↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
56/125

56 のう、店主

久々に帝宮に呼ばれた。


最近は帝国学園とヘイムで仕事をしていたからのう。

帝宮にはほとんど戻っていない。


これも少し問題じゃのう。


石造りの長い廊下を歩きながら、我は小さく息を吐く。

現場優先とはいえ、執務室にも自室にも戻るのは久し振りじゃ。

我によう仕えてくれる者達にも迷惑をかけておるのう。


すまんな。


どうもヘイムは居心地が良くてのう。

あそこでは、ただのアンリで居られるから。

ついつい居座ってしまうのじゃ。


ここでは、そなたら以外の目や耳があって、

アンリシアでいないといけない。

それが本来普通なのにのう。


困ったものじゃ。



我を呼んだのは母上。

個人名での呼び出しじゃから、

また裏の仕事か個人的な相談かと思ったが。

通された部屋におったのは――


父上、

ルートヴィヒ・デア・エローバラー・ソルヴェイン・シグルズ・アステリア。


母上、

マリー・モナート・ソルヴェイン・ドンネル・アステリア。


宰相、

アルマデッタ様の夫であるミョルニル前公爵。


騎士団総長、

ミレディの父親であるサフィール伯爵。


筆頭魔術師長、

リオニー様のお父上。


そして――


アステリア帝国初代皇帝のおじい様。

カール・デア・グローセ・ソルヴェイン・エーギル・アステリア。


200年戦争からの英雄ばかり。

帝国の真の中枢にして最後の砦。


一人でも欠ければ、

帝国は絶対帝政から唯の帝政へ。

もしくは形ばかりの君主を神輿とする貴族連合となり、

確実に内乱と周辺諸国からの侵略にさらされるじゃろう。


もう時間はない。



我が席につくと、

宮廷魔術師達が念入りに結界を張り始める。


部屋の空気が一段重くなった。


なんの集まりかと思うたら、

筆頭魔術師長が我に話しかけた。


「アンリシア姫様、八枚目の葉は舞い降りそうですかな」


皆の目が我に集まる。

我は静かに目を閉じた。

当然か。

みな身内が関係しとるから気付いておる。

なら隠しても仕方あるまい。


「わかりませぬ。まだ芽吹いてもおりません」

「ただ、可能性があるだけで」

「伝承では、芽吹くだけでも数百年」

「木となり葉を茂らせても」

「我らの良き木陰になるかどうかはわかりませぬ」


皆が目を閉じ、

深く背もたれへ身を預ける。


「そうじゃな。そんな都合の良い物に頼ってはおれぬ」

「我らは常に現実を見なくてはな」


そう口を開いたのは、

父上――いや皇帝陛下じゃった。


皆が頷く。


確かに伝承や神々には頼っておれん。


『人の世の事は、人の手で』


神々の言葉じゃ。

神々がしてくれるのは助力と助言。

実際に判断し動くのは我ら人なのじゃ。


自然と皇后陛下の胸元を見る。

最近まで身につけていなかった『軍神』様のアミュレット。

ひび割れてはいるが壊れてはおらん。


むしろ以前より強い力を感じる。


そうか。

母上は信仰を取り戻したのじゃな。

それに比べて我はどうなのじゃろう。


神々の存在は信じておる。

気配も感じる。


じゃが物心ついた時にはアミュレットはしておらんかった。


信仰は持てんかった。


何かよく解らんかったからじゃ。

どの神殿の神殿長も言う。


「いずれ解るでしょう。その長い時の中できっと」


長い時。

何もなければ我は数千年生きるそうじゃ。

これが我が帝位を継げぬ理由。


『世界樹の申し子』


ハイ・エルフの宿命らしい。

らしいと言うのは、

我以外おらんからじゃ。


昔はおったらしい。

じゃが皆、戦争で死んでもうた。

我が生まれる前の最後のハイ・エルフ。

アステリア家の先祖。


