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やわらかいもの

すみません。遅くなりました。


 ばしゃー


『ぷわー!』

「もうちょっとだから、コレでお顔拭いてジッとしててね」

『ふぁーい』


 どうやら隣の準備もほぼ終わるようだ。 途中で『れんしゅう?』とか「およめさんに――」やら「これならイチコロよ」やらイロイロ(並列意識が)聴いた気がするが、俺には聞こえてないから気のせいだろう。


「おにーちゃん」

〈なんだ?〉

「先にクルちゃんの背中を流してもらってもいいかな?」

〈そりゃまた、どうして――って髪の上げ下げか〉

「察しが良くて助かるわ」


 前に垂らしたままだと俺の背中を流すときに邪魔だしな。


「じゃあクルちゃん、そのまま左を向こうか」

『はーい』

「おにーちゃんもね」

〈はいよ――ん? のわ!〉


 向きを変えた俺の目の前で黒いハートが振り振りと揺れている。


「何変な声だして――」

〈あ、こら! 振り向くな!〉

「なんなのよ――ひゃ!」


 俺はその場で回ろうとしたキリンの身体を押さえて止める。


〈おまえは自分も素っ裸だって事忘れてるだろ?〉

「え? あ!」


 ようやく気が付いたのか、キリンがススッと横に動いてそのまま俺の後ろに回る。


「見た……よね」

〈目の前におしりが突き出されてたら不可抗力だろ?〉

「しかも触った……」

〈いくら幼女とはいえ、至近距離で()を見るのは勘弁願いたいからな〉

「その時は私もじっくりと見せてもらうけどね」

〈おい!〉

「別にジョーダンって訳でもないわよ? でないと私大きくなれないんだし。 ( 覚悟も決めないと) (いけないしね)


 ――なんか良い方法は無いんだろうか……


『おとーさん、まだー?』

〈あー、ごめんごめん。 今から洗ってやるぞ〉

『わーい』

「じゃあ、私も流させてもらうわね」

〈お手柔らかに〉


〈クル、最初にお湯掛けるぞ〉

『うん』


 ばしゃー


『あったかーい』

「よいしょっと」


 ざばー


 俺の背中にもお湯が流される。

 そして、俺がクルの背中を、キリンが俺の背中を石鹸であわあわにしたタオルで擦っていく。


 ――ちくしょー、柔らけーなもう。


『えへへー』

〈どうした?〉

『おとーさんにあらってもらうのがきもちいーのー』

〈そっか?〉


 背中を擦る度に前後に揺れるクルの背中越しに、ぼよんぼよんと揺れるおっぱいの重量がひしひしと伝わってくる。

 手を離すと身体が戻る反動で押し付けられたおっぱいが、横からはみ出して見える。

 ――これが横チチというやつか(違)


「お客さん、かゆいところはないですかー?」

〈おいこら! どこの泡姫だよ〉

「だって、背中が広いから大変なんだもん。 本当に身体で洗いたくなってきたわ」

〈頼むから止めてくれよ? クルが真似でもしたら困るし、もう一緒に入れなくなるぞ〉

『やだー! ずっといっしょにはいるんだもん!』


 ――いや、ずっと一緒もおとーさん困るんだよ?


〈ああ、クル動かないで。 たとえばの話だからね。 ほら?〉

「ごめんねクルちゃん。 みんなでずっと一緒に入ろうね」

『うん!』 


 ――このやろ。


〈おま、最初からコレを狙ってたな?〉

「へへー、いいじゃない。 家族なんだしね」

『えへへー』


 そんな事を話しつつも手を動かしてクルの背中を洗い流す。


 ざばー

 ばしゃー


〈よし! 終わったぞ〉

「こっちもなんとか終わったわ。 手が小さいのがツラいわね」

〈ありがとうな。 クルの分までしっかり洗ってくれたんだろ?〉

「まあね。 お礼は身体で返してもらうわ。 しっかり洗ってよね」

〈はいはい〉


 俺たちは180度向きを変える――のだが、俺は早過ぎても遅すぎてもいけない。


〈というか、キリンから向きを変えろよ〉

「ちぇっ!」

〈ちぇってなんだよ? あ!〉

『えへへー、おとーさんありがとー』

〈ああ、どういたしまして……〉


 もたもたしてたら、クルが先にこっちを向いてしまった。

 ――こら並列意識(2カメ)、そんな凝ったカメラワーク要らないから!


