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意思統一?

まだ引っ張るか……


〈背中の流しっこって……言い出しっぺはおまえ(キリン)しかいないよな?〉

「そうね」

〈俺の理性を試してるのか?〉

「あ、違う違う! そんなんじゃなくて、せっかくだからクルちゃんに父娘のスキンシップを体験させてあげたいなって思ったのよ」

『あたしがおとーさんのせなかながすのー!』

「――とまあ、クルちゃんも張り切っちゃってるのよね」


 ――キリンのやつ、俺がクルに甘いのを見越してるな……


〈で、俺の背中はクルに頼むとして、キリンはどうするんだ?〉

「あら、決まってるじゃない。 クルちゃんが背中なんだから私は()を――あいた!」


 俺はキリンに拳骨を落とす。


「いたーい! おにーちゃんがぶったー!」

〈子供っぽく言ってもダメだ!〉

「誰も、おにーちゃんの()だなんて言ってないんだけどなあ」


 ――わざとらしいけど、間違ってはいないな。 となると……


『おとーさん! おねーちゃんをいじめちゃだめなのー!』


 お湯を滴らせたクルが、俺とキリンの間に割って入ってくる。 キリンを庇うように両手は広げられ、ほっぺを膨らませて仁王立ちだ。

 ――やっぱこうなるよな……結果的に俺の理性が試されてるような気がする。


〈あー、ごめんな〉

「クルちゃん、今のは私が悪かったからいいのよ。 でも、庇ってくれてありがとう」

『そーなの?』

〈ああ、もう仲直りしたから大丈夫だぞ〉


 とりあえずキリンの頭を撫でて仲直りのポーズを取る。


「やん、 (っとにもう、) (こういうところは) (無神経なんだから!) そうよ、私もせっかくだからおにーちゃんに流してもらうわ」


 ――くっ、俺が断りにくいタイミングで切り込んで来たな……


〈わかったよ。 じゃあ俺がキリンの背中を流すってことでいいんだな?〉

「私みたいなちんちくりんなら問題ないでしょ?」

〈とか言って、どうせ交代して俺がクルの背中を流すことになるんじゃねーか〉

「当然でしょ? クルちゃんも楽しみにしてるんだから」

『えへへー』


 ――準備中に打ち合わせしてやがるな……


〈クル!〉

『なーに?』

()()()()()()()()洗うんだぞ!〉

『え~っ、おねーちゃんが「おっぱいで洗うとおとーさん喜ぶわよ」って言ってたのにー』

〈ついでに、()も洗ってやらないからな?〉

『そっちもだめなのー? せなかながしておねがいしてもだめー?』

〈だーめ!〉


 俺はキリン(犯人)にジト目を向ける。


「あー、あははは……バレてた?」

〈そんなこったろうと思ったよ。 クル、昨日お風呂で言ったこと覚えてるか?〉

『うん』

〈今クルがやろうとしてたのは、俺が「恥ずかしいと思う」ことだから、俺が()()()()()()()()()()やっちゃダメだぞ〉

『はーい……』

〈まあ、なんだ。 クルが俺の「およめさん」だったなら、大歓迎だって事は言っておくぞ〉

『じゃあ、「えへへー」なことなんだね?』

〈……まあ、そんなとこだな〉


 今度はキリンがジト目でこっちを見てくる。


〈どうせクルからは「およめさん」の話は聞いてるんだろ?〉

「ええ、だからちょっとお手伝いをって思ったんだけど……」

〈今の俺はクルの「おとーさん」だ。 クルをまっとうな女の子に育てたいと思ってる〉

「ごめんなさい。 軽率だったわね」

〈分かってくれたんならいいよ〉


 俺はポンポンとキリンの頭を叩く。


「むぅ、こういう時はこんな身体(幼女体形)なのが痛し痒しだわね」

〈やってる事が背伸びしたお子様と一緒だぞ〉

「おにーちゃんに比べたら子供ですよーだ!」


〈ところでしーしーちゃんはどうする?〉

「遠慮するですぅ。 ボクのサイズだと丸洗いされちゃうですぅ。 そんな事されたら()()()が大惨事になるですぅ」

 ―〈ちょっと、シー・シー! 大惨事って言い方は酷いですぅ!〉―


 ――まあ、お風呂を堪能するのに「丸洗い」は想定してないだろうな。


〈了解。 次に本体(しーちゃん)が【降臨】出来たら、なんかお供え考えておくよ〉

「だったら、その時にしー姉を洗ってあげて下さいですぅ」

〈それはさすがにしーちゃん次第――〉


 ―〈い、いーくんが良ければ、是非お願いするですぅ……  (シー・シー!) (GJですぅ!)〉―


〈…………〉

「おっけーが出たのね?」

〈……あー、まあな〉

「もうちょっと自分の好かれ具合を自覚しなさいよね!」

()()()()()()家族と親友だからな〉

「おにーちゃんの石頭ー!」


 ――俺、石っころなんだけどなー。


〈湯冷めしない内に背中以外洗っちゃおうぜ! キリン、クルの頭も手伝ってやってくれ〉

「おっけー、まかせて!」

『じゃあ、あたしもおねーちゃんのあたまをわしゃわしゃするー』

〈クル、シャンプーは少しでいいからな。 キリンが泡に埋もれちまうぞ〉

『はーい!』


 ――キリンよ、不安そうな顔をしても手遅れだ。 諦めてわしゃわしゃされるがよい。


 そして身体を洗う俺の横で、泡まみれの少女と幼女がきゃーきゃー言いながら、百合百合しく洗いっこを展開するのであった。

 俺は円周率を小数点以下4000桁ぐらいまでひたすら数えてたんだが、並列(本能という)意識(名の裏切り者)がチラ見と聞き耳を駆使してワイプを送って来ちゃうんです……こ、コマッタナー(棒)


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