セレスティア様。


200年戦争初期に亡くなられたそうだ。

それは壮絶な最期だったらしい。


仲間と思っていた貴族の裏切り。

逃げ遅れた領民を守る為に。

迫り来る敵軍を前にして。

最後まで退かず。

その力を振るい。

その命と引き換えに守り切ったお方。


セレスティア様を始め、

多くの方々のお陰で掴んだ平和。


それが今、崩れ去ろうとしている。


先人達は、

こんな情けない我らを見てどう思うのだろうか。


そう生産性のない思考に沈み始めた時。

カールおじい様の声が響いた。


「で、今宵はなんの集まりかのう」

「このメンツが雁首揃えて内緒話じゃ」

「もう各派閥の密偵どもがうじゃうじゃしとるぞ」


カールおじい様が笑いながら喋る。

目はまったく笑っておらんがな。


「今回は私めが発案し、皆様に集まって頂きました」


皇后陛下が『軍神』様のアミュレットを握り締めながら答える。

そんなに怖がらなくても、カールおじい様は取って食ったりしませんよ。

それとも、余程の議案か。


「皇位継承権の事です」


皆の空気が冷えた。


「本来なら、第一皇子を皇太子として立て、三代目皇帝とする予定でした」

「しかし、四年前のあの事件のせいで、

 帝国及び帝室の権威は失墜し、信用も失いました」

「現在、帝国政府と敵対している最大派閥、

 ブルボン公爵家との和解もなくなり、

 帝国北部でいつ内乱が起きてもおかしくありません。」


皆の顔が険しくなる。

北の争乱はブルボン公爵次第だ。

彼が抑えてくれているから起きていないだけで、気が変わったり、

ブルボン公爵の身に何かあれば、内乱待ったなしじゃ。


「なので、早急に次期継承者を決め、

 その者を中心に帝国と帝室の信用、そして威信の回復に努めねばなりません」


皆が頷く。

しかし、その残りがのう。


「僭越ながら、第二皇子殿下も第二皇女殿下も……その、何というか」


騎士団総長が言いよどむが、その通りじゃ。


「頭がお花畑じゃし、庭の管理者がのう」


カールおじい様の言葉に、皇帝陛下も皇后陛下も苦虫を噛み潰したような顔になる。


「申し訳ありません、父上。私が政務にかまけて、子育てを間違えました」


皇帝陛下と皇后陛下が、カールおじい様に頭を下げる。

「仕方あるまい。国内の政治バランスを考えると、

 それぞれに派閥がつくのは時間の問題じゃった」

「しかし、自らの派閥にするのではなく、取り込まれるとは。

 ワシも思わんかった」

「平和ボケかのう。これなら派閥の反発があっても、

 アレクのようにワシが面倒を見ればよかったかのう」

「じゃから、あまり気にするな。

 武断政治から文治政治への移行に失敗したのは、

 ここにおる皆の責任じゃ。のう」


宰相を始め、他の二人も頷く。


「で、何か腹案でもあるのか、マリー」

「は、はい。その……まだ小さく、政争に巻き込みたくはないのですが」

「アレクか」


カールおじい様が皇后陛下を睨みつける。

皇后陛下も、ここは引けぬと目をそらさぬ。


「父上」


皇帝陛下の声で、先に根を上げたのはカールおじい様じゃった。


「そうじゃのう。それしかあるまいか。十歳で政争に参加させるか」

「父上、貴族達の中にはもう始めている家もあります。

 臣民の中には、もう大人に混じって働いている者もおります。

 こちらは、私の力不足で申し訳ないのですが」

「わかっとるわい。まだどの派閥にも汚染されとらん、

 まともなのはアレクだけじゃ。しかしその代わり、

 後ろ盾もここにおる者だけじゃ」

「ちと弱いぞ。どうするつもりじゃ」


カールおじい様が、今度は皇帝陛下を睨む。


皇帝陛下は目を閉じ、深く息を吸った。

室内の空気が、わずかに重くなる。

そして目を開けた瞬間、父上の顔が変わった。

