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急成長の謎


 こうして俺のステータスが――色々あったが――表示されたわけだが、HP(生命力)やらSTR(腕力)やら、肉体に関する数値が軒並み「――」で表示されていない。 これは【自己鑑定(ステータス)】のスキル自体 “人が使う” ことを前提としているからのようだ。


 そして、逆にMP(魔力)INT(知力)MIN(精神力)など、頭脳や精神に関する数値はちゃんと表示されている……というか、これカンストしてるんじゃね?


 LUK()は10――高いか低いかわからんが、転移していきなり死ぬような俺の運がいいとは思えない……


 ――で、だ。 気になるよね~? 【ゴーレムマスター         】。

 俺のメインスキル(にするつもり)であり、人並み?の身体、手足を得たい俺が一番期待しているスキルなんだけど、何なの? この無駄に長い空白は――って意識したら、【ゴーレムマスター】って普通の表示に戻った……

 ――そういや【メニュー】さんとも統合されてたっけ……

 表示画面が一度またたく。 【メニュー】さんマジ有能。


 ―〈まず言いたいことはですねー、何なんですか? この妙ちくりんなステータスは!?〉―


 ――あ、そうだった。 天の声(お姉さん)に見てもらってたんだったな。


〈それは俺が知りたいんですけど……〉

 ―〈まず最初に、君の種族です。 人間でないのは薄々分かってたですが、「星胚(エンブリヨ)」なんて初めて見るです〉―


 ――え? そこから?


 ―〈名前から察するに君は転生者だと思うです〉―

〈ええ、まあ転移後に死亡して、こちらで転生したんですが……〉

 ―〈この世界の迷宮核(ダンジョンコア)は種族でいうと、「星種(ストーン)」と呼ばれているです。 おそらく転生で名前持ち(ネームド)となった「星種(ストーン)」が、進化を促されて「星胚(エンブリヨ)」になったと推測するです〉―

〈俺が生まれてしばらく、意識がなかったようなんですが、ひょっとして……〉

 ―〈生まれると同時に進化が始まったので、初期DPの大半を消費し尽くしたと思われるです〉―


 ――そういう事だったのか……


 ―〈取り敢えず原因は分かったです。 君はダンジョン側の種族なのに人間側のスキルを取得出来る『イレギュラー』な存在なのです〉

〈それがどうしてこんな事と結びつくんですか?〉

 ―〈それは相応の権限が無いと答えられないです――って君、【知ノ深淵】まで持ってるですか!?〉―

〈えーと、たった今取れちゃいました。 というか天の声(お姉さん)が告知してるんですよね?〉

 ―〈告知するのにボクの意識は関係ないし、むしろ邪魔なのです。 告知内容は無意識に言葉となって出て来るですから、その内容をボクが逐一知ってるわけではないです〉―

〈なるほど、イタコの口寄せみたいなもんか……〉

 ―〈神域のアクセス権限Ⅱを認めるです。 なのでお答えするです〉―

〈では、まず天の声(お姉さん)のお名前を――〉

 ―〈何を訊いちゃってるです!? まあ、特別に―― (って管理Ⅱ種のボク) (に拒否権無いです)――答えてあげるです。 ボクの名前は『シース・ルー』っていうです〉―


 シースルーだって? 透け透け(シースルー)なのか? いや、それよりも――。


〈へー、拒否権ないのかー、ほー、ではスリーサイズなどをですね――〉

 ―〈な、何故それを!? クッ、【意思疎通】を見くびってたです。 余計なことを考えてたです〉―

〈さあ、さあさあ!〉

 ―〈うう……上から――〉―


   ̄l ̄(__∞__)

       ̄l ̄(__∞__)


 ―〈しくしくしく…… お嫁に行けなくなったですぅ〉―


 ―〈称号『告知神ノ理解(全テヲ暴ク)者』を獲得しました。 神域のアクセス権限Ⅲ(限定)を獲得〉―

 ―〈【鑑定Ⅱ】が【鑑定Ⅲ】に進化しました〉―


〈ごめん、悪ノリして色々訊き過ぎました。 いやあ……意外と……〉

 ―〈ふえーーーん!〉―


 結局のところ、ダンジョン側というかダンジョンそのものである俺、「星胚(エンブリヨ)」が人間側の恩恵スキル――“白神”とやらが管理してるらしい――を持っていることが原因らしい。


 ――“白神”……(あいつ)のことだろうか?


 要は人間がダンジョンの魔物を倒して得る経験値(SP(スキル・ポイント))を俺はDP(ダンジョン・ポイント)としてたんまり保有しており、“白神”の恩恵である人間側のスキルを使用するだけで、保有しているDPがSPに変換され、スキルの熟練度アップや進化に消費されるということだ。


 称号については、特定の職業(クラス)に付随するもの、神が認める(びっくりする)功績に対して与えられるもの等があり、併せて特別なスキルを貰えることが多いらしい。


 例えば『亜神の保護者(おとーさん)』、これは希少な光竜(幻想種の頂点とかなんとか……マジ?)に「名付け」を行い、この世界で初にして唯一の亜神種への進化を促したことが認められたらしい。


 この「名付け」、俺が持つ魔力の作用で、実際には「刻命」――魂に“真名”を刻む――というのをやっちゃったらしい。

「刻命」とは魔物の格を引き上げる行為であり、名付けられた魔物は「名前持ち(ネームド)」となる。

 ただ、この「刻命」には相応の魔力が必要で、対象となる魔物の格によりその量も左右される為、事実上人間には不可能らしい。

 魔力に優れる魔族でも高位の存在でしか実行は出来ないようだ。


 人間がテイムした魔物などに付ける名前はスキル【使役】によって付与される識別記号のようなもので、魔物も己の「名前」として認識することはない。


 ただ、俺にはダンジョンコアとしての膨大な魔力があったため、「刻命」の条件を満たしてしまった。

 しかも相手はドラゴンの中でも最強と言われる「光竜」であり、これに「刻命」することは歴代の「魔王」(やっぱり居るんだ……)でも不可能な事だったんだと。


 時々盛大に脇道に逸れつつ、俺はこれらの事を訊き出した訳だが――。


 ―〈えぐ、えぐ……〉―


 ――う、さすがにヤバイかな?


視えないモノが視えてた矛盾、他を修正。

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