封印
―〈スキル【降臨】を〈封印〉しますか? ハイ/イイエ〉―
脳内に選択肢が表示されている。
――まあ〈封印〉して、元に戻せない可能性もあるからな。 ついさっき、「名付け」騒ぎで学んだことだしね。
“イイエ”と念じる。
―〈あ、ありがとですぅ〉―
なぜかお礼を言われたんですが?
――んと、〈ステータス〉!
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名前:石動 生
種族: 星胚
年齢:――
クラス: 迷宮核 / 迷宮主
HP: ―― / ――
MP: 29482 / 99999
STR:――
AGI:――
VIT:――
INT:99
DEX:――
MIN:99
LUK:14
SP:4842
保有スキル:
【意思疎通】【鑑定Ⅲ】【知ノ深淵】【異空間収納】
【ゴーレムマスター〈封印中〉〈隠蔽中〉】【振動感知】
【龍眼】【不可視ノ手】【降臨】【天啓】【地形把握】
【思考加速】【知覚共有】
【迷宮化】【領域支配】【メニュー】【DP変換】
称号:
『イレギュラー』『迷宮ノ心臓』『迷宮ノ頭脳』
『星ノ賢者』『亜神ノ保護者』『告知神ノ理解者』
『告知神ノ使徒』『世界ヲ停止セシ者』
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――LUK:14って+4? 増えるもんなの?
―〈あ、それは“てんにょのぶら”と“しゅーくりーむ”のお礼ですぅ サービスしたですぅ〉―
〈お~お? あ、ありがとうございます。 てか、しーちゃん、人のステータス弄れるの?〉
―〈弄れるのは“使徒”さんのステータスだけですぅ〉―
――むぅ……先ほどまでの残念感が無い。
―〈何やら失礼な波動を感じるですぅ?〉―
――イイエ、ナンデモアリマセンヨ。
〈ちょっと確認してほしい事があるんで、お願い出来るかな?〉
―〈なんですぅ?〉―
――よし、先ずは〈隠蔽中〉からかな?
俺は【ゴーレムマスター〈封印中〉〈隠蔽中〉】の〈隠蔽中〉の表示に集中する。
―〈スキル【ゴーレムマスター】の〈隠蔽〉を解除しますか? ハイ/イイエ〉―
――“ハイ”
―〈スキル【ゴーレムマスター】の〈隠蔽〉を解除しました〉―
――よし! いける!
〈透けさ……もういいか、しーちゃん!〉
―〈はいですぅ?〉―
【ゴーレムマスター〈封印中〉】
〈これを見てくれ、こいつをどう思う?〉
―〈すごく……〈封印中〉ですぅ……ってなんですか!? これは!〉―
〈実はさっきまで、というか前回視てもらった時も、これに〈隠蔽中〉ってのが加わってたんだ〉
―〈……今まで【ゴーレムマスター】を使用したことはなかったですぅ?〉―
〈ああ、俺の願いに一番マッチしたスキルだから、とっくに使っててもおかしくなかったんだが、間が悪かったり、忙しかったりでね。 ……何かあるのか?〉
―〈封印時の設定に依るですけど、封印中のスキルを行使しようとすると、神罰があるですぅ〉―
…………
〈つまり、〈隠蔽〉によって〈封印〉を知らずに使用しても神罰は下されると〉
―〈……ですぅ〉―
〈ちなみに、どんなペナルティが?〉
―〈「頭痛」「失神」等の軽いものから、最悪「スキル剥奪」まで様々ですぅ〉―
――ダンジョンコアがスキルを失ったら……ただの“石”になる訳か。
〈“神罰”ということは……〉
―〈ですぅ。 〈封印〉を施せるのは今の君でなければ、神にしか出来ないハズですぅ〉―
〈それも、少なくともしーちゃんより上の神様ってことか……〉
――薄々感じてたけど、これで確定かな……
〈けど、こうして教えてくれるってことは、神様の総意じゃないってことでいいんだよな?〉
―〈は、はいですぅ! そもそも罪を犯した訳でもない者に、しかも本人に無断で封印処置を行うこと自体、犯罪ですぅ〉―
〈それを聞いて安心したよ。 しーちゃん、ありがとな!〉
―〈い、いえ、そんな……〉―
〈……しーちゃん――〉
―〈なんですぅ?〉―
〈――報告とか、考えるんじゃないぞ〉
―〈え! で、でも……〉―
〈その神様は、しーちゃんより上位の権限を持ってるんだろ? 下手に報告なんかしてその事が伝わったら、しーちゃんまで危険な目に遭うんじゃないのか?〉
――神様の社会がどんなものかは知らないけど、「仕事」とか「管理」とか「権限」とか、人間と同じ様な柵があるとみて間違いないだろう。
―〈ボクの事より、君はそれでいいの――〉―
〈そんな訳ないだろ!〉
――あ……
『おとーさん?』
〈ああ、クル? なんでもないよ。 今なにしてるんだい?〉
『【りゅーか】からもどったときに、ちゃんとふくがきられるようにれんしゅーしてるのー』
――って隣の部屋か? これぐらい離れてても【念話】は届くんだな。
〈えらいなー。 ちゃんと出来たら、またご褒美あげるから、がんばるんだぞ!〉
『うん!』
――ふう。
―〈クルちゃん、可愛いですねぇ〉―
〈ああ……自慢の娘だよ。 クルの為にもこんな事で俺がへこたれる訳にはいかないんだよなー。 っと、ごめん、怒鳴ったりして……思ったよりイライラしてたみたいだ。 しーちゃんは関係ないのに――〉
―〈関係ないなんて事ないですぅ! 君はボクの『理解者』で『使徒』ですぅ!〉―
〈そーだっけ?〉
―〈そうなんですぅ! てことで、ボクはボクなりに動くんですぅ。 告知神のネットワークを舐めるなですぅ!〉―
〈じゃあ、しーちゃんにもいっぱい「お供え」しないとなー。 無茶だけはしないでくれよ。〉
―〈はいはいはい! いつでもお待ちしてるですぅ!〉―
――ははっ
〈しーちゃんと話せて随分と楽になったよ。 あ、封印解いたら、その神に伝わったりするのか?〉
―〈大丈夫ですぅ。 “神罰”は封印時の設定なので、監視されてる訳じゃないですぅ〉―
〈さんきゅー! しーちゃん、愛してるよ!〉
 ̄l ̄
 ̄l ̄
――その日、世界は再び「停止」した――
おっと、筆が辷ったようだ。
ステータスに抜けがあったのを修正。