そこにいたのは、穏健派の皇帝ではない。


帝国を背負い、戦を知る支配者の顔じゃった。


「まず最初に、北を攻めます」

「その後、西へ。東はミョルニル公爵家と第四騎士団で国境を固めます。」

「南は、なんとしても西園寺公爵家を抱き込みます。」

「そして、その争乱で、ハシュバルト公爵家には消えてもらいます。」


皇帝陛下の声は冷たかった。

いつもの穏健派の声ではない。


ルートヴィヒ・デア・エローバラー・ソルヴェイン・シグルズ・アステリア。


デア・エローバラー。

征服者。


シグルズ。

勝利をもたらす者。


アステリア帝国二代目皇帝として相応しい、威厳ある力強い声であった。


戦か。


我は伝聞でしか知らん。

きっと、多くの者が不幸になるだろう。

我は手を強く握り締めた。


それは最悪の選択肢であり、残された最良の手でもある。

今一度、武力による再統一。


今度は、不安材料を消し去るつもりじゃ。

今ならそれが可能なのだろう。


人は寿命には勝てぬ。

ここにいる者達や、歴戦の兵士達がおるうちに。

他の派閥に取り込まれる前に。


「お主らも、同じ意見か」


カールおじい様の問いかけに、皆が頷く。


決定事項か。


「あいわかった。ならばワシも参加しよう」

「老いぼれじゃからとのけ者にするなよ」

「まだまだ、若い者には負けん」


カールおじい様から闘気が立ち上がる。

本当にこの中どころか、まだまだ帝国一ではないだろうか。


「で、どうやって始める。露骨に軍を動かせば感づかれるぞ」

「それにつきましては」


宰相が机を操作すると、卓上にアステリア帝国全土と、

その周辺国の立体図が浮かび上がる。


「実際問題、東国の動きがおかしゅうございます。」

「国境防御の支援として、第四騎士団をピピン辺境伯の所へ援軍として動かします。」

「ミョルニル公爵家には、その後詰として戦の準備を」

「他の騎士団は、第四騎士団が抜けた分の穴埋めと、

 東国の国境防衛を交代で担うよう準備させます。」


そう宰相が答えると、今度は騎士団総長が口を開く。


「実際に東国国境は不穏ですので、その対策で動かすとすれば問題ないかと。

 ちなみに今回の集まりも、表向きは東国国境問題としてあります。」

「そうじゃのう。しばらくは問題あるまい」

「準備が整えば、私が近衛を率いて、陣中見舞いと称して帝都を出ます。」

「途中、騎士団と合流して、そのまま北へ進軍します」

「そう上手くいくかのう。それに、北に攻め入る名目は。

 理由もなく攻め入れまい。まさか再統一の為と言えば、西も動くぞ」


カールおじい様が、西の領地と、

他にも不満を持っているだろう貴族領を指していく。


「名目は反乱です。こちらも、実際に動いている者を把握しております」

「証拠も掴んでおります」

「西は最悪、父上に帝都防衛戦をしていただく事に」


次々と立てられていく作戦。

皆の声も、顔も、いつもの好々爺としたものではなくなっている。


冷酷な軍人。

老獪な政治家。


帝国を守る為ならば、誰を切り捨てるかを迷わぬ者達の顔じゃった。


我はただ、それを聞いているだけじゃった。


帝国学園での生徒達の顔が浮かぶ。

北や西に領地を持つ者もおる。

戦が始まれば、人質じゃ。

命を貰う事もあるじゃろう。

王侯貴族の宿命とはいえ。


嫌じゃ。


殺しとうない。


そう泣き叫ぶ少女が、我の中におる。


そして、その傍でアンリシアが言う。


皇族に生まれ、皇族として育った者の義務じゃ。

受け入れろ、と。


解っておる。

どうせ受け入れるじゃろう。


少女は涙を堪えて下を向く。


今まで通りに。


そして我も、前線に立って多くの命を刈り取るのじゃろう。

何の罪もない兵士や国民を。

再び戦国の世を迎えない為に。

再統一を、などという大層な名目の元に。

