表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/90

りゅーか!

裸ん坊祭り!


〈クル、お腹は空いてないかい?〉

『うん、だいじょーぶー』

〈そっか。 今日はなにしようか?〉

『ん~』


 ――本当に、何をしようか考えないと。


 俺が今一番欲しいものは「身体」だ。

 当初は【ゴーレムマスター】の【クリエイト】で分身を作り出し、“外”の様子を見たり確認したりするつもりで――。


 ――あ、そうだった! “外”だよ!


〈クル〉

『なーに?』

〈おとーさん、“外”が視えるようになったみたいだから、少し確認しようと思ってるんだ。 その間、お話したりとか出来ないんだけど――〉

『だったら、あたしもおそといくー!』

〈え? あ、そうだね。 それはいいんだけど、“外”は危なくなかったかい?〉

『だーれもいなかったから、よくわかんない』


 ――今更だけど、この迷宮、野生動物や鳥の1羽も迷い込んで来ないんだよな。 ドラゴン(クル)が居るから怖がってるんだろうと特に気に留めてなかったけど、誰も居ないって無人島?

 まあいいや、それならちょっと試したいこともあるし――。


〈クル、お外行く前に、ちょっとお願いがあるんだ〉

『おねがいー?』

〈お外行くんならまた“変身”するんだよね?〉

『うん! 【りゅーか】して、“りゅーけーたい”ってのになるんだよー』


 ――りゅーけーたい? 竜――いや龍形態か!


〈大きくなる前もそうだったのかい?〉

『んーと、いまのかっこになるのに【じんか】ってのをつかってたー』


 ――やっぱり進化で主形態が竜型から人型に変わってるみたいだな。


〈クル、その【龍化】ってする時に、今着てる服を“身体の一部”だと思ってやってくれないかな?〉

『なんでー?』

〈クルがドラゴンになっちゃうと、また身体が大きくなるだろう? そしたら今着てる可愛い服が破れちゃうからね〉

『ぬいじゃだめなのー?』

〈もし駄目だったら、次からは脱ぐか、破れても困らないように服をいっぱい用意するよ〉

『かわいいふく?』

〈もちろん! でも取り敢えず、言ったとおりに試してみてくれないかな?〉

『わかったー』

〈じゃあ、失敗してもいいように、前に寝てた隣の部屋でやってみようか?〉

『うん!』


 ――あ!


〈クル、ちょっと待った〉

『うん?』

〈クルが“龍形態”になった時の大きさって分かるの? 前の時と比べて大きいとか?〉

『だいたいわかるよー。 たぶんまえよりちっちゃいかもー?』

〈そうなの?〉

『あたし、おっきくなったのにおかしいなー』

〈それなら隣の部屋で大丈夫そうだね。 じゃあ行こうか〉

『はーい』


   ̄l ̄(__∞__)

       ̄l ̄(__∞__)


〈よーし、じゃあ今着てる服は“身体の一部”だぞ〉

『うん、がんばる!』


 大部屋の真ん中で両手を握りしめてやる気まんまんのクル。


〈いいぞー〉

『はーい! 〈りゅーか〉!』


 クルの身体が輝き、光の繭となった――以前の変身の時より光の量が増しているような気がする――光は膨張しつつ、その形を変えていき、ドラゴンのそれへと変わる。


 ――やっぱり小さくなってるな。

 以前の大きさの3分の2ぐらいだろうか?


 ――――!!


 光が弾けた時、そこに居たのは……

 蛇のようだった鱗ではなく、長く柔らかそうな体毛に覆われた身体、やや長くなった脚、全体に長い毛が生えてふさふさになった長い尻尾、背には鳥のような羽根を持った大きな翼、そしてたてがみのある長い首の先には――額から伸びる一本の捻じれた長い角にリボン(・・・)を巻いて、穏やかで澄んだ眼をした竜の顔があった。


 ――少し“麒麟”っぽくなった? ともかくそんな感じだ。 で、辺りに服が散らばってないということは、あのリボンがそれ(・・)なのだろう。 どうやら成功したようだ。


「KRRR……」


 (ドラゴン)――いや(クル)こっち(・・・)を見る。


〈クル、聞こえるか〉

『おとーさん? きこえるよー』


 ――龍形態の時にこうやって話すのは初めてだが、コミュニケーションに問題はなさそうだ。

 俺の耳(音声認識)には「KRR……」と聞こえているが、脳裏にはちゃんと言葉が聴こえる。


〈よくやったなー、服も一緒に変身出来たみたいだぞ〉

『えへへー』

〈それに……とても綺麗だ〉

『そーお?』


 ――例え色が分からなくても断言出来る。 今も薄っすらと光るその身体は、神々しく輝いて見える。


〈で、せっかく変身してもらって申し訳ないけど、外へ出るためにはもう一回“人”に戻らないといけないな〉


 そうなのだ。 大部屋から直接外へ出る術はなく、通路を抜けるにはもう一回人型に変身する必要がある。


『うん、へーきだよ』


 そういうとクルは再び光の繭となりその身体を小さくする――光が弾けた時、そこに居たのは真っ裸のクルだった。


 ――あれ~?


 見ると、クルの側に服が散らばっている。

 どうやら戻る時に、服を“着ていた”ことを意識しなかったようだ。


『ありゃ? おとーさ~ん、はだかんぼになっちゃった~』

〈あー、服は無事だから、気にしなくていいぞ。 今度は戻るときにもちゃんと“服”を意識しような〉

『はーい!』

〈今日はこのままお外に行こう。 次からは服も持っていこうな〉

『うん!』


 ――(見た目少女の)幼女を裸で外に連れ出す……めちゃくちゃ犯罪臭が漂ってるんですが……orz


 クルが通路へと駆け出す――後ろから視点で追いかけて、るん、だ、けど――背中から見てても右に左にぶるんぶるんと揺れるおっp……


〈クルー! こ、転ぶといけないから、慌てないでゆっくり歩きなさい!〉

『はーい』


 ――こ、こけると痛いからね?


 クルは“外”――ちょっとした岩場の平地だった――に出るとすぐさま変身するが、早い!

 ――ヒーロー物の変身シーンで、短縮というか省略バージョンがあるが、そんな感じだ。 服を意識しない本来の変身の速さなのだろう。


 「KRRRR――!」


 その身を龍と化したクルは、一つ咆哮を上げると空へと舞った。


 俺は視点でそれを追いかけつつ、上空へと昇る(・・)

 俺の眼に島の全体像が映る。


 ―――俺はしばし、言葉を失った。


“竜形態”→“龍形態”に修正。

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

角にパンツを巻き付けた人は挙手!


自爆絵で――作者のイメージです。 絵心とツールは持ち合わせていません。


クル―before―

挿絵(By みてみん)


クル―after―

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