしてみろ、サブマスター解任するぞ」
「あー! うそですうそです! じょーだんだってば」
膝まで降ろしておいて何を言うか……
「ともかくだな、クルも種族的には亜神で半分神様みたいなもんだから、出来るとは思うんだよ」
『あたし、もーっとれんしゅーするのー』
「龍化時に光の粒子っぽいのも出してるから神気も持ってると思うし、そっちの方向で練習してみたらどうかなって」
ドラゴンだから魔素ってイメージだったが、神気の方がうまくいくような気がする。
「う~ん、言葉でうまく伝えられるかどうか分からないですー、しー姉とも相談してみるですよー」
「頼む。 ただし、パンツを忘れるなよ」
「もう穿いてるですよー」
――それを是非とも教えてやって下さいな。