それが一番血を流さずに済む方法じゃと、自分に言い聞かせて。


そんな我らを。

民を守る為に戦った。

戦乱を治める為に戦った。

セレスティア様や先人達は、どう思うのだろうか。


全てを台無しにする我らを。


のう、店主。

我は“ヘイム”に引きこもりたいぞ。


「で、南はどうする。西園寺家をはじめ、南は政治では動かんぞ。

 利で動く。商人貴族が多いぞ」


皇后陛下が答える。


「そこでございます。アレクに役立ってもらいます」


カールおじい様が、顎で続きを促す。


「まず、南には東方の抑えとしての軍事行動、

 その物資の補給先として利益を与えます。

 軍事特需として他の地域の貴族にも利を与え、

 あくまでも東方防衛の為と周知させます」

「同時に、西園寺家の令嬢、春香嬢はアレクと同じ年」

「政略結婚か。しかし西園寺家は代々恋愛結婚じゃぞ」

「アレクに西園寺家令嬢を誑し込むことなぞ無理じゃぞ。

 あ奴にそんな腹芸はできん」

「それに、西園寺家令嬢は転生者と聞いておる。中身は大人じゃ」


カールおじい様は首を横に振る。


「聞いております。別に政略結婚にならずとも、仲良くなれば」

「北と西が片付くまで動かなければ、それで問題ありません」


皇后陛下の言葉に、皇帝陛下が続く。


「そうなれば、体制は決していましょう」

「後は国内復興の為に、更に特需を与えれば、

 少なくとも軍事力での反抗はないかと」

「経済的なサボタージュをしてくれば、そのまま南下するだけです」

「なるほどのう。机上では上手くいきそうじゃのう」

「もちろんです、父上。敵もこちらの思い通りに動くとは思いません」

「この密会も、邪神やトリックスターに見られ、聞かれているかもしれませんし」


そうだ。

そこだ。

あ奴らは混乱を望む。

もう既に、北や西の諸侯に囁いているかもしれん。


「ですので、時間勝負です」

「戦の準備にも時間がかかります。早くて来春にできるかどうか」


来春か。

残り半年あるかないかじゃな。


「その間に、アレクには帝国学園に入り、

 西園寺家令嬢と仲良くなってもらいます」

「アレクは父上の元で育ち、側近候補もいません」

「幸い、西園寺家令嬢のクラスには、

 貴族階級は令嬢一人とか。アレクに釣り合う身分の者は彼女しかいません。

 接触も多くなるでしょう。」

「アレクにも、彼女を頼るよう言い含めます」


皇帝陛下の言葉の途中で、皇后陛下が青い顔をして

『軍神』様のアミュレットを強く握り締め、こちらを見る。


そうか。

狙いは公爵令嬢だけではないな。


リナ嬢やソレイア嬢か。


あのヘイム来訪中に何があったかは知らぬ。

じゃが、信仰を取り戻す程の事があったのであろう。

それでも、あそこを利用するつもりか。


それ程、なりふり構っておられんのか。


すまんな、皇后陛下。

いや、母上と父上。


ご命令とあらば、帝国学園の生徒達を人質に取ろう。

命も刈り取ろう。


じゃが、あそこだけは。


“ヘイム”だけは許さん。


何を言っとる、と言うかもしれん。

他の者を不幸に落としておいて、自分だけと言うかもしれん。

それでも、あそこは。


泣いとるあの子の。


いつもアンリシアに言い含められて我慢しとる。


アンリの聖域なのじゃ。


師匠のニューワールド講座52

~ハイ・エルフ編~


「師匠」

『なんです』

「なんで、ハイ・エルフは帝位を継げないのですか」

『それはですねぇ』

『まず勘違いしてはいけないのが』

『ハイ・エルフとは純血のエルフという意味だけではありません』

『より上位の存在へ至った種族への呼称でもあります』

『その力は絶大』

『魔法使いには及びませんが』

『通常の人間や亜人種を遥かに超えています』

『寿命もまた同じです』

