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実験

ちょっと短めです。


  ―〈“スライム・イノセント”識別名「ぷる」から従属の申請中――ハイ/イイエ〉―


 ――うーん……


 【従属】……一般に魔物使い(テイマー)に使役される魔物がおかれる状態の事。 特殊な例として、迷宮において、迷宮主に「従属」した魔物はその「眷属」となる。

 従属させるには、屈服させるか、何らかの対価と引き換えにすることが多い。


 【眷属】……吸血鬼や不死者の生命維持活動により生み出され、その支配下におかれる者。 迷宮において、迷宮主の意思で生み出された、もしくは迷宮主に従属した魔物。


 特にデメリットはなさそうな……屈服じゃないから対価? 魔力をもらったからか?


 しゅぴ!


 ――そんなの気にしなくていいのになあ。

 “ぷる”はぽよぽよと跳ねてアピールしている。


 ――〈ハイ〉


 ―〈“スライム・イノセント”識別名「ぷる」を従属――迷宮主「イスルギ・イクル」の眷属設定…………完了〉―

 ―〈【領域支配】―【眷属強化】により、眷属「ぷる」が強化――スキル【魔象再現】が付与されました〉―


 【魔象再現】……魔素分解して吸収した魔法や魔道具の特殊効果(総じて魔象)を記録し、一度だけ再現出来るスキル。 同一の魔象を吸収した場合は回数がストックされる。


 ――これは……やっちまったのか?

【物理無効】で【魔素吸収】する上に吸収した攻撃を【魔象再現】でお返しする。 ――こんなのが敵として出てきたらクソゲー認定まっしぐらですよ?


 “ぷる”がこの部屋の入口に張り付いてるだけで、他の守りは要らないんじゃないかな?


 ――あ~、ぷるさんや? 本当に張り付かなくてもいいからね? ものの例えだから。

 取り敢えずは、クルの遊び相手になってやってくれ。


 しゅぴ!


   ̄l ̄(__∞__)

       ̄l ̄(__∞__)


 その後、食事――デザート付き、何故かぷーちゃん(クルがそう呼ぶので合わせることにした)もシュークリームがお気に入りのようだ――を済ませ、クルは「ぷーちゃんA」と一緒にごろごろしてる。


 俺はというと、「ぷーちゃんB」にお願いして実験に付き合ってもらうことにした。

 うん、ぷーちゃんは分裂出来ます。 元々が群体だから分裂も合体もお手の物だそうです。


 ――もうちょっと体積増やしたいから、しーちゃんが【降臨】出来るようになったら、また「残滓(お漏らし)」を作ってもらおうかな……


 ―〈だから「お漏らし」言うなですぅ!〉―

〈そんなしーちゃんにちょっと確認したいことがあるんですけど〉

 ―〈な、なんですぅ?〉―

〈生き物を依代にして【降臨】出来るの?〉

 ―〈また唐突な話ですねー、元々【降臨】は神職の人を催眠状態にしたのを「依代」として行うものだったですぅ〉―

〈まあ、ありがちだな〉

 ―〈それでも“神気”に()てられる「依代」の負担が大きい――命に係ったりはないですけど――ので、人形(ひとがた)や像を用いることが多くなって、「姿形」や「声」を送ってもらう事が主流になっていったですぅ〉―

〈え? そうなの?〉

―〈ですぅ。 人形(ドール)とはいえ、“(ボク)”を降ろして、自由に動けるようにまでするような完全な【降臨】は初めてだと思うですぅ〉―

〈なるほど……で、結論から言うと生き物の「依代」は可能。 ただし“神気”に耐性が必要。 でいいのかな?〉

 ―〈その認識でいいと思うですぅ〉―


 ――第一関門クリア


〈もうひとつ、しーちゃんって「分体」を作れるんだよね?〉

 ―〈“告知神”としての権能ですぅ。 いーくん担当はココ(・・)にいるですよ♥〉―


 ――どこだよ? 気になるよ!


〈それってしーちゃん自身の分体も作れるの?〉

 ―〈自分の意思で作ったことはなかったですぅ。 あとで試してみるですけど、なんでですぅ?〉―

〈いや、しーちゃん自身だと長時間【降臨】出来ないし、依代も使い捨てになっちゃうから、分体みたいな省エネモードでの【降臨】なら、ずっと維持出来ないかなーって思ったんだ〉―

 ―〈分体ちゃんは手の平サイズなのですぅ。 確かにそれなら長時間というか、ずっと【降臨】状態を維持出来そうですぅ〉― 


 ――思ってた以上にちっさかったな。


〈生き物ってのはズバリ、「女神(しーちゃん)残滓(お漏らし)」から生まれたスライムのぷーちゃんこと「ぷる」なんだけどね〉

 ―〈だからお漏らし言うなですぅ! だとすると元から“神気”を宿してるですか?〉―

〈そうそう。 だから依代として最適かなと思ったんだ。 分体の体験したことは本体に伝わるんだろ?〉

 ―〈告知の分体ちゃんの声が、本人に伝わるのと同じ原理ならですぅ〉―

〈だったら美味しいもの食べたり、お風呂入ったりも体験出来るんじゃないかな?〉

 ―〈!!! なんて素晴らしい事を思いつくですぅ? 是非とも分体ちゃんを作るですぅ!〉―


 ――お、おう、頑張れ。


〈俺は分体を【降臨】出来ないから、次しーちゃんが【降臨】した時に、こっちで分体を作るってことでよろしく〉

 ―〈わかったですぅ!〉―


 ――しーちゃんの方はこれでよし――と。

 さてさて、ほんじゃ「ぷーちゃんB」との共同実験に掛かりますか。


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