 俺も慌ててキリンの方を向く。


〈…………〉

「…………てへ」


 いそいそと向きを変えるキリン。


〈じゃあ、いくぞー〉

『おとーさん、いくよー』


 さばー

 ばしゃー


〈クル、石鹸付けすぎないようにな〉

『おねーちゃんにおしえてもらったからだいじょーぶー』

〈たのむぞ〉

『うん! うんしょ、うんしょ』


 かわいい掛け声で俺の背中を一生懸命擦るクル。 うん、こっちは大丈夫そうなんだけど……


「んんっ、あ、ふにゃ~~っ!」

〈ちょっとキリンさん? 背中擦るぐらいで妙な声を出さないで下さいな〉

「いや、私もそんなつもりじゃないんだけど……  (この身体、敏感すぎ!)

〈だったら少しゆるめに擦った方がいいか?〉


 俺は恐る恐るタオルを当て、ほとんど撫でるだけになる。


「あん! や、よけいに……あう!」


 ――うわ!

 突然、キリンの背中――黒いハートと羽の模様――から羽と尻尾が飛び出してきた。

 キリンがぐったりと俺にもたれ掛かる。 やはり角も飛び出している。


〈おい! 大丈夫か?〉

『おねーちゃん!』


 クルも心配したのか、俺の肩越しにキリンを覗き込んでくる。

 ――ああ! 背中にやわらかいものが……ぽっちが……


「だ、大丈夫よ」


 そういってキリンが身体を起こした。


〈本当に大丈夫か?〉

「ええ、どうやら仕舞いっ放しだったからヘンになってたみたい」

〈そっか。 キリンは大丈夫みたいだぞ。 クルも続きを頼む〉

『はーい。 えへへー、あたしもあわあわになっちゃったー』


 クルも俺の背中から離れる。 そして『んしょ、んしょ』の掛け声と共に背中をタオルが動き回る。


「私もお願いね」

〈ああ〉


 俺は再びキリンの背中を擦る。 どうやら本当に大丈夫のようで、ヘンな声も出なくなった。


「もう普通に洗ってくれて大丈夫よ。 お騒がせしちゃってごめんなさい」

〈気にするな。 背中はほぼ終わったけど、この羽と尻尾はどうするんだ?〉

「引っ込められるし、たぶん普通の身体とは違うと思うから、洗う必要は無いと思うんだけど……」

〈だったらお湯を流して終わりだな いくぞ!〉


 ざばー


「ひゃう!」


 キリンの身体が跳ねあがった。


〈ど、どうした?〉

「ご、ごめんなさい。 羽と尻尾が……いきなり背中にお湯を掛けられたみたいにぞわぞわって……」

〈そっか、仕舞ってたから初めてお湯に触れるんだよな。 ゴメン、俺も気付かなかったわ〉

「いいから、気にしないで」


 そう言って振り返るキリン。

 ――あ。


〈…………ごめん〉

「…………おあいこ(・・・・)だからいいわよ」


 いや、舌なめずりは止めて下さい。 コワいです。


『おとーさん、おわったよー』

〈おう! がんばったなー〉

『えへへー。 じゃあながすよー』


 ばしゃー


〈よっしゃ! みんなさっぱりした事だし、あとはゆっくりお湯に浸かって上がろう〉

『ぷーちゃんも洗ってあげた?』

〈ん? ぷーちゃん? ああ、この身体の事か? ちゃんと洗ったぞ〉

『あまったぷーちゃんも?』


 ――ん? なんだそれ?


〈クル? 余ったぷーちゃんって何だ? どこに居るんだ?〉

『どこって――』


 クルは俺の前に来ると、ソレ(・・)を指差した。


『ここー!』

「ぷっ! あははははははははは!!」


 キリンが耐え切れずに大爆笑する。

 ――どうやら俺の息子はぷーちゃんの余りだったようだ。


結局フルコースにw

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