『本来であれば精霊魔法も扱えるのでしょうが』

『今の時代に教え導く者はいません』

『失われた力ですね』


「それで、どうして帝位を継げないんです」

『帝位だけではありません』

『王位も』

『貴族家の当主もです』

『超長命種は原則として後継者になれません』

「そんなに長生きなんですか」

『ええ』

『不老長寿です』

『事故や病気』

『戦争や暗殺などで命を落とさない限り』

『何千年』

『あるいは万年単位で生きるかもしれません』

「それって、ほとんど神様じゃ」

『半神に近い存在ですね』

『理由は色々な説がありますが』

『最も有名なのは』

『世界樹の申し子』

『という説です』

「世界樹」

『この世界だけではなく』

『様々な世界を支えているとされる存在です』

『世界の循環を維持する膨大な力を生み出しているとも言われています』

『ハイ・エルフはその守護者』

『あるいは世話役』

『そんな存在だと伝えられています』

『だからこそ世界樹と共に長く生きる』

『そう考えられているのです』


「でも、それだけなら統治者になっても良さそうな」

『そう思いますよね』

『最初の百年ほどは良いでしょう』

『二百年でも』

『三百年でも』

『優秀な統治者なら国は栄えるかもしれません』

『ですが』

『問題はその先です』

「先?」


『共に国を作った友が死ぬ』

『支えてくれた臣下が死ぬ』

『愛した者が死ぬ』

『子が死ぬ』

『孫が死ぬ』

『曾孫も死ぬ』

『さらにその先も』

『皆いなくなります』


『自分だけを残して』


「……」

『統治者とは孤独なものです』

『ですが』

『それが千年続いたらどうでしょう』

『心は耐えられると思いますか』

「無理だ……」

『ええ』

『だから超長命種は統治者に向かないのです』

『能力ではなく』

『心が壊れる』

『それが問題なのです』


しばらく沈黙が流れた。


そして師匠は静かに続ける。


『かつて超帝国時代』

『小国ではありましたが』

『およそ千年もの間』

『一人の統治者が国を治めていました』

「千年……」

『ある日』

『疲れたのでしょう』

『後継者へ譲ろうと思ったそうです』

『ですが』

『その時に気付いたのです』

「何をですか」

『後継者の顔を見て』


『お前は誰だ』


『と思ったのです』

「……」

『子ではない』

『孫でもない』

『曾孫ですらない』

『遥か先の子孫』

『血は繋がっていても』

『もはや他人でした』

『そして考えてしまったのです』

『何故』

『自分が千年かけて築いた国を』

『この他人に渡さなければならないのか』

『この国は私のものではないのか』

『と』

「まさか……」

『ええ』

『悲劇が起きました』

『その統治者は』

『自らの子孫を皆殺しにしようとしたのです』

『当然』

『国中が反発しました』

『内乱が起きました』

『最後は超帝国が介入し』

『その国は滅びました』


静かな声だった。

けれど、そこには重みがあった。


『それ以降です』

『超長命種が統治者になれなくなったのは』

『特に』

『何千年も生きる可能性があるハイ・エルフは』

『絶対に認められなくなりました』

「そういう事だったんですね……」

『ええ』

『才能や力の問題ではありません』

『長く生きすぎるのです』

『それは時として祝福ではなく』

『呪いになります』


その時だけは。

ハイ・エルフについて語る師匠の声が、どこか悲しそうに聞こえた。



作者メモ

※本編のおまけ設定です。読み飛ばしても問題ありません。

※本編とは時空が違います。

※本編の都合により、設定が変わる事があります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。