お供え
告知神を泣かせてしまった。 どーしよー(棒)
〈もしもーし? 女神様ー、シース様ー〉
…………
〈しーいちゃーん、もうしませんから、なんならお供えでも――〉
―〈熟練度が規定値に到達――スキル【祈祷】を取得しました〉―
むむ?
【祈祷】……神へ供物を奉じることにより「加護」を得られるスキル。
「加護」の内容は、供物、神の気分に左右される。
すかさず脳裏に説明文がカットインしてくる。 【知ノ深淵】さんありがとう。
ではさっそく……
俺は「DP交換」で “天女のブラ”(150DP)――寄せて上げるワイヤー入り――を出す。
サイズもばっちり――自己申告に止まらず、計測値を訊き出した――である。
―〈じとーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ〉―
――おや、天の声?
―〈しーちゃん!〉―
――え?
―〈しー・いー・ちゃー・んー!〉―
〈……しーちゃん?〉
―〈はいですぅ、これからは敬愛の念を持って「しーちゃん」と呼ぶですぅ〉―
――え~~っ?
―〈ボクのあんなことやこんなことまで根掘り葉掘り訊きだした『理解者』に拒否権など無いですぅ!〉―
〈そ、その節はスミマセンでした~!〉(気分だけ五体投地)
―〈そして、これはとーっても大事なことですが――〉―
――お供え?
―〈ですですぅ! 手始めにそこにある「てんにょのぶら」とやらを寄越すですぅ! ハリー! ハリー! なのですぅ!〉―
ちょっと、欲望に忠実すぎやしませんかねー? まあ、機嫌を直してくれたようなのでよしとするか。
しかし、「お供え」はいいとして、着け方の問題が――ってあれ? 分かる……分かっちゃいけない気がするんだけど、ええ、完璧に理解しましたよ。
―〈【知ノ深淵】の効果ですぅ。 森羅万象の情報を引き出し未知を既知に変える力があるですぅ〉―
どうやら俺には全自動検索機能がインストールされていたらしい。
早速 “天女のブラ” を「お供え」する。
〈お供え〉と念じた途端、ブラが虚空に消えた。 着け方のイメージは伝わってるだろうか?
―〈熟練度が規定値に到達――スキル【祈祷】が【神託】に進化しました〉―
 ̄l ̄
 ̄l ̄
【神託】……神へ供物を奉じることにより「恩恵」を得られるスキル。
「恩恵」の内容は、供物、神の気分に左右される。
――ふむ。
あれから天の声改めしーちゃんからの反応がない、どうしたものか……ん?
―〈た……!〉―
――た?
―〈たにっ! 谷間が! ぼ、ボクの胸に谷間が~~~~!!!〉―
〈お、おおお、落ち着け。 どーどー〉
―〈称号『告知神ノ使徒』を獲得――スキル【天啓】を取得しました〉―
――んな!?
〈おいこら! 人を勝手に「使徒」なんかにするんじゃねーよ!〉
―〈それぐらい嬉しかったってのもあるですが、何かこう……今後の君に絶対に必要となる気がしたんですぅ。 ただ、このクラスの恩恵は「使徒」でないとあげられなかったですぅ〉―
む、思ったより真面目モードだな……?
【天啓】……目視可能な任意の対象に“声”を届けるスキル。
〈……ありがたく受け取っておくよ。 しーちゃん、サンキュな〉
―〈ボクの方こそですぅ。 今まで「告知神」してきて、こんなに嬉しかった事は無いですぅ〉―
――ビミョーに語尾が変わってるのがチョットこわいんですが……
〈ところで、俺のステータス確認してもらったよな?〉
―〈はいですぅ!〉―
――お前はタ○ちゃんか!
【ゴーレムマスター〈封印中〉〈隠蔽中〉】
〈これを見てくれ、こいつをどう思う?〉
 ̄l ̄
先ほど「鑑定Ⅱ」が「鑑定Ⅲ」になったので、改めて【ゴーレムマスター】を表示させたらコレだった。
つまり、〈封印中〉なのが〈隠蔽中〉であった為に「鑑定Ⅱ」では視えなかったのだろう。
ならば神様にはどう視えているのか……
―〈すごく…… ってナニ言わせるですかー! は置いといて、何かおかしいところでもあるですぅ?〉―
――さっき見せた時点で反応が無かったから、これは予想どおりというべきか。
〈……いや、何でもない、言ってみたかっただけだ〉
―〈ホントにナニを言わせようと思ってたですか! 思ったよりスケベですぅ〉―
むう、いらんことでマイナス評価が。 まあ、仕方ない。
〈ゴメンゴメン、ちょっと考えたい事があるんだ、また今度付き合ってやるから一人にしてくれないか?〉
―〈わかったですぅ。「お供え」にも期待してるですぅ〉―
…………
しーちゃん、「管理Ⅱ」とか言ってたな……で、「権限Ⅱ」の俺を拒否出来なかったと。
俺は今「権限Ⅲ(限定)」だ。 だからしーちゃんには視えないものも視えている――で間違いないだろう。
まあ、今すぐどうこう出来そうにもないし、続きでもするか……
 ̄l ̄
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ところで、薄々予想はついていたが、どうやら俺は眠る必要が無いらしい。
気が付けば、通路の先 “外”から光が射していた。
そして俺は重大な事実に気が付いた――“外”が視える事に――。
視えないモノが視えてた矛盾を修正。




